黒井緑のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
世界各国が覇権を取り合ったインド洋の略史。
一つ一つのエピソードで、小説や漫画に映画とエンタメ作品に十分のボリュームがあるのだろうし、巻末の参考資料の紹介見るだけで深く広い魅力があるのだと思います。作者の黒井緑さんは、海洋歴史漫画を描いている人として認識しているので、今後の本人の活動に期待。
こんなに面白いジャンルが眠っているのに、描いてくれる人が少ない。だから自分が書くしかない、という気概もあるのかしら。田中芳樹さんが中国史で思ったことと似ているのかもしれない。
『三国志』が面白いのはもちろんだけど、右も左も『三国志』ばかり。他の時代もすごく魅力的なんだ、ということを訴えてきたけど進展が見られないので自分で書くしかないや、と言っていた気がする。
軍服や衣装ディテール、容姿とかで書き分けはされているのだろうけど、ヨーロッパー人の区別がぱっと見でわからないのは、自分の浅学な部分。帽子の徽章の形状とかで、その道の泰斗であればすぐに区別できるのだろうな、と思いながらページをめくりめくりしてました。洋の東西はいいんですけどね、西洋の中のとなると、なかなか即断できない。
ま、何事も勉強ということです。
世界史の教科書と「海の中原」で、インド洋史の入門になるのではないか、と感じますが、現役学生でないので成果がわからない。テストってきらいだったけど、こういう面では需要があるんだよなぁ。と卒業して追われなくなった今だから思います。
しかし、イギリスのやり口って嫌われるよね。トンデモだと思っていた、大概の戦争紛争の遠因は大英帝国にある、という説を信奉してしまいそうです。 -
Posted by ブクログ
元サブマリナーという経歴を持つ著者。いつもニッチともいえるテーマを選んだ作品を記していますが、今回は日露戦争後に、アメリカ海軍が主力戦艦16隻を連ねて世界を周航したことをテーマにしています。
時に日露戦争で勝利した日本脅威論などもあり、世界に対するアメリカのプレゼンスを示す必要があり、当時のセオドア・ルーズベルト大統領の肝煎りで強行された平時の『砲艦外交』の苦闘が綴られています。
改めてこの本で、この航海のことを読んでみると、当時の海軍力を対外的に示しておくことの重要性や、この周航がアメリカ海軍にとって大きな財産となったことがよく分かります。 -
Posted by ブクログ
日露戦争の勝利によって、太平洋の制海権を手に入れた日本。西海岸が太平洋に面するアメリカが、新たな脅威となった日本に対してとった行動は、主力海軍の世界周航。
時の大統領、セオドア・ルーズヴェルトが強引に進めた大計画。その開始から終幕までを描いた「白い艦隊」。アジアの端っこの小国日本がロシアに勝利したということが、どれだけの衝撃を世界に与えたのかがうかがえます。
世界周航で各国との外交ルートを強化し、同時に海軍の実地訓練もこなす、という目的を達成してしまったのは、壮挙でしかないのでしょう。これ以上ない示威という結果になりましたが、紙一重で自慰で終わった可能性もあったのではないか、と思います。艦隊出発までは、そんな批判もあったのではないか、と邪推してしまいます。
日本語の言葉遊びですが。
強権発動、結果よければ全てよし、の一面もあるので諸手を挙げての賞賛はできないけども、それを封じ込めるほどの実績を上げてしまった、という「白い艦隊」。 -
Posted by ブクログ
「白い艦隊」で知った黒井緑さん。タイトルから察するに、すごく趣味的な漫画描いています。
近代の巡洋艦の戦闘をピックアップした短編八話。ミリタリーは興味はあれど、全く持って門外漢なので、どれもこれもワクワクして読みました。
一番は「ダーダネルス、未だ通れず」ですかね。意気揚々と乗り込んできた奴らを返り討ちにするというのはいい、単純に好みです。余裕でいけんだろ、と甘く見積もってるチャーチルを虚仮にする感じ、いいです。
タイトルの「重戦車対巡洋艦」もよかった。互いに、攻撃目標として想定されてはいないだろうけど、出会ったからには見つけたからにはぶっ潰すぜ、という兵器の性でしょうか。
全話通じて、搭乗人物がイカれてるメンタルなのが、エンタメとしての戦争漫画という心持ちで読めましたね。
戦記物の魅力的な部分です。