【感想・ネタバレ】社会科学としての経済学のレビュー

あらすじ

資本主義のメカニズムを明らかにするために、経済学はどこまでも科学的でなければならない──。戦後のマルクス研究を主導した宇野弘蔵。彼は教条的な『資本論』読解を批判し、純粋な科学として再構成することを企てた。本書では、経済学が取り組むべき根本課題から語り起こし、自然科学と社会科学の違い、マルクス理論の核心を踏まえたうえで、三段階論に代表される自らの理論を紹介していく。さらにマルクスの一連の著作をコンパクトにまとめた論考も収録。今日の資本主義を分析するために、マルクスをどう活用できるのか。その可能性がもっとも明快に示された一冊。

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Posted by ブクログ

マルクス主義というイデオロギーを捨象して、科学的手法でマルクス経済を分析した著者の理論を1冊にまとめたのが本書である。『資本論』の分析を通じて、資本主義が内包する恐慌、戦争、革命の必然性について著者は説いている。また経済学は、自然科学のように原理を技術に使える学問でないと繰り返し主張する。

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2025年06月21日

Posted by ブクログ

宇野弘蔵 「 社会科学としての経済学 」

経済学部の学生に経済学やマルクスについて 講義している感じの本。経済学を学んで、自分がどういう社会に属しているか知り、社会の変化に対応せよ、というメッセージが含まれていると思う


マルクス「資本論」の論点
*資本主義社会の運動法則
*資本主義社会の過程(資本主義社会の発生、発展、没落)
*資本主義の体系(商品に始まり、諸階級で終わる)
*私有制との関係性〜土地の私有を前提にして、他人の労働を搾取する関係


資本論などの要点がまとまったマルクス経済学概要はとても読みやすい



資本論
1巻 資本の生産過程
2巻 資本の流通過程
3巻 資本的生産の総過程



1巻 資本の生産過程
1編 商品及び貨幣〜資本の生産過程は商品、貨幣の基本形態を規定しないで展開できない

2編 貨幣の資本化〜多くの価値を増殖する資本が どのように貨幣から発生するか、資本主義は労働力の商品化によってはじめて一社会をなすことを明らかにする

3編 絶対的剰余価値の生産〜労働力の商品化を基礎とする資本の生産過程において、資本の価値増殖がいかに行われるか


2巻 資本の流通過程
資本の生産過程が資本の流通過程の一環として行われている点から資本の運動を解明

資本が流通過程であることは〜商品と貨幣として人々の手を移転するものでなく、商品と貨幣の姿をとりながら多くの価値を増殖する運動体であることを意味する

資本家と労働者との基本的関係を基礎にして、1巻で剰余価値がいかに生産されるか、2巻で剰余価値がいかに実現されるか、3巻で剰余価値が資本家や土地所有者の間で、いかに分配されるかを明らかにする


経済原論の構成
*価値法則、人口法則、剰余価値の分配の原理としての利潤率の均等化の法則が明らかにする
*付随して 地代論、利子論が展開

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2021年11月27日

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