渋谷高弘のレビュー一覧
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本書は知的財産(知財)を活かした経営に関し、その重要性を説いてくれる一冊。
IPランドスケープとは。
<知財を駆使したビジネス分析>
広義の意味では、知財を活かした経営そのものであり、自社の知財の状況を理解し、自社の強み・弱みを踏まえて新たな戦略、ビジネスモデルへ取り組み、会社の未来を拓くこと。
<知財経営を可能にする分析手法>
狭義の意味では、特許などの知財データ、その他のデータを駆使して自社の状況を分析し、経営者に分かりやすく説明する。新たなビジネスモデルを提言すること。
アップルやインテルなどの欧米の知財を経営に活かしている事例を紹介。それらの徹底したオープン&クローズ戦略を解説 -
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不正競争防止法の改正を、その背景を含めて、分かりやすくまとめた良書です。
残念なのは、先進国から新興国への技術移転の必然というマクロ観点の説明が十分でありません。先進国のエンジニアが、転職先として新興国企業を選ぶ全てのケースにおいて、技術流出が生じてる訳ではでは有りません。或る国で活用できなくなった技術が、これを利用できる国に移転することは自然なことで、これを阻止する為に、企業が使えないエンジニアを雇い続けることは有りません。
技術流出で一番問題なのは、「プロ」による技術詐取です。出来心で、技術詐取が起こるわけでなく、プロが価値の有る技術を狙っています。企業の対策もこの視点を留意すべき事は -
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ネタバレ具体的な事例がリアルに描かれていて迫力がある。個別事例の紹介だけでなく、発明者の流動について、特許データに基づく分析が加えられており、より説得力が増している。個人的には富士通の開放特許の事例が明るい感じがしてよかった。発明者補償と技術流出の問題は、あまり結びつくものではないと考えていたが、流れとしては違和感はなくつながる感じがする。だが、技術流出は怒りと悲しみから起こるのだろうか・・・?そのあたり、企業の研究者や技術者はどのように感じるのだろうか。とはいえ、最後の「本当に大切なこと」からは筆者の熱い思いが伝わってくる。技術者を追い込む経営はしてはいけない。日本全体で結束して頑張っていきたい。
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Posted by ブクログ
【会社という組織をどう運営するか】
企業のガバナンスについて情報満載の本だった。近年の法制化の流れのみならず、そもそも株式会社とガバナンスは相いれないものであった、という歴史的視点、そして日本国内の動きを世界の動きと照らし合わせて紹介するなど、現在不可欠となっている企業のサステイナビリティ改革の課題に至るまでの流れを把握することができる。
企業経営のコンサルティング会社であるHRガバナンスリーダーズのCEO内ヶ崎茂さんを筆頭に、日本のサスティナビリティガバナンスの現在地と今後の焦点などが論じられる。
英米と比較して、日本の企業は外部からのガバナンスが弱いという特徴があり、それは監督と執行機能 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ第1部とあとがきの総論的な話は面白かった。例えば以下のような話。
・オープン&クローズ戦略とは、要は自社のコア領域を知財で徹底的に守り(許諾もせず)、それ以外はオープンにするという話。
・ベンチャー設立で地獄を見た知財マンが、ナブテスコの知財責任者になり、徹底的なIPランドスケープで経営者や事業部に認められた話。
・戦争もビジネスも勝利にはライバル分析の努力が必須であり、日露戦争→太平洋戦争と、戦後復興→80年代以降は、分析の努力による勝利→奢って分析をしなくなったことによる敗北という構図が共通するという話。
ただ、具体的なIPランドスケープのケーススタディの第2部は、自分の知