石黒敦久のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ体育会系の書店で働く新人バイトと教育係の物語。店内を見張る隠しカメラが仕込まれていたり、お店に住みつく神様(比喩でなく)がいたりと型破りなお店なんだけど、厳しいながらも楽しそうな環境だと感じる。こんな本屋が近所にあればいいのになあ。
フィクションながら、書店や出版の業界のことも主に最初の二章で紹介してくれている。田口幹人著『まちの本屋』の直後に読んだのだけど、なんか繋がりがあって面白かった。特に「新刊は年に8万冊も出ている」というところから、書店員は全ての本に向き合うことはできない、でも頑張って向き合おうとしているという想いが両書とも通底しているように思われて、その想いにフィクションとノンフィ -
Posted by ブクログ
ネタバレ読みはじめは、あ、合わないな、と思った。
なんか癖のある文体だなと。
読み終わりは、いい本を読んだな、と思った。
文体も、なんだか癖のあるというよりクセになるというか。
本屋で表紙&タイトル買いした一冊でしたが、後半に行くにつれ引き込まれました。
予想よりファンタジー要素が多めです。
一人娘を持つ父親、年もほぼ一緒、という境遇が自分と重なり補正をかけてる可能性は高いですが、それを割り引いてもおもしろかったと思います。
生きること、親と子、変えられない過去、自分と他人、いろいろ考えさせられました。
ただ一点、最後のジルのお礼、あれは逆に辛くならないかなあ……
ちなみに偶然「一九八四 -
Posted by ブクログ
ネタバレなんというかふわっとした話ではあったが、面白いかった。翻訳者の描写が詳細で作者何者?っていうところがとても気になった。言語学とか学んでたのかな。
でなにかもやっとする、と思ってたんだけど、ジルのキャラクターが面白いのでもっと素の状態を掘り下げて、主人公といろいろ絡ませて欲しかったというところだった。
まあ実際にはその人格の切替なんてなかったのかもしれないけど、その部分がラスト付近で曖昧になってしまった感じがする。
実はわたしはこうだったんだよー!!とサスペンス的な展開かとおもいきや、そうでもないなと若干肩透かしでふんわり包まれちゃったのが残念。
帯の煽りからして「心安らぐ」とか書いてある