宇野弘蔵のレビュー一覧

  • 資本論に学ぶ

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    凄くいい本でした。

    宇野弘蔵という人の印象が変わった。もっととっつき難くいかつい人かと思っていたが全く違った。

    社会主義とは労働力の商品化の廃絶のことであるという。実に面白い。社会主義の主張は大体正しいと思っていたのは本当とのこと。

    僕は基本的に学問は帰納としてあると思っている。自省・反省から帰納として世界を見て取る学問は唯物論と言えると思う。宇野弘蔵が自己批判と不可知論について触れているところがあるが、自己批判とは帰納のことであり唯物論としてある。それに対し不可知論をいう人がいるだろう。不可知論は客観的として演繹として体系を建てるだろう。しかし帰納は決して不可知論にはならない。真

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    2015年04月14日
  • 社会科学としての経済学

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    マルクス主義というイデオロギーを捨象して、科学的手法でマルクス経済を分析した著者の理論を1冊にまとめたのが本書である。『資本論』の分析を通じて、資本主義が内包する恐慌、戦争、革命の必然性について著者は説いている。また経済学は、自然科学のように原理を技術に使える学問でないと繰り返し主張する。

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    2025年06月21日
  • 資本論に学ぶ

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     本書は原理論、段階論、現状分析、という独自の理論を生んだ、宇野弘蔵の入門書といえる本。マルクス『資本論』をベースに、資本主義社会の分析に重きを置く宇野派は、主流派のように、マルクスの全てに迎合するわけではない。本書でも、繰り返し述べるように、一部の考えには肯定する一方で、理論的な不十分な点は徹底的に批判する。マルクス経済学者として、宇野はマルクスに真摯に向き合う。
     興味深いことに、『資本論』を初めて読破した時点で、内容の趣旨がよくわからなかったと述べる。同時期に読んだレーニン『帝国主義』のほうが理解できたという。また、マルクス経済学者とはいえ、『資本論』のうち、重要な点だけを繰り返し読み、

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    2023年11月11日
  • 社会科学としての経済学

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    宇野弘蔵 「 社会科学としての経済学 」

    経済学部の学生に経済学やマルクスについて 講義している感じの本。経済学を学んで、自分がどういう社会に属しているか知り、社会の変化に対応せよ、というメッセージが含まれていると思う


    マルクス「資本論」の論点
    *資本主義社会の運動法則
    *資本主義社会の過程(資本主義社会の発生、発展、没落)
    *資本主義の体系(商品に始まり、諸階級で終わる)
    *私有制との関係性〜土地の私有を前提にして、他人の労働を搾取する関係


    資本論などの要点がまとまったマルクス経済学概要はとても読みやすい



    資本論
    1巻 資本の生産過程
    2巻 資本の流通過程
    3巻 資本的生産

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    2021年11月27日
  • 資本論に学ぶ

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    宇野弘蔵 「 資本論 に学ぶ 」

    宇野理論についての講演と対談を集めた本。労働価値説、恐慌論など マルクス「資本論」が論証していない部分について考察。見事に論破している。他の資本論解説本とは レベルが違う感じ


    資本主義の成立から消滅まで(資本の原始的蓄積から 収奪者が収奪されるまで)の考察は レーニン「帝国主義」を基礎に マルクス「資本論」を読んでいることがうかがえる内容。レーニン「帝国主義」を読んでみたい


    資本主義社会の基本は「古いものを次々と解体していく商品経済」であり、資本主義の核心は 「労働力の商品化」 社会主義をやるには計画経済をやらなくてはならないが、社会主義の核心は「労

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    2021年11月25日