山形孝夫のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
西洋史をより深く理解したいと考えるなら、宗教に関する知識が不可欠ではないでしょうか。
特に聖書は、長きにわたり西洋の文化に深い影響を与えてきた書物で、この知識なしには、西洋の芸術文化の真髄に触れることはできないと考え、以前 旧約・新約聖書にチャレンジしてみましたが、とても読みづらく内容も分かりにくかったせいもあり、途中で断念してしまった経験があります。(どうも聖書の書物としての構成がいまひとつ掴めなかった様です)
その後、聖書の内容を要約した本がないかと探していたら、この本に出会いました。
旧約・新約聖書の内容を物語風に語ってゆく内容で全八章からなり、最初の四章は、旧約聖書の物語、後半の四章は、新約聖書の物語といった構成になっています。各章ごとにノートといった形で、その章に関する知識を深めてくれるような補足説明があり、作者は前書きでノートは読み飛ばしても物語の内容には差し支えないとおっしゃっていましたが、個人的にはこれがかなり面白くより物語を楽しむのに役立ちました。
旧約聖書の物語は、神の天地創造から始まる古代人達の壮大な歴史絵巻が展開され、圧巻でした。
また新約聖書の物語は、物語の締めくくりに名作の誉れ高い小説「クオ・ワディス」の感動的なエピソードの一つを持ってくるところにセンスの良さを感じました。
年少者向けに書かれた本ですはありますが、大人が読んでも充分満足できる内容ではないかと思いますので、聖書の事が知りたいなと思う人には、特にお勧めの一冊だと思います。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ初めて聖書を読んだのは5~6年前なんですが(学業の必要で読みました。聖書は読み物としても面白いです。柳田國男が好きな方なら旧約が特にオススメ!)、その時に併せて読んでおけばよかったと思ったぐらい、面白くてためになりました。面白い、そこがポイントです。
聖書を読んでいると、どうでもいいことが気になって来ます。
●カインはアベルを殺したのになぜ神様から庇護の印を貰ったのだろうか?
●アブラハムが妻を埋葬する土地を「タダであげる」と言われたのに「買い取りたい」と言い張ったのはなぜか?
●イエスはなぜ「花婿」なのか?
以前からずっと引っかかってたんですが、その答えがことごとくこの本の中に書いてあった…!
本書は神学的な観点からではなく、古代世界の人々の世界観にユダヤの人々がどういう影響を受けてあのような物語を聖典として語り継いできたかを考察するもので、神の存在に関してなんら意見するものではありません(むしろ、反神学的な内容と言えるか…)。
この本を読んで、私が引っかかっていた部分は全て、当時の人々の世界観を共有していないことに起因していることがわかりました。まさか、メソポタミアの神様から始まって、ヘレニズム世界の神様にまで話が及ぶとは!
蛇足ではありますが、旧約聖書に「バアル神」というやけに存在感の強い異教の神様(聖書内で「偶像」としてではなく「一つの霊」として登場する神様はおそらく彼だけだった)が出てきます。
彼の存在感はなかなかのもので、聖書の登場人物の中でも5本の指に入るくらい私は好きだったんですが、彼は聖書成立に欠かすことの出来ない存在だったんですね。その点については嬉しくもあり、とても納得する所でした。 -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
聖書は、キリスト教の教典であるばかりでなく、ヨーロッパ文化を理解するうえで欠かせない書物といえましょう。
この本は、天地創造にはじまる『旧約聖書』とキリストの言行・生涯を綴った『新約聖書』のなかから有名なお話をとりあげ、名言をちりばめながら物語風にまとめてあります。
人類の古典である聖書に親しむ手引き。
[ 目次 ]
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
Posted by ブクログ
昔、家に聖書を売りに来た謎のクリスチャン(主に兄が対応)が、多くの時代、多くの人の手によって書かれた、これだけ膨大な書物なのに、聖書には、矛盾する記述がなにひとつない……とか、言っていたが、読んでみれば、矛盾だらけの書物です。
あれ、売りたいだけで、実は自分は真面目に読んじゃいなかったろう……。
あと、わたしが自分で対処した謎のクリスチャンも、キリスト教徒にならなければ、最後の審判で救われない的なことを言っていたけれど、それも、嘘ですね。
そんなこと、全然、聖書には書いてない。
そんな、クリスチャンすらしっかりと読んでいない聖書ですが、読んでみると、おもしろさは、たしかにあるのです。
で、この本は、聖書がどうやって成立してきたか、どんな意図で編纂されたかという研究を寄せ集めた感じの1冊です。
期待したのは、もっと、独自解釈がいっぱい出てくるような「ダ・ヴィンチ・コード」みたいなお話だったのですが、けっこう、キリスト教的な世界観にとらわれているところもあって、読み進めながらこれは、外国のキリスト教の影響の強い国で書かれた本だと途中まで誤解していました。
日本人だったのね。
結局、西洋の研究をまとめたものなので、そんなキリスト教の世界観に引っ張られたものになっている感じです。
聖書の中で、物語としてのおもしろさは、やっぱり、聖書中、福音書にまさるものはないと思います。イエス・キリストの物語ですね。この本も、福音書のところが、特におもしろいです。
真実のイエスは、聖書の中にはいずに、物語としての意図が強いという話は、わたしには納得できるものですが、けっこう、キリスト教を信じている人にとっては、衝撃的なのではないかと思います。
本自体は、今までされてきた聖書の研究について、いろんな説をまとめて読みやすいです。ここに、日本人的な飛躍が入ると、よりおもしろくなったかもと思いますが、そもそも、「おもしろさ」がテーマの本ではないので、これでいいのでしょう。