さいとうゆきこのレビュー一覧

  • 人魚姫の町

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    東日本大震災を乗り越えた、海沿いの町の物語。
    柏葉幸子さんは岩手のご出身だったのですね。経験された方にしか描けない心情が溢れていて、胸が苦しくなります。町並は戻ってきても、心の中までは簡単に元通りにはならない。それでもみんな前を向いて進んでいく。生きていくとはそういうこと。そんなことを教えてくれる本でした。

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    2024年03月09日
  • 人魚姫の町

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    相次いで震災が起こる日本。震災からの復興の児童書は初めて読みました。泣きました。子供だけでなく大人にも多くの人に読んでもらいたいです。

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    2024年01月22日
  • 岬のマヨイガ

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    大好きな児童文学作家さん、柏葉幸子さんの作品。とても温かく良いお話だった。アニメ化されたようで、人気なのも納得。

    夫からの暴力から逃げてきたゆりえと、両親を亡くした萌花は偶然にも同じ場所で3.11のあの震災にあってしまう。震災自体はとてつもなく辛く大変な出来事だけれど、このふたりにとって、このことがこの後の人生を大きく良い方向に変えていくきっかけとなる。ふたりは、避難所で偶然居合わせたおばあちゃんに、嫁の結、孫のひよりとして守られることになる。そして、このおばあちゃんが不思議なおばあちゃん。カッパと知り合いだったり、お地蔵さんにお願いを聞いてもらえたりするのです。

    「遠野」という地名を聞い

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    2022年04月20日
  • 岬のマヨイガ

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    いきなりの辛い話に涙が出た(T-T)遠野からきたキワおばあちゃんと、辛い事情をかかえた萌花ちゃんとゆりえさんが名前を変えて岬のマヨイガで暮らし始める。このまま徐々に幸せに…と思っていたら、封印されていた悪いものが大震災で封印が解かれて…(゜゜;)そして岩手県中の不思議なものオールスターズが登場!キワおばあちゃんって何者?(・・;)と思いつつも、身近な川のカッパさんが登場したりして嬉しかった(*^^*)最後には大変だけれども3人がいつまでも岬のマヨイガで幸せに暮らして行けそうで、嬉し涙が…(´_`。)゙

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    2021年01月08日
  • 岬のマヨイガ

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    冒頭のシーンはあの震災を思い起こさせるので、まだその話が難しい人はもう少したってから読む方が良いかも。
    血縁関係もない偶然居合わせたおばあちゃんと女性と女の子が共同生活を初めて一つの家族になっていく物語。

    老人介護施設に入居する為に東野から移動してきたおばあちゃん。
    DV夫から逃げ出した女性。
    両親を亡くし声が出なくなった状態で歓迎されていない親戚の所に預けられる為にやって来た女の子。
    同じ日に着いた土地で大震災に見舞われ・・・ってかなり重い始まり方。

    でも、このおばあちゃんはとても不思議なおばあちゃんで、
    思いもよらない知り合いが。
    成り行き上名前を偽りそんなおばあちゃんと一緒に暮らし始

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    2016年08月08日
  • 岬のマヨイガ

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    ある日、津波にあい、避難所にやって来た萌花とゆりえ。
    命は助かったが、身元を聞かれて困惑する二人。そこへ救いの手をさしのべたのは、一人のおばあさん、山名キワだった。
    そこから、女三人の不思議な生活が始まる。

    私はこの本を読んで、津波で起きる奇跡はあるんだ!と思った。津波は、こわいイメージだけど、こんな共同生活が生まれるとは、思いもしなかったからだ。

    ぜひ、みなさんも読んでほしい。

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    2016年04月07日
  • 岬のマヨイガ

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    震災ものかと思ったら、妖怪ものだった。でも、これは震災…というか、津波があったから、という必然性があるお話だった。作者が震災をどの立場で実感しているかは分からないけれど、あの津波にあった子たちを励まそうとしている気持ちは伝わったし、岩手日報に連載された、という事実にも納得した。ひよりと伯父さんのシーンや、ユイママと夫のシーンは、うるっときたなぁ。

