瀧澤弘和のレビュー一覧

  • 現代経済学 ゲーム理論・行動経済学・制度論

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    副題の通りゲーム理論、行動経済学、制度論など現代経済学の理論発展の流れや各理論の骨子をざっと概観できる。社会科学の中でも独特の理論とポジションを発展させてきた経済学が、近年様々な研究分野の成果や手法、視点を取り入れてどのように進化してきているのかを学べる良新書。

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    2022年12月04日
  • 現代経済学 ゲーム理論・行動経済学・制度論

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    本書は現在の経済学のオーバーフローを提示し、それらに対する筆者の評価を解説したものである。現在の経済学の潮流は多岐に渡っており、これらがどのように派生したのか、互いにどのような関係性があるかなどについて記されている。このような本はこれまでありそうであまりなかったようにも思えるため、個人的にはとても読み応えのある本であった。
    なお、本書の内容は、初級のミクロマクロを学んでいないと、理解するのが難しいと思う。加えて、現在の経済学の潮流についても多少なりとも知識がないと、興味の持てない内容となっているかもしれない。

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    2019年01月02日
  • 現代経済学 ゲーム理論・行動経済学・制度論

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    本屋で何気なく目をとめて、興味を惹かれて買った本だったのですが、大正解でした。
    僕自身は法学部出身の元公務員なので、あまり経済学はきちんと勉強したことがなく、仕事の必要に応じてちょっとずつかじったり、興味を持って本を読んだりした知識だけなのですが、それにしても最近の経済学はジャンルが分かれすぎてよく判らないという印象をずっと持っていました。
    ところがこの本を読んで、いろいろな経済学のジャンルが歴史的にどのように登場し、相互にどのような位置づけにあり、現実の経済状況をどういう問題や方法で分析しようとしているのかということが、実に明解にまとめられており、全体像が実にすっきりとわかりました。まさに、

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    2018年12月26日
  • ダグラス・ノース 制度原論

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    ダグラス・ノースのこれまでの議論(制度とインセンティブについての考察)に加え、人間がいかに認知するか、という観点について、認知科学などその専門分野にも足を広げ開設した本。本書で取り扱っているような「社会と人間の科学」は、昨今人類がより豊かに暮らすために解明すべき重要なテーマであるが、本書はその解明に向けて果敢に取り組んでいる分野と言える。著者は去年亡くなってしまったが、この分野が更に理論の発展ももちろんのこと実証研究の発展も進んでいけば、その解明に向けて前進すると思う。

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    2016年11月12日
  • 現代経済学 ゲーム理論・行動経済学・制度論

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    本書は、現代経済学の先端分野で研究・議論されていることを紹介したもの。新書なので、紙数を多く割くわけにはいかず、短く紹介されている。
    私は大学は政治経済学部経済学科で学んだ。卒業してから40年以上が経過する。真面目な学生だったとは、とても言えないが、本書で紹介されていることの多くは、40年前の大学の経済学科では勉強しなかったことだ。ゲーム理論・行動経済学・制度論、等は、全く記憶にない。私が勉強しなかっただけということではなく、大学で教えるまでには成熟していなかったのだ。

    全てが新鮮であったが、特に制度論の議論が面白かった。
    【引用】
    制度間の補完性の度合いが強いほど、一つの分野で制度改革を行

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    2024年06月04日
  • 現代経済学 ゲーム理論・行動経済学・制度論

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    経済学の各トピックについて、どのような学問的な経路を経て現在にあるのかを書いたもの。発展(進展)の経緯など歴史的な記述が多く、ミクロ・マクロなど各トピックの説明はあっさり。

    個人的にこれまで「制度」についてあまりピンときていなかったが、第6章「制度の経済学」によってこういったものだと受け入れることが出来、またこの分野に関して興味が増した。この章だけでも読んだ価値があったと思う。

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    2021年09月09日
  • 現代経済学 ゲーム理論・行動経済学・制度論

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    行きつ戻りつしながらようやく読み終わった。
    経済学の類書に多い難しいことを難しく書くというのとは一線を画した丁寧さというものが随所に感じられる。
    何事も全体操を掴むということは簡単そうで非常に難しいということを再認識させられらた。

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    2019年03月07日
  • 現代経済学 ゲーム理論・行動経済学・制度論

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    ネタバレ

    経済学がたどってきた歴史を記した書。

    多分一番大きな変化は、古典派経済学が人々の理論的な行動モデルを構築したのに対して、それ以降に登場した行動経済学が人々は現実にどう行動するかを研究したこと。

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    2019年02月24日
  • 現代経済学 ゲーム理論・行動経済学・制度論

