越智典子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
コケ植物やシダ植物などの隠花植物を撮る伊沢正名さんの写真に,越智典子さんの文章で,街の中のごく当たり前の風景をクローズアップし,コケに注目した作品です。
街路樹,コンクリートブロック,街の中もいざコケを探し出すとものすごくたくさんのコケが見られます。
また,森林の一番下の層のコケ,木に貼りついたコケなどの写真が実に鮮明。
また,さまざまな種類のコケのさく(くさかんむりに朔)の写真があります。
それぞれ胞子を出すのによいコンディションになると,さくの口を開き胞子を飛ばす。
また,胞子から育った原糸体,そこからコスギゴケが芽生えてくる写真があり,コケの一生を一部垣間見る思いです。
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Posted by ブクログ
ラビントットは鰯専門の漁師。高いところが苦手なので、大物は取れません。けれど、お得意先の村の人たちから、結婚式用に大物をと頼まれて、色々と知恵を巡らせますが…
こう書くと「どういうこと?」と思いますよね。この世界では魚は空を飛んで生きているのです(ちなみに鳥は地中を泳ぎます)。こんな不思議な世界ですが、魚の生態やこの世界に生きる人々の文化が細部まで書かれていているので、その不思議な世界が読んでいると目の前に広がってきます。また、ラビントットが困った時に「手元にあるものでなんとかしよう」と考える姿、漁師としての自然への畏敬の念のようなものもまた、物語としてより深みを増しています。ちょっと小学生