【感想・ネタバレ】現代経済学 ゲーム理論・行動経済学・制度論のレビュー

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Posted by ブクログ 2019年01月02日

本書は現在の経済学のオーバーフローを提示し、それらに対する筆者の評価を解説したものである。現在の経済学の潮流は多岐に渡っており、これらがどのように派生したのか、互いにどのような関係性があるかなどについて記されている。このような本はこれまでありそうであまりなかったようにも思えるため、個人的にはとても読...続きを読むみ応えのある本であった。
なお、本書の内容は、初級のミクロマクロを学んでいないと、理解するのが難しいと思う。加えて、現在の経済学の潮流についても多少なりとも知識がないと、興味の持てない内容となっているかもしれない。

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Posted by ブクログ 2018年12月26日

本屋で何気なく目をとめて、興味を惹かれて買った本だったのですが、大正解でした。
僕自身は法学部出身の元公務員なので、あまり経済学はきちんと勉強したことがなく、仕事の必要に応じてちょっとずつかじったり、興味を持って本を読んだりした知識だけなのですが、それにしても最近の経済学はジャンルが分かれすぎてよく...続きを読む判らないという印象をずっと持っていました。
ところがこの本を読んで、いろいろな経済学のジャンルが歴史的にどのように登場し、相互にどのような位置づけにあり、現実の経済状況をどういう問題や方法で分析しようとしているのかということが、実に明解にまとめられており、全体像が実にすっきりとわかりました。まさに、こういう本が欲しかったって感じです。
最終章の、「社会科学は本当に客観的な科学なのか?」という問いに対する説明も、「存在論的客観・主観」と「認識論的客観・主観」という枠組みを使っての説明はわかりやすかったですし、そこから社会科学が人間科学として、単に現象の分析にとどまらず、よりよい社会の実現のためのツールとして発展を遂げるべき(これは筆者の表現ではありませんが)という主張は、非常に共感できるものでした。これは良書です。

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Posted by ブクログ 2019年03月07日

行きつ戻りつしながらようやく読み終わった。
経済学の類書に多い難しいことを難しく書くというのとは一線を画した丁寧さというものが随所に感じられる。
何事も全体操を掴むということは簡単そうで非常に難しいということを再認識させられらた。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年02月24日

経済学がたどってきた歴史を記した書。

多分一番大きな変化は、古典派経済学が人々の理論的な行動モデルを構築したのに対して、それ以降に登場した行動経済学が人々は現実にどう行動するかを研究したこと。

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Posted by ブクログ 2018年11月11日

「現代経済学」なんて門戸広そうなタイトルだけど、実際のところぜんぜん門戸広くない。たとえば「ファスト&スロー」を読んで行動経済学に興味持ったくらいでは、ぜんぜん歯が立たない。瀧澤先生、かつ、中公なので、無難なものになるわけないのだが、それにしたってこれはレベル高い。

各章で、マクロ、マクロ、ゲーム...続きを読む理論、行動経済学、実験経済学、制度の経済学、経済史が紹介されるが、初心者向けの簡単な紹介ではない。経済学における各領域の位置づけ、領域間の関連、その領域が抱える課題と展望といったあたりを、それこそ科学哲学や認識論の議論にまで踏み込んで検討する。瀧澤先生らしく、学際的な研究についても広範に渉猟しながら議論を展開していく。本当なら、新書じゃなくてきちんとした単行本で出してもいい内容だと思う。

なので、各領域の基本的なワードと主要な登場人物くらいは頭に入っているひとでないと、議論についていくのはなかなか厳しい。逆にそういう人であれば非常におもしろい議論が多いし、各領域の位置付けや関係の整理になると思う。特に、各章についている理論の系譜図はよくまとまっていて良い。

なお、終章で簡単に言及されただけだが、現実の経済を経済理論が説明するだけではなく、経済理論が現実の経済に作用し規定してしまう、という話題は目からウロコだった。例えば、ブラック=ショールズ方程式がオプションの価格算出の「正解」を与えるわけではないにも関わらず、トレーダーが方程式を共有し、取引の基準として採用することで、市場自体がブラック=ショールズ方程式に合致するように動き出す。それだけでなく、ブラック=ショールズ方程式が仮定していた条件に合致するように、現実の市場制度の整備が進められていった、という話。
現実を単純化して分析するための便宜的なツールに過ぎなかったものが、いつのまにか市場全体の参照点となり、それによって現実の側がモデルに近づき、さらに参照点として強化される。自己成就予言みたいな話だが、正解でもなんでもないものが正解として現実を動かしてしまい、そのモデルに組み込まれていない事象が発生したら市場全体が大きく崩れてしまわないとも限らないわけで、これはなかなか恐ろしい話だなと

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Posted by ブクログ 2018年10月29日

なぜか、最近、アダム・スミスを読んで、近代経済学のはじめに立会い、スミス的な自由主義の現代的な再解釈ともいえるハイエクを味わっているところ。(ハイエクは、複雑系とかネットワークとかにつながるアイディアがたくさんあって、すごいよ)

