ドン・ウィンズロウのレビュー一覧

  • 陽炎の市

    Posted by ブクログ

    ドン・ウィンズロウ『陽炎の市』ハーパーBOOKS。

    『業火の市』に続く、ダニー・ライアン三部作の第2弾。

    確か『業火の市』の巻末にはこの第2弾の冒頭が『虚飾の市』というタイトルで収録されていたが、『陽炎の市』というタイトルに変更されたようだ。

    ドン・ウィンズロウらしいハードでストレートなギャング小説。圧倒的な面白さ。

    一人の女性を巡るマフィア同士の抗争に巻き込まれたダニー・ライアンが仲間と共に自由を求め、逃亡し、家族のために全うな人生を送ろうともがき苦しむ。やっと掴んだと思った幸せな時は砂漠の陽炎の如く消えていくが、それでもダニーは諦めずに安息の時を追い求める。


    プロローグ。199

    0
    2023年07月05日
  • ダ・フォース 下

    Posted by ブクログ

     夏休みは伊吹山2合目にある、ロッジ山へ。

     天気が悪く、外には出歩けなかったが、眼前に拡がる琵琶湖をテラスから眺め、終日本書を読んでいた。コーヒーを飲むこと、本を読むこと以外が無い、良い休日でした。

    0
    2022年08月21日
  • ダ・フォース 上

    Posted by ブクログ

     生産・流通を担っている麻薬カルテルを描いてきた著者が、一大市場であるニューヨークの麻薬市場を書いた作品が本書だ。麻薬を取り締まる警察官の活躍が描かれるが、蛇の道は蛇で、警察官の守る正義は一筋縄ではない。

     知らず知らずに正義を踏み外していく刑事たちは、なぜ踏みとどまれなかったのか。それは一歩一歩、少しづつ踏み外していったからだ。ただ、彼らの胸の内にあふれる正義感は熱くあふれている。

     冒頭で留置されている刑事が書かれ、過去にさかのぼり正義から逸脱していく様が語られる。終盤、伏線を回収するように逸脱の背景が書かれ、刑事たちの哀愁が立ち昇るように感じられる。

     市警察、市行政、連邦捜査局、

    0
    2022年08月21日
  • 業火の市

    Posted by ブクログ

     読後の興奮冷めやらず、すぐにレビューが書けないほど、この本のカオスにやられた。そしていつもながら、ウィンズロウの文章にやられた。ともかくキックの強い作品なのだ。いつも。キャラクターたちの運命が神の視点で書かれてゆく悲喜こもごもの人間絵図。愚かで、強欲で、弱くて、それでも必死に生きてゆき、時に美しく、明るく、悲しく、それぞれの生を楽しんでいながら、運命の残酷に翻弄されざるを得ない男たち、女たち。

     この初夏、この本の出る少し前の頃、大画面TVに新調した我が家で、ぼくはコーエン兄弟のTVドラマ『ファーゴ/FARGO』シリーズ4作に、遅まきながらはまっていた。ユーモアと残酷を取り混ぜながらの人間

    0
    2022年07月16日
  • ザ・ボーダー 下

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    主人公のケラー(麻薬取締局局長)がメキシコの麻薬撲滅のためにあらゆる手段を尽くす。ケラー自身がアダン・バレーラ(最大の麻薬カルテルの首領)殺害を告白したことで、最愛の妻マリーは離れていった。孤立無援の男は孤独を噛み締めながら、40年にも及んだ苦闘を振り返り、自問する。自分の周りでは何人も死んでいった。カルテルに関与することで殺害され、一般住民は薬物パンデミックで死亡する。これまでの麻薬対策によって何が変わったか?何も変わっていない。世界中の人々を苦しめる麻薬問題に大いなる一石を投じた本書の価値は高い。⑤↑

    0
    2022年07月05日
  • ザ・ボーダー 上

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    米国、メキシコ、グアテマラ、3か国を中心とした麻薬カルテル、密売、殺人。タイトルのボーダー(境界線)には色んな意味がある。麻薬の国境越え、人間が正常に保てるか、刑務所の外と内、生と死。メキシコの麻薬王アダン・バレーラの死によって麻薬戦争の終結をもたらすどころか、内部抗争が起こり混とんとする。それに巻き込まれる一般住民。壮絶な社会派ミステリーです。疲労感とともに人間の闇、麻薬の闇への疼痛を感じる。カルテルのボス・カーロ、麻薬取締官・ケラー、貧困少年・ニコ、どう関わってくるのか!後半の800ページが楽しみ。⑤

    0
    2022年06月30日
  • 業火の市

    Posted by ブクログ

    ドン・ウィンズロウ、これで絶筆って聞いて残念がってたけど本屋に行ってみればまさかの三部作!!
    これはどんどん分厚くなる予感!!
    一年おきくらいで出るのかな。
    待ち遠しいよ!!

