メノ・スヒルトハウゼンのレビュー一覧
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生殖器という分野は何故だか、基礎生物化学の世界でも研究の対象とはされにくく、まして一般向け科学啓蒙書でも触れられてこなかった領域だという。オランダの生化学研究者である著者は、その原因は第一次性徴を自然淘汰の結果としてある意味当然視したダーウィンの説にあるとしてこれに異議を申し立てる。彼によれば、異性らしさの発現である第二次性徴のみならず、第一次性徴を体現する生殖器そのものが性淘汰、即ち異性の好みによる選別を受けているという。性淘汰は自然淘汰と異なり、例えば「より真新しいものは何か」といったアドホックな評価軸で相手を選別するため、ともすれば適者生存の前提となる「より適応したもの」とはかけ離れた方
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Posted by ブクログ
2016年発行の本なので、古いといえば古い。多分、この本が発行された後にも新しい知見が出ていると思うけれども、それはそれとしてとても面白い。
本文が全体の77%で、残りは謝辞と訳者あとがき、そして参考文献という構成なので、途中で『あれ?もしかして終わっちゃう?』という若干の拍子抜け感はあった。
とはいえ内容は実に面白く多岐にわたっている。
以前読んだ『おちんちん学』よりも広く、また雄の交尾器だけでなく雌の交尾器についても書かれていて、雌雄の繁殖戦略の違いがわかりやすく伝わった。
性というテーマは、時に誤解を受け冷笑の対象になるのだけれど、人間の生き物としての本質的な好奇心の対象でもあるというの -
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面白いことは面白いんだが、大規模雪崩のように襲ってくる様々な生物とその生殖器と交配サンプルの多さに、途中からちょっとしんどくなってくる。網羅?って感じ。オランダの生殖器進化研究者。生殖器研究の歴史、現在の研究最前線、古生物から人間までのありとあらゆる生物の性行為について。先日、性淘汰というか、少し前にプラムの『美の進化』を読んだが(鳥類学的な性選択とかの話)、進化とか性選択というと、オスが美しくなってメスに選ばれようとするという説明はとても受け入れやすい。本書では、受け入れられた後にも(交配が行われた後にも)、そうは問屋が卸さない、というような例が多数引用されている。子孫を残すというのはビッグ
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最近、『○○なんてことするのは人間だけだ!』みたいなセリフを聞かなくなったのは、生物の多様性が人間の範疇を超えていることが知れ渡ってきたからだろうか。
・オスのアゴとメスの腰の穴で交尾するコシボソダニ
・振動して音を鳴らすペニスを持つガガンボ
・メスの役割を押し付け合う雌雄同体のカタツムリ
・交接腕を付け根から切断し、自力でうねってメスの中に侵入するカイダコ
・ばね式の精包が爆発して皮膚から精子を侵入させるイカ
・同性の雄の死体を集団で死姦するマガモ
・交尾栓をつくる霊長類
マット・リドレーの『赤の女王』よりもカタログ的で例が豊富だが、論理と解説はその簡易版。
なぜそうなっているのかの探求 -
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ネタバレ「生物の性生活は多様」
漫画なのに疲れるくらい内容が盛り沢山なので読み応えがあります。
生物の性戦略はオスは質より量、メスは量より質というシンプルな言葉では表せないことを理解できました。
例えば、チンパンジー等の交尾栓は1.他のオスとの交尾を阻む、2.精子の排出を防ぐ 3.求愛行為の余韻をもたらす 効果があるそうです。
また、初歩的かもしれませんですが、虫でオスがメスの体内に針を指して精子を注ぎ込む(しかも時にはオスに刺されすぎてメスが死ぬ)ように生物は必ず生殖器をもっているわけではないことは驚きでした。
それにしても、この本には、なぜこの生物の生殖行動や体の構造や生態についてこんなに -
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「虫たちの性生活がすごいんです」といふ副題にも関はらず、カギムシやクモの他、二つのちんこを持つサメ、野郎の死体をも犯すカモ、人為的な「イケメンの基準」を貰ってしまったキンカチョウ、朝鮮人や日本人を強姦するイカの精子、はては人間の性生活の方も登場する。
フジツボの性器を発見したダーウィンは、ヴィクトリア朝のお約束でその辺のアレがダめになり、その研究から撤退して一世紀ほど経た後、どっかの本で昆虫科学者が、自身の仕事を称して「ゲニタリ屋(ゲニタリアが生殖器を指す語)」と呼ばれるさうだけどさう言ふことになった、きっかけが展開。そこから、世界中の科学者がざっくり生き物のちんこまんことコイトゥス!!の -
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