で、そういえば今の経済学って、どうなっていたんだっけと確認のために読...続きを読むんでみた。

かつて、経済学といえば、経済人とか、合理的な利潤最大化とか、市場均衡の話しというイメージだった。

最近は、行動経済学とかいろいろでていて、話しはちょっと変わっていることは知っていたのだが、この本を読んで、その全体像がかなりすっきりと見晴らせた。

学生時代に、経済学の合理的な人間という仮定に強い違和感をもったが、そんなことをいうのは素人みたいなムードがあった。そんなわけで、「経済」について学びたい気持ちはあったが、「経済学」をさらに深めようとは思わなかった。

だが、そういう疑問を持ち続けて、ずっと深掘りしつづけた人たちがいたんだな〜、とその努力に感謝するしかない。

そして、経済学の進化は、単純に合理性→限定合理性→感情みたいな話ではない。それぞれに意味がある。

その中心には、どうもゲーム理論がありそう。

ゲーム理論は、パレート均衡という従来の経済学の概念にナッシュ均衡という概念を持ち込んだが、基本的には合理性をベースにスタートしたもの。合理性をベースにすることで、経済学がよりリアルなさまざまなな課題にアプローチすることを可能にしたんだな〜。

う〜ん、ゲーム理論も一時ハマりそうになったのだが、そこまで深めずに、まあ、そんなもんか、で飽きてしまっていた。ゲーム理論をここまで深く展開してくれている人たちがいたんだとこれまた感謝。

現在の経済学は、「経済学」特有の方法論がある学問ではなく、「経済」という社会現象をあつかう学問で、そのアプローチ方法は、心理学をベースとしたもの、歴史学をベースにしたもの、社会学、哲学をベースにしたものなどなど、いろいろである。

だけど、「経済学」がそういうものと位置付けられるためには、ゲーム理論みたいな、経済学内部での変革がなされていたことが、必要だったんだなと思う。

なにか一つのアプローチだけで経済が理解できる時代は終わったのだ。

そして、それはとても幸せなことだと思ったりする。

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Posted by ブクログ 2018年10月14日

これだけの広い内容を新書1冊ではやはり物足りない感がある。
でも「経済学は役立たない」なんて言ってる人が未だにいる人に本書を見せてあげたい。「あんんたの認識なんて何十年前だよ」
ホモ・エコノミクス万歳じゃないし、市場原理主義者なんていないし
声だけ大きい人に振り回されたくなく、かといって専門書を何冊...続きを読むも読む暇はない方が経済学の先端を概観するのによいと思います。難しいけどね

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Posted by ブクログ 2020年01月22日

【こんな方におすすめ】
・ゲーム理論や行動経済学を体系的に理解したい初学者
・経済学の変遷を知りたい方
・経済学の主要な法則の概念や背景を理解したい方

【知っていること】
・不確実性の高い意思決定を行う際は、人間のクセや法則性がある

【知りたかったこと】
・インタラクティブな意思決定におけるステ...続きを読むークホルダーの意思決定のクセ
・経営層の意思決定サポートや組織に合意形成に役立つ法則を学びたい

【知ったこと】
・不確実性の高い意思決定はゲーム理論と行動経済学で一定の説明はできる
・しかし組織における意思決定については制度やメカニズムによって法則が異なる
・人間科学の範疇で経済を考えていくことが大切

【率直な感想】
・期待していたことを、期待していた深度で学ぶことはできなかった
・最初から想像していたが、アカデミックな内容が特に序盤に多いため、どうしても眠くなってしまう
・わたしのように、明日の仕事に活かしたいと思う方が別の本をおすすめしたい

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Posted by ブクログ 2019年05月07日

要素還元主義=ミクロ経済学、全体論=マクロ経済学
新古典派経済学=ミクロ経済学、ケインズ経済学=マクロ経済学、ミクロ手法を取り入れたマクロ経済学=新しいマクロ経済学。

複数財の均衡は一般均衡、パレード効率性のものが望ましい。一つの財の均衡は部分均衡、社会的余剰が大きいものが望ましい。

資源の再配...続きを読む分だけが政府の役割、とする厚生経済学の基本定理(第二)。経済学者が小さな政府を主張しがちな理由。

限界概念が現れて新古典派経済学が出現。
ゲーム理論でナッシュ均衡が出現。各自の最適行動は全体として最適とは限らない。

情報の非対称性で逆選択(進化論の選択の逆、という意味)。シグナリングが重要な役割を果たす。

ゲーム理論じゃら、取引費用、情報の非対称性、メカニズムデザイン、マーケットデザイン、マッチング理論、オークション理論、契約理論、などが生まれた。

GDP=所得面、支出面、配分面で3面等価。
マクロ経済学でいう期待とは、予想または予測、を意味している。
静学的期待は後追いのメカニズムとの批判がある。

新しい古典派(新古典派とは違う)はRBC(リアルビジネスサイクル)と動学的一般均衡モデルが生まれた。=ニューケインジアンモデル。

行動経済学の内容=ヒューリスティクスとバイアス、プロスペクト理論、異時点間の選択と双曲割引、心の二重化定理論、社会的選好の理論。

新たな政策思想=リバタリアンパターナリズム。

「有閑階級の理論」消費行動や営利活動の分析。

比較制度分析=制度的補完性があるので、制度全体を考えなければならない。アメリカと日本の労働市場、新卒採用と終身雇用、資本市場中心と銀行中心など。

ピケティ―=資本主義は基本的に格差を助長する。
それとは別に、データによる証拠を重視している点で今までとは違う。
経済学が演繹かデータか、は議論の余地がある。

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