ロジャー ゼラズニイのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ディレイニーと並んで60年代アメリカSF界を代表する作家ロジャー・ゼラズニイの初期中短篇集である。全15篇の中には、ひとつのアイデアのみで成立する超短篇も含まれているが、その持ち味を堪能しようと思えば表題作を含む中篇に読み応えのある作品が多い。きびきびした語り口、当意即妙な会話はハードボイルド探偵小説を思わせる。格闘技好きらしくアクションを描くのが上手い。当今ではどこかの団体からクレームがつきそうなくらい男も女もやたらスパスパやるので作品の書かれた時代が分かる。しかし、ポケットから取り出して口にくわえればその場の雰囲気や人物の気持がさっと切り替わる絶妙の小道具である。持ち運びに面倒な酒類ではこ
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Posted by ブクログ
情緒と哀愁漂い、そしてかっこいい名作SF短編集。60年代作品ですが古臭さを全く感じさせません。面白いです。イマジネーションが刺激されます。
【各作品メモ】
「その顔はあまたの扉、その顔はあまたの灯」
巨大生物イッキーを釣る話。
「12月の鍵」
壮大なテラフォーミングの話。面白い。冷凍睡眠を繰り返しながら、3千年かけて惑星の変化を待つうちに、原住生物の知性化が進む。彼らの絶滅を放っておくのか、彼らを守る神となるのか。一番お気に入りです。
「悪魔の車」
意思を持つ未来の車。なかなかシンプルでスリリングな話。人工知能の哀愁がいい感じ。
「伝道の書に捧げる薔薇」
これも面白いね。言語学者かつ -
Posted by ブクログ
ロジャー・ゼラズニイの1960年代中盤までに発表した中短編15作を収録した短編集。
すごく良かった。
40年以上昔の作品なのに、古臭さを感じさせずなんとも言えないカッコよさと深い余韻に浸れるSF短編集でした。この本が今は絶版であるのは勿体無い。
アイデアやプロットや登場人物、シチュエーション等は面白かったり驚かされたりするのに、文章が野暮ったいなあ、回りくどいなあと感じて中身にあまり引き込まれなかったり、その結果友人に勧め難かったりする小説があります。
この短編集は、そのような小説とは異なり、アイデアやプロットは50年代のSF小説にもありそうな古い設定のものもありますが、兎に角カッコよく、 -
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Posted by ブクログ
本書は、60年代に登場したニューウェーブSFを代表するロジャー・ゼラズニイの中・短篇集です。
スランギーで若々しい文体に目を向けがちですが、全編を通じて詩的な表現がみられ、粗くも繊細な二面性を感じられる文章でした。
なかでも「聖なる狂気」は、物語自体は時間の逆行をモチーフにした平凡な内容なのですが、その時間が逆行する様を見事なまでに表現しており、その巧みな表現だけで楽しめる一作です。
その他面白かったのは、「伝道の書に捧げる薔薇」と「この死すべき山」。
特に前者は、やはり最後がねぇ…この作品に限らず「十二月の鍵」や「このあらしの瞬間」も終盤のどんでん返しが印象に残ってます。