聖書の起源

聖書の起源

ビジネス・実用
1,023円 (税込)

5pt

3.7

キリスト教の正典、「聖書」──その奥にひそむのは、古代オリエントやギリシアのあらゆる神々の姿が織り込まれ、ユダヤ民族悠久の歴史が幾重にも積み重ねられた、多文化的な空間であった。異教のバァール神話の死と復活のドラマ。ギリシア神話のアドニスとアフロディテの出会いと別れの物語。エーゲ海であがめられた治療の神アスクレピオス。治癒神イエス登場の背後には、これら異端の神々の系譜を透かし見ることができる。従来の宗教学的解釈では光をあてられることのなかったこの歴史を、宗教人類学の視線から掘り起こし、のちの聖書の読みを決定づけた古典的名著。

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    昔、家に聖書を売りに来た謎のクリスチャン(主に兄が対応)が、多くの時代、多くの人の手によって書かれた、これだけ膨大な書物なのに、聖書には、矛盾する記述がなにひとつない……とか、言っていたが、読んでみれば、矛盾だらけの書物です。
    あれ、売りたいだけで、実は自分は真面目に読んじゃいなかったろう……。
    あと、わたしが自分で対処した謎のクリスチャンも、キリスト教徒にならなければ、最後の審判で救われない的なことを言っていたけれど、それも、嘘ですね。
    そんなこと、全然、聖書には書いてない。
    そんな、クリスチャンすらしっかりと読んでいない聖書ですが、読んでみると、おもしろさは、たしかにあるのです。
    で、この本は、聖書がどうやって成立してきたか、どんな意図で編纂されたかという研究を寄せ集めた感じの1冊です。
    期待したのは、もっと、独自解釈がいっぱい出てくるような「ダ・ヴィンチ・コード」みたいなお話だったのですが、けっこう、キリスト教的な世界観にとらわれているところもあって、読み進めながらこれは、外国のキリスト教の影響の強い国で書かれた本だと途中まで誤解していました。
    日本人だったのね。
    結局、西洋の研究をまとめたものなので、そんなキリスト教の世界観に引っ張られたものになっている感じです。
    聖書の中で、物語としてのおもしろさは、やっぱり、聖書中、福音書にまさるものはないと思います。イエス・キリストの物語ですね。この本も、福音書のところが、特におもしろいです。
    真実のイエスは、聖書の中にはいずに、物語としての意図が強いという話は、わたしには納得できるものですが、けっこう、キリスト教を信じている人にとっては、衝撃的なのではないかと思います。
    本自体は、今までされてきた聖書の研究について、いろんな説をまとめて読みやすいです。ここに、日本人的な飛躍が入ると、よりおもしろくなったかもと思いますが、そもそも、「おもしろさ」がテーマの本ではないので、これでいいのでしょう。

    0
    2011年01月21日

    Posted by ブクログ

    旧約聖書・新訳聖書の両方分析した本。旧約聖書についてはユダヤ人の歴史や放浪の旅について、新訳聖書についてはイエスがキリストとなったその過程を、他の神話なども交えながら考察している。

    0
    2010年06月18日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     初めて聖書を読んだのは5~6年前なんですが(学業の必要で読みました。聖書は読み物としても面白いです。柳田國男が好きな方なら旧約が特にオススメ!)、その時に併せて読んでおけばよかったと思ったぐらい、面白くてためになりました。面白い、そこがポイントです。

     聖書を読んでいると、どうでもいいことが気になって来ます。

    ●カインはアベルを殺したのになぜ神様から庇護の印を貰ったのだろうか?
    ●アブラハムが妻を埋葬する土地を「タダであげる」と言われたのに「買い取りたい」と言い張ったのはなぜか?
    ●イエスはなぜ「花婿」なのか?

     以前からずっと引っかかってたんですが、その答えがことごとくこの本の中に書いてあった…!

     本書は神学的な観点からではなく、古代世界の人々の世界観にユダヤの人々がどういう影響を受けてあのような物語を聖典として語り継いできたかを考察するもので、神の存在に関してなんら意見するものではありません(むしろ、反神学的な内容と言えるか…)。
     この本を読んで、私が引っかかっていた部分は全て、当時の人々の世界観を共有していないことに起因していることがわかりました。まさか、メソポタミアの神様から始まって、ヘレニズム世界の神様にまで話が及ぶとは!

     蛇足ではありますが、旧約聖書に「バアル神」というやけに存在感の強い異教の神様(聖書内で「偶像」としてではなく「一つの霊」として登場する神様はおそらく彼だけだった)が出てきます。
     彼の存在感はなかなかのもので、聖書の登場人物の中でも5本の指に入るくらい私は好きだったんですが、彼は聖書成立に欠かすことの出来ない存在だったんですね。その点については嬉しくもあり、とても納得する所でした。

    0
    2012年01月28日

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