五十嵐 美克のレビュー一覧
-
自分の悩みや疑問を代わりに考えてくれた、ある種運命的な本。
ロマンと古典、直感と理性、文系と理系などなど…
日常の中には常に対立したもの、人が存在する。
どうしてこうも分かり合えないのだろう?
同じ世界に生きていながら、なぜ真っ二つに分裂してしまうのだろう。
片方を重視すればもう片方を蔑ろにして...続きを読むPosted by ブクログ -
こんなはずではなかった、昔の自分はもっと希望に溢れ、夢に向かって邁進していた…
こんな中年の喪失感への対応には3通りある。一つは、あの頃の自分は若かった、現実はこんなものだと過去の自分を捨てる。二つ目は、やはり夢は諦められない、と今の自分を捨てる。もう一つは、昔の夢を改めて考え、今の自分と昔の自分...続きを読むPosted by ブクログ -
"Zen and the art of ……"の発祥の本です。
ものすごく頭の良い人がいるのだと、ただ、ただ圧倒されながら読んでいます。
感想は下巻を読んだ後に。
(といっても上巻を読むのに半年かかっているからなぁ……)Posted by ブクログ -
ずーーーーーーーっと頭の中で考えていたことを整理するきっかけをくれた本。
本著で言う、「理性(古典)」的な考え方と「経験(ロマン)」的な考え方のどちらかが崇高なのではなく、両方のバランスが大切なんだなぁ、というのが私なりの結論。
自分の言葉で説明を試みるなら、前者は「ロジック」、後者は「フィーリン...続きを読むPosted by ブクログ -
例えば「常識を疑え」なんて実に陳腐な言葉だが、見落としがちなのは常識を疑う時に拠って立つ場所がすでに常識を前提としているのだと、そういうことを指摘している本。
オートバイのようなシステマチックに作られたものと、そういった理論の積み重ねや分析だけでは乗り越えられないもの、そのギャップについての思索なん...続きを読むPosted by ブクログ -
なんとか読み終わった・・!
プラトンとかアリストテレス、ギリシャ哲学などの辺りはほぼさっぱりだったが、上巻からの全体的な構成(バイク旅と並行して段々明らかになってくるパイドロスのこと)、息子クリスとの関係性の行方が気になり、最後まで辿り着けた。
クライマックスの太字部分に静かな高揚覚えて感動しました...続きを読むPosted by ブクログ -
菊次郎の夏に、「オートバイ」と「真理の探究」の要素を追加した内容だと思います。
単なる親子のツーリング話ではなく、テクノロジー論、現代文明論、親子論、バイク分析論と、
著者の思索は、留まることを知りません。
著者は精神を病んだ経験の持ち主です。
また、その息子は、神経症を患っています。
小学生ぐら...続きを読むPosted by ブクログ -
バイクに乗ったことが無くても、車の運転中や通勤電車の中でも、流れる景色と振動を感じながら、一人で思索に耽る経験はあるだろう。
本書は、技術ライターの男が11歳の息子とバイクの二人旅をしながら、ひたすら思索に耽る物語だ。
男は過去に別の仕事をしていて、神経症になり入院した過去を持ち、息子は感情が昂...続きを読むPosted by ブクログ -
バイク好きなのでジャケ買い笑
まさにロードムービー!
洋書って説明が多いから読みにくいのかなぁ。
演繹と帰納、オートバイの要素分解のところは面白かった。下もすぐ読むぞーPosted by ブクログ -
息子とのオートバイの旅を通じて、自分自身の過去の人格を掘り下げていき、禅やら哲学に対する考察を同時に行うという内容の本。読み始めはタイトル通り「禅とオートバイの修理技術」についての考察が入り非常に面白く読んでいたんだけど、「クオリティ」の話になってから非常に難解な読み物になっていき、頭に本の内容がす...続きを読むPosted by ブクログ
-
失われた記憶を追いかける旅。真理探究への旅。そして息子と共に行くオートバイでの旅。三者がもつれあいながらドラマチックに旅路の到着点まで向かっていきます。
導入部ではテクノロジーを拒否する夫婦とともに行く旅。そして思い出の高地への旅。息子と二人きりになった後半。”クオリティ”探究の旅との符号に難し...続きを読むPosted by ブクログ -
長い間手に入れずにいた本をとうとう読みました。
オートバイと哲学。私の興味ある分野がひとつとなって、他にはない期待に満ちた内容と想像して数年。なかなか手に入れられませんでした。
オートバイと哲学。興味がない方には、共通項はあまり見いだせないかもしれませんが、実は結構近いものがあるのです。修...続きを読むPosted by ブクログ -
難しい。でもバイクと旅と、筆者の過去が並行して書き進められる様子はおもしろい。
考えていることの次元が違う…
とりあえず下巻に進むぞ。Posted by ブクログ -
p91
何度読んでも飽きのこない本である。私はいつもクリスの理解をはるかに越えた本を選ぶことにしている。多少読んでは、クリスがいつもの矢継ぎ早の質問をしてくるまで待ち、それに答えてから、また多少読み進める。昔の本は、このようにして読めば、読みが深くなる。古典とはそうしたものだ。これまでにも、読んだり...続きを読むPosted by ブクログ -
メインテーマは【クオリティとは何か?】
著者自身が思考した経緯を2人称で書いている。
実は、著者はこの【クオリティ】に囚われ、精神異常を来たしたのだ。
その結果、精神科への入院を余儀なくされ、復帰後に本書を書いている。精神を病んでいる時期の自分をパイドロスと呼び、自分とは別個の存在とし、その思考過程...続きを読むPosted by ブクログ