五十嵐 美克のレビュー一覧

  • 禅とオートバイ修理技術 下

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    自分の悩みや疑問を代わりに考えてくれた、ある種運命的な本。

    ロマンと古典、直感と理性、文系と理系などなど…
    日常の中には常に対立したもの、人が存在する。

    どうしてこうも分かり合えないのだろう?
    同じ世界に生きていながら、なぜ真っ二つに分裂してしまうのだろう。
    片方を重視すればもう片方を蔑ろにしてしまう。
    理詰めで考えたものは息苦しく、複雑な容姿になる。かといって見た目を重視すれば、中身がスカスカ。
    それらを一つにできる考え方はないんだろうか?
      
    筆者は息子とバイクに乗りながらそれを教えてくれる。途中途中で「何いってんだこいつ」となるような表現も多々あります。たとえ結論がわからなくとも、

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    2021年05月11日
  • 禅とオートバイ修理技術 下

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    こんなはずではなかった、昔の自分はもっと希望に溢れ、夢に向かって邁進していた…

    こんな中年の喪失感への対応には3通りある。一つは、あの頃の自分は若かった、現実はこんなものだと過去の自分を捨てる。二つ目は、やはり夢は諦められない、と今の自分を捨てる。もう一つは、昔の夢を改めて考え、今の自分と昔の自分を融合して、新たな目標に進む。

    本書の著者は、かつて大学で修辞学を教えるうちに、「良い」とは何か(本書ではクオリティと表現)を追求しはじめ、哲学の道に進み、大学の旧態依然とした価値観と衝突し、最終的に心を病み、精神病院に入院して電気ショック療法を受け、記憶と家族を失った。

    その後、退院して別の仕

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    2020年11月06日
  • 禅とオートバイ修理技術 上

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    ネタバレ

    "Zen and the art of ……"の発祥の本です。

    ものすごく頭の良い人がいるのだと、ただ、ただ圧倒されながら読んでいます。
    感想は下巻を読んだ後に。
    (といっても上巻を読むのに半年かかっているからなぁ……)

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    2012年05月01日
  • 禅とオートバイ修理技術 下

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    ずーーーーーーーっと頭の中で考えていたことを整理するきっかけをくれた本。
    本著で言う、「理性(古典)」的な考え方と「経験(ロマン)」的な考え方のどちらかが崇高なのではなく、両方のバランスが大切なんだなぁ、というのが私なりの結論。

    自分の言葉で説明を試みるなら、前者は「ロジック」、後者は「フィーリング」と例えることができるのではないか。
    それはトップダウンの「西洋都市計画」と、ボトムアップからおこった「日本のまちづくり」に例えることもできると思う。

    大切なのは、どちらか一方で十分なのではなく、両方の考え方の使い分けが必要なんだ、ということ。
    日常生活で例えれば、計画性無しにその日暮らしで生活

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    2011年04月12日
  • 禅とオートバイ修理技術 上

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    例えば「常識を疑え」なんて実に陳腐な言葉だが、見落としがちなのは常識を疑う時に拠って立つ場所がすでに常識を前提としているのだと、そういうことを指摘している本。
    オートバイのようなシステマチックに作られたものと、そういった理論の積み重ねや分析だけでは乗り越えられないもの、そのギャップについての思索なんだと解釈した。
    下巻の展開を期待。

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    2010年05月23日
  • 禅とオートバイ修理技術 上

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    エンジニアとして働いていて、それなりにテクノロジーに対する拒否感はなくとも、深堀すると自分の理解を超えるポイントがいつも存在しており、そこで留まってしまう自分がいるなあなどと思った。そのせいで、いつまでも自分はパズルしかできないという失望感もある。

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    2025年10月17日
  • 禅とオートバイ修理技術 下

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    ネタバレ

    なんとか読み終わった・・!
    プラトンとかアリストテレス、ギリシャ哲学などの辺りはほぼさっぱりだったが、上巻からの全体的な構成(バイク旅と並行して段々明らかになってくるパイドロスのこと)、息子クリスとの関係性の行方が気になり、最後まで辿り着けた。
    クライマックスの太字部分に静かな高揚覚えて感動しました。

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    2023年03月25日
  • 禅とオートバイ修理技術 上

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    菊次郎の夏に、「オートバイ」と「真理の探究」の要素を追加した内容だと思います。
    単なる親子のツーリング話ではなく、テクノロジー論、現代文明論、親子論、バイク分析論と、
    著者の思索は、留まることを知りません。

    著者は精神を病んだ経験の持ち主です。
    また、その息子は、神経症を患っています。
    小学生ぐらいでしょうが、彼は成人後、強盗に襲われ、不幸にも射殺されます。

    一体、この著作は何なんだと思います。
    哲学書というには、あまり纏まりがあるとは思えませんし、
    息子との思い出日記にしては、哲学的考察が冴えわたっています。