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    2025年01月02日
  • 人魚姫の町

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    ネタバレ

    「岬のマヨイガ」のアンサー作品。宏太は東日本大震災で祖父母と母と兄をなくし父と故郷の岩手を逃げるように静岡へ移り住んだ。9年後、父の死を迎えた宏太は何かに導かれるように岩手へ足を向ける。そこで出会った少女楓は謎の男に追いかけられていた。家族同然の付き合いをしていた砂婆に「楓をたすけてやってくれ」と頼まれる。楓は何を探し求めるのか、そして楓に隠された秘密とは。少女を匿う砂婆の正体とは。海から来た人たちとは。私たちが故郷を拒んでも、故郷はそこにあって私たちを待っている、決して拒もうとはしない・・・

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    2023年11月15日
  • 岬のマヨイガ

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    ネタバレ

    児童書なのだが、読み始めると登場人物の人物背景はかなりシビアな設定で、DV被害にあい逃げてきた女性、両親を亡くし声をなくし親戚に預けられる予定だった少女、そしてとどめは町を呑み込む巨大な津波。救いなのは遠野から来た山名キワさん。随所に遠野の民話を盛り込みながら、そして遠野をそのまま体現する不思議で頼れるお婆ちゃん。河童や狛犬、座敷童、ふったち、マヨイガ等が登場しファンタジー色をなしながらも悲しさと建設的な内容を両立させた物語。若干「52ヘルツのクジラたち」を思い出してしまった。

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    2023年10月22日
  • 岬のマヨイガ

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    この本の対象読者層は小学校中高学年?夫のDVから逃れてきたゆりえさんが夫の影に怯えながら生きていることをどう理解するのだろう。キツイ。

    行く宛もないゆりえさん、両親を一度に亡くし言葉を失い、岩手県の親戚に預けられるために来たひより、そして不思議な力を持つおばあちゃんの三人は、東日本大震災のその日、避難所で出会う。
    それから三人は家族として暮らし始めるが、穏やかな暮らしが、あの地震で封印されていた海ヘビが解き放たれ村は脅かされる。
    遠野物語にも描かれた伝承の不思議なものたちや土地に棲む神々を巻き込んだ戦いになる。柏葉洋子さんのファンタジーの世界だ。
    地震により封印が解かれることが物語として重要

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    2023年01月24日
  • 岬のマヨイガ

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    年間100冊以上読む長女が小学3年生の時に「面白いから読んでみて」とはじめて薦めてくれた本です。

    妖怪が出てきたりと、少し現実離れした不思議な話ですが、震災や登場人物が抱える苦しい背景と、子供の本でありながらワクワクと苦しさが同居しています。

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    2023年01月18日
  • 岬のマヨイガ

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    敬老の日に紹介しようと「おばあちゃん」というワードから手に取った本、面白かった。
    東京からさまざまな事情で狐崎にたどり着いた結とひより、そこで地震による津波に襲われる。
    ふたりにたまたま同じ電車に乗り合わせただけだが一緒に避難所へたどり着くが身寄りがなく地元民ではないふたりをキワさんというおばあちゃんが助けてくれる。
    まったく繋がりがない3人は狐崎のマヨイガで暮らすことになる。

    震災によって封印されていたこの地の化け物が現れ人々を翻弄しようとするのをキワさんが救う。
    震災後の東北で現実から逃避したように暮らす3人の様子が東北の民話を交えて進んでいく。
    ハラハラドキドキ、この世の住人とは思えな

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    2022年09月11日
  • 岬のマヨイガ

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    ネタバレ

    同名アニメ映画の原作。元々この映画を観ようと思ったのは(WOWOWだけど),大好きな羊文学がテーマ曲を担当していたからでそれがなければ多分映画を観ることも原作を読むこともなかった。こういうきっかけが有り難い。
    映画版の方は原作から色々改変されていた。悪く言えば俗っぽくなってるかも。避難所でおばあちゃん,山名キワさんに保護された年上の方は原作ではDV夫から逃げてきた既婚女性である。かっぱの活躍やアガメ伝説は同じだが,封印が解けて狐崎に戻ってきた海蛇が街の人を幻で操るところはちょっと違う。原作では海に引きずり込んでしまおうとしていた。街の人が会いたがってた人には海蛇が化けていて,その赤い目に何かが

