チーム北海道のレビュー一覧
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”精霊の守り人”を中心に、作中に出て来る飲食の対象物を実体化させ、レシピと作成手順を概説したもの。
作中の料理名も材料名も架空だが、元のイメージは主にアジア系の食材・料理であることが分かる。
著作を読んだときに、「やけに食事のシーンが細かく描かれているなあ?」と感じた(仮想の言葉なので、人物名と料理名・食材名が頭の中でゴッチャになる...)。
これは、原作者の原体験である”書籍の中での食事シーンへの憧憬”が元になっていたんだなあと納得。
出来上がった料理だけでなく、器や什器、テーブルなども良く選ばれており、原作のイメージにマッチしている。 -
Posted by ブクログ
最近、次々とアニメ化になった話題の人類学者且つファンタジー作家・上橋菜穂子さん。
彼女の描く物語の緻密な世界観と描写には定評があるが、その根拠となっているのが「ごはん」の描写。
架空の世界の出来事ではあるけれども、その世界・国々それぞれの地形、気候、歴史、文化、社会的・経済的背景などを説得力のある形で描写する。その一つが劇中の「ごはん」にあらわれてくる。
『守り人』シリーズにしろ『獣の奏者』にしろ『孤笛のかなた』にしろ、読んだ人はごはんの描写にまず魅かれるだろう。とりあえず、毎回登場人物たちがものすごく美味しそうに食べるのである。異国の食材を用いた、でもちょっと懐かしい感じもするその料理の数 -
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上橋菜穂子さんの作品には美味しそうな食べ物がたくさん出てくる。単に美味しそうというだけでなく、「魚」や「果実」でもよさそうなところを、ゴシャとかナライとか名前も付いていて説明があるので、物語の世界がよりしっかりと立体的に見えてきて、食べたい気持ちが強くなる。そんなふうに感じる人は多いようで、実際に作ってみよう!と企画して作られたのがこのレシピ本。異世界の物語の食べ物を実際に作ってみるというアイデア自体が既におもしろい上に、上橋さんの説明でそうした食べ物がその世界での暮らしや登場人物のそのときの状況をふまえて考えられたものであることがわかるので、料理を作らなくても、上橋さんの作品(主に守り人シリ
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読んだというよりは、パラパラと楽しんだ程度だけれど、架空の料理を今の日本で手に入る材料でなんとか作り出す、なんて、その発想と努力がすごいと思った。
どの食べ物も物語の雰囲気は壊さず、美味しそうな写真とともにレシピが掲載されていて、思った以上に楽しめた。
やはり、読んだことのあるシーンでその食べ物の記憶が残っているレシピは興味深く見てしまう。「あぁ、あの時の、あの美味しそうなアレ・・・!」と。
・ノギ屋の弁当風鳥飯
・タンダの山菜鍋
・ロッソ
・胡桃餅
などなど。
レシピやその料理が出てくるシーンの抜粋とともに、上橋さんのエッセイ風の文章(フィールドワークの話やスイス・アーミー・ナイフを常備し -
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本書は守人シリーズ、獣の奏者シリーズ、狐笛のかなたに登場する料理を南極料理人で有名な西村さんを含むチーム北海道で再現したもの。
上橋さんの作品は獣の奏者と狐笛のかなたを読んでいるがいつも食べ物の描写がとても美味しそうで強く印象に残る。
個人的には獣の奏者でエリンのお母さんが作る猪肉の葉包み焼きと狐笛のかなたで小夜が小春丸と食べていたくるみ餅のシーンが大好きなのだがそれらも勿論収録されている。流石です…。
登場する作品が国内外問わず食べたものを元にされており、それぞれにエピソードがある。それがにおいや味の想像を掻き立てられる描写に繋がっているのかなと思った。
見た中で汁かけ飯が食べたくなった。あ -
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上橋作品に登場する食べ物を、北海道のフードコーディネーターたちが、手に入る食材で再現した。
そのレシピと写真に、上橋さん自身が短文をつけた本。
そうだろうとは思っていたけれど、作中の食べ物には上橋さん自身の体験が影響している。
文化人類学者なだけに、本当に好奇心旺盛な人だ。
私自身はまったく食べなれないものに意気地がないので、うらやましくなってしまう。
タンダの山菜鍋は、イメージとはちょっと違った。
あっさりしたものかと思っていたが、上橋さんはこってりしたもの、という。
そこで再現レシピには豚のスペアリブが使われていた。
コチュジャンとピーナッツパターを隠し味にした味噌スープ、ちょっと食べ -
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物語を読んでいる最中には、外気の冷たさや、登場人物たちが置かれている状況をこういう食事の件でもかんじていたのだと、改めて感じながら作者上橋菜穂子さんのエッセイとともに楽しみました。
楽しんだ、というのは少し違うかな。通勤途中に読んだので、空腹時が多く、けっこうクラクラしながら読んでいて、読み進めるのに苦労したかも。
2017年追記
再読。初読時は、レシピまでしっかり読んではいなかったなたのだけれど、今回は、主として、原作のその料理・食べ物が出てくる場面とレシピを楽しみ、上橋氏のエッセイはおまけな感じで楽しみました。
これを読むと、また、原作が読みたくなります。獣の奏者も