    恐らく、一読しただけでは、何を言っているのか、さっぱりわかりませんが、
    読む

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    2021年05月20日
  • 禅とオートバイ修理技術 上

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    バイクに乗ったことが無くても、車の運転中や通勤電車の中でも、流れる景色と振動を感じながら、一人で思索に耽る経験はあるだろう。

    本書は、技術ライターの男が11歳の息子とバイクの二人旅をしながら、ひたすら思索に耽る物語だ。

    男は過去に別の仕事をしていて、神経症になり入院した過去を持ち、息子は感情が昂りやすい性質。最初は友人夫婦と一緒の旅であるが、色々気を遣わせ、それでもこの男は、周りの人々を他人事のように観察し、思索に耽る。

    一体この旅の目的は何か?男の過去に何があったのか?ゴールに何か待っているのか?

    という上巻。

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    2020年11月05日
  • 禅とオートバイ修理技術 上

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    バイク好きなのでジャケ買い笑
    まさにロードムービー!
    洋書って説明が多いから読みにくいのかなぁ。
    演繹と帰納、オートバイの要素分解のところは面白かった。下もすぐ読むぞー

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    2020年05月22日
  • 禅とオートバイ修理技術 下

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    ネタバレ

    息子とのオートバイの旅を通じて、自分自身の過去の人格を掘り下げていき、禅やら哲学に対する考察を同時に行うという内容の本。読み始めはタイトル通り「禅とオートバイの修理技術」についての考察が入り非常に面白く読んでいたんだけど、「クオリティ」の話になってから非常に難解な読み物になっていき、頭に本の内容がすんなり入ってこなくなった。後半になって、オートバイの整備の話に戻ったら大分読みやすくなったけど、全般を通じて難解な内容の本でした。オチについては、なんか個人的にはしっくりこなかったなぁ、という感想。まぁ、これは好き好きもあると思うけれども。

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    2018年05月31日
  • 禅とオートバイ修理技術 下

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     失われた記憶を追いかける旅。真理探究への旅。そして息子と共に行くオートバイでの旅。三者がもつれあいながらドラマチックに旅路の到着点まで向かっていきます。
     導入部ではテクノロジーを拒否する夫婦とともに行く旅。そして思い出の高地への旅。息子と二人きりになった後半。”クオリティ”探究の旅との符号に難しい哲学描写もなんとかついていけます。

     結局”クオリティ”とは何だろう?「禅」の描写は意外と少ないぞ。最後は主人公の精神はどうなったんだ?など、疑問点も残るラストだが、それは読者である我々が考えていく部分も残っていることに価値があるのかも。

     一人きりで延々と走り続けるライダーは、意外とメットの

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    2017年08月16日
  • 禅とオートバイ修理技術 上

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     長い間手に入れずにいた本をとうとう読みました。

     オートバイと哲学。私の興味ある分野がひとつとなって、他にはない期待に満ちた内容と想像して数年。なかなか手に入れられませんでした。

     オートバイと哲学。興味がない方には、共通項はあまり見いだせないかもしれませんが、実は結構近いものがあるのです。修理すること、走ること。

     思っていたのとは違った驚きを含みながら、上巻を読み終わりました。下巻を読んで評価があがるか、あるいは下がるか。

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    2017年08月16日
  • 禅とオートバイ修理技術 上

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    難しい。でもバイクと旅と、筆者の過去が並行して書き進められる様子はおもしろい。
    考えていることの次元が違う…
    とりあえず下巻に進むぞ。

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    2023年02月16日
  • 禅とオートバイ修理技術 上

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    p91
    何度読んでも飽きのこない本である。私はいつもクリスの理解をはるかに越えた本を選ぶことにしている。多少読んでは、クリスがいつもの矢継ぎ早の質問をしてくるまで待ち、それに答えてから、また多少読み進める。昔の本は、このようにして読めば、読みが深くなる。古典とはそうしたものだ。これまでにも、読んだり、読み合ったりしながら、一晩過ごしてしまったことも何度かあった。結局二、三ページしか読み進めなかったが、これが百年前「シャトーカ」が盛んであった頃ーの読書法だったのである。実際こうした読み方をしてみれば、これがどんなにすばらしい読書法かがわかるはずである。

    p232
    彼は哲学を知識のヒエラルキー全

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    2014年02月04日
  • 禅とオートバイ修理技術 上

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    メインテーマは【クオリティとは何か?】
    著者自身が思考した経緯を2人称で書いている。
    実は、著者はこの【クオリティ】に囚われ、精神異常を来たしたのだ。
    その結果、精神科への入院を余儀なくされ、復帰後に本書を書いている。精神を病んでいる時期の自分をパイドロスと呼び、自分とは別個の存在とし、その思考過程を息子とバイクツーリングするなかでナレーションしている。
    【クオリティ】を追求するなかで、禅宗の思想やギリシャ哲学が度々引用されている。私自身、その手の予備知識が希薄なため、ほとんど字面を追う状態であった。

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    2009年12月20日