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    2022年08月04日
  • 岬のマヨイガ

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    東日本大震災を題材にしたであろうファンタジー。
    残った人たちへの、力強く生きてほしい、負けないでほしいというメッセージを感じました。
    現実にあったことや作者のメッセージが強く感じられますが、東北の妖怪や伝説が出てきたりとファンタジー要素も多めなので、重くなりすぎず読みやすかったです。

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    2020年10月29日
  • 岬のマヨイガ

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    これもYAブックガイドから。立て続けに読むの巻。遠野物語を3.11に絡めて、っていうファンタジー。妖怪好きにも楽しめる作品だったけど、どうしても気になった点が…。ママの旦那、避難所にちらっと探しに来ただけで、すぐに諦めて帰ったの??ここまで来たってことは、それなりの確信をもって訪ねているんだろうし、そんなにすんなり諦めますかね?子どもの叔父さんの方は、幻覚でしか登場しないのに…。最後の場面の布石ってのは分かるけど、それにしても、結構物語の主軸に近い部分だけに、見逃せない瑕疵に思えてならんかった。

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    2020年08月24日
  • 岬のマヨイガ

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    震災のとき偶然に一緒に居合わせ、そのまま一緒に暮らすことになったおばあさんと女の人と女の子。それぞれ事情を抱えた3人が、震災後の狐崎で一緒に生きていく。

    震災という現実に起こった災害に、遠野の不思議な物語がうまく組み合わされ、暗くも重くもない素敵なお話になっている。前半は、ひよりたち3人の生活に焦点があてられ、後半は遠野の昔話や不思議なひとたちが中心になって、どんどん物語の世界にひきこまれていく。おもしろかった。実際の出来事と物語の世界がとてもきれいに溶け合っていると思った。

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    2017年01月04日
  • 岬のマヨイガ

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    震災を絡めたお話です。作者の方が、頼まれて書いたって聞きましたが、どうなのでしょう。
    直接体験された方は、いろいろ思うところもあるでしょうが、わたしは好きなお話でした。
    辛い経験も背負っていかなくてはならないけれど、それを過去として、未来をどう生きていくか。選ぶのは自分自身以外にはいないんだなと。
    おばあちゃんが素敵でした。

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    2016年10月23日
  • 岬のマヨイガ

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    大好きな柏葉幸子さんの児童書。女流児童書作家、水木しげる版というか、お話の中に、よく、昔からの不思議なものが出てきます。今回は震災後の岩手の話で、最初読み終えられるか心配だったけれど、わたしにとっては、良いリハビリになりました。
    最近は、主人公がおばさんだったりすることも多くて、やはり、読者も一緒に年齢を重ねてるのかなぁと。

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    2016年03月02日
  • 岬のマヨイガ

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    ネタバレ

    何とも不思議なお話し。
    震災の時の事がベースでそれを中心に不思議な事が起こる。怖いなぁってのがざっくりとしたイメージ。とても暗い感じのストーリーに感じられたが、最後は暖かく終われていあので良かった。

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    2024年11月15日
  • 人魚姫の町

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    東日本大震災。
    小学5年だった主人公・宏太は祖父母・母・兄を失い、父に引きずられるようにして故郷の岩手県宮古市から静岡県焼津市へ避難した。
    それから9年が経って19歳となった宏太は、コロナ禍と就職不安で将来が見えない行き詰まりを感じながら、衝動的に焼津から宮古へ旅立つ。
    すっかり様変わりした故郷には、むかし家族のように一緒に過ごした砂婆と、砂婆のかくまう少女・楓がいて、楓は謎の男に追われている様子。
    状況に流されるままに楓の手助けをする宏太が、故郷の人々の優しさに触れながら、「むかし逃げ出してしまった自分」と「自分を故郷から引きはがした父」を許し、「帰ってきてもいいんだ」と思えるようになるまで

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    2024年08月13日