大石芳野のレビュー一覧

  • 女の国になったカンボジア

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    戦争や内乱のあとの人々を撮り続けるカメラマンが、ポル・ポト政権
    崩壊後の1980年にカンボジアを訪れて書き記したルポルタージュである。

    忘れがちではあるが、ベトナムと同様、カンボジアもアメリカの阿呆な
    介入で多くの不幸を被った国である。

    フランス領からの独立を勝ち取り、シアヌーク国王(当時)のもと、
    不完全ではあるものの肥沃な国土で「国」としての姿を作りつつあった。

    しかし、お節介焼きのアメリカによって、首相であったロン・ノル将軍の
    クーデターが起こる。

    そして、腐敗したロン・ノル政権に対するポル・ポト率いるクメール・
    ルージュの台頭で国内には恐怖政治の嵐が吹き荒れる。

    まず弾圧され

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    2017年08月17日
  • ベトナムは、いま 十年後のベトナム戦争

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     二十世紀に、アジアの二つの民族が、人類として最悪の洗礼を受けさせられた。一つは日本の原爆であり、もう一つはベトナムの「枯れ葉作戦」のダイオキシンである(P25)

     副題は十年後のベトナム戦争とあるが、本書の写真を見ると国民の戦争は十年経っても・・・現在40年たっても深く国民の心に傷としてのこっている。同じように戦後70年の日本においても戦争を二度と起してはならないと思う。

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    2015年02月28日
  • コソボ 破壊の果てに 大石芳野写真集

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    コソボ紛争と一般には言われていますが、セルビア系によるアルバニア系民族の虐殺と言ってもいいのではないか。

    写真の説明書きを読むと、本当に心が痛みます。
    この恐ろしい殺戮が10数年前に行われたということが信じられない。
    今もなお、二つの民族間には深い溝があるようですが、きれい事は通じないかもしれませんが、もう二度とこのような悲劇を繰り返さないでほしい。

    著者の言葉
    「人間の命に重さがあるはずがないのだが、実際は、歴然と重さの違いがあり、秤に乗せながら(乗せられながら)動いて(動かされて)いる。忍耐を強いられる国民(民族)と、しない国(民族)がある。矛盾と理不尽が渦巻く。どろどろとした濁流の中

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    2012年11月09日
  • 女の国になったカンボジア

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    1980年当時、「虐殺なんて嘘だ。ポル・ポト政権にも多少の間違いはあったかもしれないが、それは理想的な社会主義を目指していたからこそだ。その政権を力で崩したベトナムは許せない。」という意見が大多数をしめていたときに、果敢に現地取材を試み、ポル・ポト政権の真実を暴こうとしたルポルタージュ。

    本の内容はもちろんのこと、掲載されている写真も痛々しいものが多く、改めて当時の悲惨な状況のことを知ることができました。ポル・ポト派幹部の証言などもあり、まさに迫真の取材です。

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    2009年10月04日
  • ベトナムは、いま 十年後のベトナム戦争

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    ベトナム戦争から10年後のベトナム各地を訪れ、戦争中や戦後の人々の苦悩をたどったルポルタージュ。改めてベトナム戦争が残したものを問い直し、戦争の悲惨さを訴えています。

    リアリティ溢れる証言の数々に震えます。

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    2009年10月04日
  • ベトナムは、いま 十年後のベトナム戦争

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    悲しい写真だが、未来に向かってる写真が沢山あった。
    以前カンボジアにいったときと同じような顔をした人が沢山いた。

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    2015年07月15日
  • コソボ 破壊の果てに 大石芳野写真集

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    彼女はフォトジャーナリストの中で一番好きだった。が、文章を読んでいて所詮きれいごとを言っているのではないかと思い始めた。虐殺され、家を焼かれた人々の本当の心を理解するのは難しい。彼らの命や尊厳を守ることができなければ『復讐として殺し返すのはいけない』などという言葉は所詮きれいごとでしかないと思う。セルビア側からも何枚か写真を撮っているが、被害者が何をされたのかを克明に記録するのがやはり彼女の仕事だと思う。正義や人の尊厳が軽く扱われてはいけない。

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    2009年10月04日