    相変わらず主要な登場人物がバンバン死ぬのが非常にしびれますね!!
    パムは何かしら隠してるのかなと思ったけど単に美女なだけだったな笑

    さて続きはどうなるのやら。
    一気にイアンの話になったりして!!?

    0
    2022年06月12日
  • 業火の市

    Posted by ブクログ

    80年代のアメリカが舞台のギャング小説。アイルランド系マフィアの一員のダニー。冒頭はあまり不穏な空気もなくイタリア系マフィアともうまくやっているような日常が描かれているのだけれど、じわじわと緊張感が増していく。その感じが堪らない。そこから一線を越え報復がありまた復讐がありと止まらない。組織同士の抗争とその裏で起こるダニーの家族のこと。終盤は読んでいるのが苦しくなるほどの感情に襲われる。これが三部作の一作目ということでこの先が本当に楽しみなんだけど次作発売が一年後。

    0
    2022年06月05日
  • 業火の市

    Posted by ブクログ

    ドン・ウィンズロウ『業火の市』ハーパーBOOKS。

    新しい3部作の第1弾。

    ドン・ウィンズロウらしいハードでストレートなギャング小説という感じだ。角川文庫の『犬の力』とか『フランキー・マシーンの冬』に雰囲気は近いだろうか。まだ第1弾なので壮大な物語の発端に過ぎないのだろうが、大いに期待出来そうだ。

    1986年のアメリカ東海岸の通称ドッグタウンを仕切るアイルランド系マフィアのファミリーの中で、ダニーは昔からの仲間と共に平穏に暮らしていた。ダニーに不満があるとすれば、ファミリーのドンの娘と結婚しながら地位が上がらないことだった。

    ある日、ダニーが所属するファミリーの一員がイタリア系マフィア

    0
    2022年05月29日
  • ザ・ボーダー 下

    Posted by ブクログ

    15年かけてこの3部作を読み終えた。
    終盤の公聴会での長い証言は40年以上に及ぶ麻薬戦争の歴史だ。
    最高傑作と言っていい。
    連続ドラマになったら必ず見たい。

    0
    2021年11月05日
  • ザ・ボーダー 上

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    面白い。最後の一章は本当に身につまされた。この闘いに終わりがあるのだろうか。
    ハーパーコリンズさん出来れば3巻にして紙質を少し良くして欲しかった。

    0
    2020年03月06日
  • ザ・ボーダー 下

    Posted by ブクログ

    犬の力から始まり「息子たち」世代の話になる麻薬戦争、三部作最後。
    このシリーズを読むとメキシコについて、麻薬戦争の現状について詳しく調べたくなる。
    少し調べただけでもこの小説に書かれていることは決して物語の中だけのことではないとわかる。
    ラストの見解についてはびっくり。

    0
    2020年01月11日
  • ザ・ボーダー 上

    Posted by ブクログ

    シリーズ3作目。読み応えがあり前作より読みやすく感じるが面白さは相変わらず。
    カランが出てきたあたりで三部作を最初からまた読み返したくなった。
    上巻最後に出てきたニコが今後どう関わっていくのか気になる。

    0
    2020年01月04日
  • ザ・ボーダー 下

    Posted by ブクログ

     小説に圧倒されるというのはどういうことを言うのだろう。かつてドストエフスキーやトルストイの大長編作品群にぼくは確実に圧倒された。加賀乙彦の『宣告』に圧倒された。五味川純平の『戦争と人間』全9巻に圧倒された。船戸与一の『猛き箱舟』に、高村薫の『マークスの山』に、ジェイムズ・エルロイのLA三部作『ブラックダリア』『LAコンフィデンシャル』『ホワイトジャズ』に圧倒された。劇画でいえば白戸三平の『カムイ伝』に圧倒された。手塚治虫の『火の鳥』に圧倒された。そういう圧倒的なパワーに打ち倒されるような感覚を失って久しい。敢えて言えばアンデシュ・ルースルンドの『熊と踊れ』二部作がその類いだったろうか。

     

