ウォルター・ミシェルのレビュー一覧
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4歳か5歳の保育園児がひとりで机の前に座っている。研究者は園児の目の前に大好物のマシュマロを置いて部屋を出ていく。園児はマシュマロを食べたくなったら、いつでもベルを鳴らして研究者を呼び、マシュマロを1個食べて構わない。でも、研究者が部屋に戻ってくるまで我慢して待つことができたら、マシュマロを2個もらえる。こんな状況に置かれた子どもはどのような行動をとるだろう。目の前の報酬を取る事を選ぶか、それを先延ばしにしてより多くの報酬を得ることを選ぶかというのが「マシュマロ・テスト」だ。このテストに参加した園児のその後数十年の追跡調査を行ったところ、驚くことに、園児の時に欲求の先延ばしに成功したか、失敗し
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目の前の欲求を抑えて、合理的な選択を出来るか=マシュマロテスト
本能的に衝動で行動する=ホットなシステムと認知的で複雑、ゆっくり活性する=クールなシステム
のバランスによってマシュマロを判断する
クールなシステムを活性化させることで、合理的な選択ができるようになる
ホットなシステムが強めの子でもクールを育てれば、そのバランスを必要な時に必要な形で働かせることができる
ストレスによってクールなシステムは活動が鈍るケースが多く、脳は可塑性によって長くストレスにさらされるとクールなシステムの働きが失われてしまう例もある
(長期的に合理的な判断が可能かについては、幼少期に身の回りの人を信頼できると感 -
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自制心のききにくいときの対策のヒントにしたくて読んだ。自分の弱い刺激を知ったり、
♧気持ちが明るくなることを考えると、目の前の衝動や誘惑への反応が和らぐ
♧
ストレスが長引くと脳の萎縮を起こし、思考力が落ちる
♧予め、特定の事態が起きたときにとる反応を決めておくと、衝動的な反応を起こしにくくできる(人間が変われることへの可能性)
♧嫌悪条件付け:衝動が発生したときに生じる行動を、自分の嫌いなものに変える
♧嫌な思い出を反芻することは痛みの再発を誘うこともあるが、自分から距離を置くことは有効
♧拒絶感受性(RS)という見捨てられ不安
♧課題をすることで元気になると思えば、意志の疲弊が防げる
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未就学児(4〜5歳くらい)の子供に今マシュマロを一つもらうか少しの間我慢してあとで2つもらうかというテスト(のちにマシュマロテストと言われる)を1960年代に実験した著者がその後半世紀に渡って追尾調査した結果、子供の頃に我慢出来た(自制した)子供は数十年後どのような人生を歩んでいるか?というとても引きのある有名な実験について。気になる結果がどうなったかというと自制することができた子供たちは、概ね社会的な成功を収めていることが分かった。やはり「自制する」という能力は「成功」に必要不可欠である。では社会的な「成功」は先天的に決まっているのか?それとも後天的に変える事は出来るのか?が気になってくる。
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【子供の為にできる事5つ】
*どう育って欲しいか手本を子供の人生で重要な人物が手本を自ら示す事。大きな影響を与える。
→ストレス、欲求不満、情動への対処法。自分が成し遂げた事を評価するときの基準。他人の気持ちに対する共感、感受性。態度、目標、価値観。躾の戦略、規律の欠如など全て
*子供との約束を守る事
→欲求充足の先延ばしを厭わないようにする為
*幼いうちから「自分には選択肢があってそれぞれの選択肢には結果が伴うのだ」と学ぶ手助けをする事が大事。
ご褒美を上手く利用すれば適切な選択肢を促せる。
*「良い選択→良い結果、悪い選択→悪い結果」を幼いうちに認識するのを手伝う事。
*楽しいけれ -
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自分をいかにコントロールできるか。「ありのままで」自分の本能に身をゆだねてしまうとどうなるか。今回の本は、マシュマロを使って「自制心」とその後の人生」について書かれた本だ。
その場で自分のほしいものを手に入れてその場の快楽(この実験では1個のマシュマロ)を手にするか、それとも先延ばしして後に得られるもっといい快楽(ここでは2倍のマシュマロ)を手に入れるか。我慢できた園児たちの人生を追ってみると、「肥満指数が低く、自尊心が強く、目標を効果的に追及し、欲求不満やストレスにうまく対処できた」というように、いい方向の人生を歩んでいる。
意志の力に関して、生まれ持ったものなので、どうにもならな -
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ネタバレマシュマロテストというテストから人間の能力に関して、現時点で分かっていることと、そこから何が生活に適用できるかを示した本です。幼児に席につかせ、何も置かれていない机の上に好きなお菓子を1個与え、また遠くに2個のお菓子を置いておき、検査者が「今から、私は少しいなくなるけど、今すぐにお菓子を食べたいなら、レバーを押してね。そうすれば、すぐに来るから。でももし、私が戻ってくるまで、待っていたら、机の向こうにおいて2個の方を上げるよ。待っててね。」と伝えて席をはずす。そのとき幼児はどおように行動するか?我慢できるのか?を見るのがマシュマロテストで、この検査で成功した幼児は、その後成人になった時に、いい
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小さな子どもの時から、
人は自制する事ができる子と出来ない子がいて、
その結果、人生にどのように影響があるかを書いた本。
考えされられた。
我慢することは、大人でも難しいことである。
それを幼少のころに身につけていれば、成功する確率はあがるだろう。
本書はその事を半世紀の調査で実証したといえる。
内容(「BOOK」データベースより)
『マシュマロをすぐ1個もらう?それとも我慢して、あとで2個もらう?』これは、行動科学で最も有名なテストのひとつマシュマロ・テストである。このテストの考案者である本書の著者ウォルター・ミシェルは、マシュマロを食べるのをがまんできた子・できなかった子のその後 -
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ネタバレ「今マシュマロを一つもらうか、しばらく待って二つもらうか」
我々の意思決定には辺縁系を中心としたホットなシステムと前頭前野を中心とした認知的なクールなシステムがある(という二律背反構造をモデル化したものはセイラー以来、多数あるが、やはり代表的なのはカーネマンか)。
未就学児童に対するマシュマロ・テストで、クールなシステムを働かせて待つことができる能力とその後の人生の成功との間には強い相関がある
ただし、この能力は持って生まれたものではあるが、その後のトレーニングによって強めることもできるし、場合によっては(自制心があるはずのクリントンがモニカ・ルインスキーとの事件を起こしたように)ホットな -
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有名なマシュマロ・テスト。我慢すれば、より大きな報酬を得ることができるとして、我々は我慢をするのか。それは実際には報酬の内容にもよるし、要求される我慢の度合い、報酬取得の信頼度、それらの期待値や自分の欲望や実力を正確に把握できるかによる。
頑張って勉強して大企業に入って、幸せな人生のマシュマロを得られる時代ではなくなっている。それを分からず、目の前のマシュマロを我慢し続ける自制心が重要だなんていうのは、人間の機械化を無責任な運任せで肯定しているに過ぎない。そんな風に思う。今日、美徳や価値観の根本が揺らいでいる。
意志薄弱の事を古代ギリシアの哲学者は「アクラシア」と呼んだ。価値観が揺らぎ変容 -
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