ドン・ウィンズロウのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「業火の市(CITY ON FIRE)」での抗争に敗れて西へ向かったダニー・ライアンの物語の第2弾(「陽炎の市(CITY OF DREAMS)。西には”Dreams”があったが陽炎のように....。
映画的で(ハリウッドが舞台の1つ)、スピード感にあふれており、さすがのウインズロウ&田口俊樹の世界でした。ダニーの部下のアルターボーイズ、ネッド・イーガン、親友マック、母親マデリーン、ハリウッド女優ダイアン....。「犬の力」...シリーズのように上下巻ではないので、もう楽しみが終わってしまう...と思ってしまいました。
来夏刊行予定の「荒廃の市(CITY IN RUINS)」が待ち遠しいですが、ウインズロウのラストとなるのなら刊行はまだまだ先でも良いなあとも思います。 -
Posted by ブクログ
平置きされているこの文庫本を手に取ると、どの本よりも厚い感触に、まず手が驚く。765ページだ。『犬の力』、『ザ・カルテル』に続くこの3部作は、ボリュームだけでも作者の執念を感じる。
主人公は今や麻薬取締局DEAの局長になっており、上巻では彼の直接的な活躍より、麻薬を取り巻く周辺(すなわち主人公の人生なのだが)の人物を描いていく。
麻薬カルテルの首領の首をすげ変えてもすぐに次の顔が現れるように、麻薬の売人から中毒者まで、次から次へと登場人物に不足はしない。また、登場人物にトランプ大統領のモデルが登場するように、この物語は現実社会に基づいている。作者の執念はジャーナリズムに根差していると強く感じる。
さあ、3部作の長大な大河小説は最終巻を迎える。読み終えたくない気持ち半分、読み急ぐ気持ち半分で、秋の夜長にもぐり込む。 -
Posted by ブクログ
終わった。膨大な3部作。ここに書かれていたのはメキシコの麻薬の歴史であり、アメリカの麻薬の歴史でもある。
アメリカが買い続ける限り、メキシコのマフィアが儲かる。
取締を強化すれば、価格が高騰して結局マフィアが儲かる。
儲かるからマフィアはもっと儲けようとする。
効率良く運べるように、もっと効き目の強い常習性の高い製品を開発する。
設けは膨大でマフィアの規模は大きくなる。
また、取締を強化する。
ずっとそれの繰り返し。いたちごっこ。
善と悪のボーダー、アメリカとメキシコのボーダー、主人公ケラーはそのボーダーのどちら側にも存在することで物語はついに完結する。
この上下巻で、トリステーサの虐殺、グアテマラの貧困から抜け出すためのメキシコを通り越してアメリカへの密入国。国をまたいでのギャングの暗躍跋扈。
などなどを知ることになる。