阪田寛夫のレビュー一覧

  • 庄野潤三ノート

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    ネタバレ

    庄野が誰かを長くそして深く語る本はあったけれど、庄野がこんなふうに長く語られる本はこの本の他においてあるだろうか。これは小説ではないかもしれないが、間違いなく阪田寛夫にしか書けなかった本であろう。庄野潤三という作家の性質が各作品の解説を通じてありありと浮かび上がってくる。
    庄野作品に登場する庄野潤三からだけではどうしても抑えきれない部分というものが阪田の眼によって明らかにされる。父としての姿のほかにも一作家としての苦悩や葛藤というものが丹念に掘り起こされることによって、なぜ彼が幸せな家庭というものを描くことになっていくのか、その道すじがすこし見えた気がした。
    なによりも作品作りにおいて一片の妥

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    2022年05月23日
  • 声の力 歌・語り・子ども

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    コロナ騒ぎ前に発行された本だが、まさに今読めてよかった。肉声を聞く、肉声で伝える。息づかい、強弱、間、テンポ、表情。相手への理解、自分の気持ち。文字では計り知れずオンラインでも充分とはいえない相手の心情さらに距離が埋まればの「あうん」の呼吸。要するに理解力。おもいやり、やさしさ。読みながら考えめぐる。素敵な一冊。

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    2021年09月06日
  • 声の力 歌・語り・子ども

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    今の時代だからこそ読みたい。
    特に池田直樹氏の「子どもたちと、私と、歌」は涙が出てきました。
    これもまた何度も読むであろう一冊。

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    2020年07月28日
  • うるわしきあさも 阪田寛夫短篇集

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    表題作は生きているということの尊さが、本当にしみじみと胸に迫る作品。
    読み終わってから出始めた涙がしばらく止まらなかった。

    死を題材にとった小説、作中に人物が死に、死ぬことで大団円に向かう小説は星の数ほどあるけれど、
    誰も死なないこの一短編よりも、命の尊さについて表現しきったものがひとつでもあるかな?と思います。

    物語の仕掛けとしての登場人物の死ではなく、何十年という人生を近くで生きてきたかけがえのない一人の人間の病と命をみつめた作品。
    掛け値なしに名作です。

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    2010年02月22日
  • 声の力 歌・語り・子ども

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    あまり私の興味のある内容ではなかった。
    河合隼雄さん中心の本のような見えるが、実際は谷川俊太郎さんが主体の本。

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    2024年11月30日