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    「現代経済学」なんて門戸広そうなタイトルだけど、実際のところぜんぜん門戸広くない。たとえば「ファスト&スロー」を読んで行動経済学に興味持ったくらいでは、ぜんぜん歯が立たない。瀧澤先生、かつ、中公なので、無難なものになるわけないのだが、それにしたってこれはレベル高い。

    各章で、マクロ、マクロ、ゲーム理論、行動経済学、実験経済学、制度の経済学、経済史が紹介されるが、初心者向けの簡単な紹介ではない。経済学における各領域の位置づけ、領域間の関連、その領域が抱える課題と展望といったあたりを、それこそ科学哲学や認識論の議論にまで踏み込んで検討する。瀧澤先生らしく、学際的な研究についても広範に渉猟しながら

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    2018年11月11日
  • 現代経済学 ゲーム理論・行動経済学・制度論

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    なぜか、最近、アダム・スミスを読んで、近代経済学のはじめに立会い、スミス的な自由主義の現代的な再解釈ともいえるハイエクを味わっているところ。(ハイエクは、複雑系とかネットワークとかにつながるアイディアがたくさんあって、すごいよ)

    で、そういえば今の経済学って、どうなっていたんだっけと確認のために読んでみた。

    かつて、経済学といえば、経済人とか、合理的な利潤最大化とか、市場均衡の話しというイメージだった。

    最近は、行動経済学とかいろいろでていて、話しはちょっと変わっていることは知っていたのだが、この本を読んで、その全体像がかなりすっきりと見晴らせた。

    学生時代に、経済学の合理的な人間とい

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    2018年10月29日
  • 現代経済学 ゲーム理論・行動経済学・制度論

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    これだけの広い内容を新書1冊ではやはり物足りない感がある。
    でも「経済学は役立たない」なんて言ってる人が未だにいる人に本書を見せてあげたい。「あんんたの認識なんて何十年前だよ」
    ホモ・エコノミクス万歳じゃないし、市場原理主義者なんていないし
    声だけ大きい人に振り回されたくなく、かといって専門書を何冊も読む暇はない方が経済学の先端を概観するのによいと思います。難しいけどね

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    2018年10月14日
  • 現代経済学 ゲーム理論・行動経済学・制度論

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    初歩の物を交換する理由から説明してもらえるので、最初のハードルが高くなく経済学に無知でも親しみやすい。
    途中出てくる計算は頭が混乱したけど、そこは飛ばしても普通に読めます。

    経済学はそもそも人の行動が主軸なので、心理学とかと並行して勉強すると面白いなと感じた。
    沢山付箋貼ったので、まだまだ熟読頑張ります。

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    2023年07月06日
  • 現代経済学 ゲーム理論・行動経済学・制度論

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    【こんな方におすすめ】
    ・ゲーム理論や行動経済学を体系的に理解したい初学者
    ・経済学の変遷を知りたい方
    ・経済学の主要な法則の概念や背景を理解したい方

    【知っていること】
    ・不確実性の高い意思決定を行う際は、人間のクセや法則性がある

    【知りたかったこと】
    ・インタラクティブな意思決定におけるステークホルダーの意思決定のクセ
    ・経営層の意思決定サポートや組織に合意形成に役立つ法則を学びたい

    【知ったこと】
    ・不確実性の高い意思決定はゲーム理論と行動経済学で一定の説明はできる
    ・しかし組織における意思決定については制度やメカニズムによって法則が異なる
    ・人間科学の範疇で経済を考えていくことが

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    2020年01月22日
  • 現代経済学 ゲーム理論・行動経済学・制度論

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    要素還元主義=ミクロ経済学、全体論=マクロ経済学
    新古典派経済学=ミクロ経済学、ケインズ経済学=マクロ経済学、ミクロ手法を取り入れたマクロ経済学=新しいマクロ経済学。

    複数財の均衡は一般均衡、パレード効率性のものが望ましい。一つの財の均衡は部分均衡、社会的余剰が大きいものが望ましい。

    資源の再配分だけが政府の役割、とする厚生経済学の基本定理(第二)。経済学者が小さな政府を主張しがちな理由。

    限界概念が現れて新古典派経済学が出現。
    ゲーム理論でナッシュ均衡が出現。各自の最適行動は全体として最適とは限らない。

    情報の非対称性で逆選択(進化論の選択の逆、という意味)。シグナリングが重要な役割

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    2019年05月07日