1956年のダートマス会議に端を発した人口知能が60年以上経過したなか、3度目となる今回のブームは、いままでのブームとはどこが異なるのか。
本書によると、これまでのブームは企業が提供する「製品」に新しい価値を付加するために人口知能が使われてきたと分析し、現在のブームは企業の「製品」ではなく、「ビジネ
...続きを読むス」そのものに新しい価値を付加するために人口知能が使われているというのが、本書の主張だ。
そして、農業、ものづくり、自動車、住宅、医療分野での「バリューチェーン」の解説がされている。
どういうことかというと、「主要企業」に関して、新規ビジネスにおける「想定顧客」と「提供価値」を明らかにした上で、「どのようなバリューチェーンを誰と構築しているか」「そのためにどんな資源(ヒト・モノ・カネ)を投入しているか」について、それぞれ説明がされている。
特に、世界的企業の特許戦略については、グローバルビジネスの世界で、生き残りをかけ、その厳しさを思い知らされました。
しかしながら、この本を読んで感じたことは、アメリカ人、ヨーロッパ人、日本人が人工知能を使って、どういう社会を目指すのか、そのなかで、人は、人工知能とどう付き合うのかなどについては、その民族が歴史的に培ってきた社会の在り方が影響を与えていると思った。
また、ビッグデータをコンピュータで分析し、新たな価値を顧客に提供するということは、基本的には、フェイス・トゥ・フェイスの段階でも同じだと私は思う。
とにもかくにも、人と人が交流する中で飛び交う情報を丁寧に扱うということが基本のようだ。