    0
    2019年08月08日
  • ザ・ボーダー 上

    Posted by ブクログ

     小説に圧倒されるというのはどういうことを言うのだろう。かつてドストエフスキーやトルストイの大長編作品群にぼくは確実に圧倒された。加賀乙彦の『宣告』に圧倒された。五味川純平の『戦争と人間』全9巻に圧倒された。船戸与一の『猛き箱舟』に、高村薫の『マークスの山』に、ジェイムズ・エルロイのLA三部作『ブラックダリア』『LAコンフィデンシャル』『ホワイトジャズ』に圧倒された。劇画でいえば白戸三平の『カムイ伝』に圧倒された。手塚治虫の『火の鳥』に圧倒された。そういう圧倒的なパワーに打ち倒されるような感覚を失って久しい。敢えて言えばアンデシュ・ルースルンドの『熊と踊れ』二部作がその類いだったろうか。

     

    0
    2019年08月08日
  • ザ・ボーダー 下

    Posted by ブクログ

    『犬の力』、『ザ・カルテル』の続編。前2作と比べて激しい戦闘シーンが少なめの上巻。それでも駆け引きや計画を練るところなんかは緊張感がある。麻薬戦争の終わりが見えないアート・ケラーの日々。現場に戻りカルテルを潰そうとする計画。今作も群像劇でたくさんの人たちのことが語られる。それぞれの思惑、欲がよりわかる。静かななかにも張り詰めたものがあり徐々に膨れ上がっていく。そして下巻に入り物語は加速していく。麻薬を通してアメリカの暗部がこれでもかと描かれ権力のために麻薬を利用し金を得ようとする。ケラー対アメリカのような構図。一人の人間が麻薬に溺れていくさま、悪に染まっていくさまには絶望を感じる。ラスト近くに

    0
    2019年08月01日
  • ザ・ボーダー 下

    Posted by ブクログ

    ドン・ウィンズロウ『ザ・ボーダー 下』ハーパーBOOKS。

    『犬の力』『ザ・カルテル』に続くシリーズ第3弾。完結編に相応しく、上下巻で1,500ページを超える超大作。読み応えが充分過ぎるほどある。

    壮絶、凄惨極まるメキシコの麻薬戦争はアメリカ国内へも連鎖する。このメキシコ麻薬戦争三部作を読むと、メキシコに対するイメージが大きく変わってしまう。また、アメリカがメキシコとの国境に壁を作ったのは麻薬の流入防止が理由の一つであろうとも考えたりする。

    腐敗したアメリカ政財界とメキシコの麻薬カルテルとが結び付き、アート・ケラーの命を賭けた麻薬カルテル撲滅の闘いは無駄となる。アメリカからの麻薬資金の流

    0
    2019年07月24日
  • ザ・ボーダー 上

    Posted by ブクログ

    ドン・ウィンズロウ『ザ・ボーダー 上』ハーパーBOOKS。

    『犬の力』『ザ・カルテル』に続くシリーズ第3弾。完結編。 上下巻で1,500ページを超える超大作。

    まるでノンフィクションのような麻薬戦争の実態。面白い。冒頭から麻薬の利権を巡る血煙と硝煙が漂う暴力と殺戮の世界が描かれる。人間の欲望は果てしなく、留まるところを知らない快楽への欲求が愚かな人間たちを麻薬の世界へと向かわせるのだろう。

    メキシコの麻薬戦争はアート・ケラーが望む結果とはならず、アメリカへのヘロインの流入は止まらない。麻薬の利権を巡り、次々と新たな麻薬カルテルの支配者が生まれていく。麻薬取締局の局長に就任したアート・ケラ

    0
    2019年07月22日
  • ダ・フォース 上

    Posted by ブクログ

    圧倒的な迫力の警察小説だ。あくまで現場にこだわり、汚辱にまみれながらも理想を目指す主人公デニー・マローンの生きざまは強烈だ。

    0
    2019年05月12日
  • ダ・フォース 下

    Posted by ブクログ

    重厚が半端ない上巻に比べ下巻は、マローンの進退がきになってほぼ一気読み。
    ニュヨークを愛し警官という仕事を愛し、一緒に働く仲間を家族を愛している、悪徳ヒーロー警官マローン。
    綺麗事では済まさせない腐敗しきった現実を生き抜く汚職警官マローン。巷には正義など何処にも無く、誰もが権力や富を欲しがり、そして悪に落ち犯罪に手を染める。それでも…人種差別、ドラック、銃、ドアの向こうには死が待っているかもしれない町で、身体を張り住民を守る警察官一人一人への敬意が感じられる。

    0
    2019年01月02日