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Posted by ブクログ
不正競争防止法の改正を、その背景を含めて、分かりやすくまとめた良書です。
残念なのは、先進国から新興国への技術移転の必然というマクロ観点の説明が十分でありません。先進国のエンジニアが、転職先として新興国企業を選ぶ全てのケースにおいて、技術流出が生じてる訳ではでは有りません。或る国で活用できなくなった技術が、これを利用できる国に移転することは自然なことで、これを阻止する為に、企業が使えないエンジニアを雇い続けることは有りません。
技術流出で一番問題なのは、「プロ」による技術詐取です。出来心で、技術詐取が起こるわけでなく、プロが価値の有る技術を狙っています。企業の対策もこの視点を留意すべき事は、著者が指摘している通りです。今回の法改正で、告訴が無くても刑事事件として対応が可能となったのは大きな成果です。
今回の法改正で少し心配なのは、秘密情報の盗用を主張する原告の証明責任が軽減された点です。米国では、既に秘密情報トロールが存在し、破産した会社の保有していた技術提供契約を買取り、技術提供を受けていた会社を秘密情報を目的以外に流用したことを主張するケースがあるようです。日本でも秘密情報トロールが可能になってしまったと、企業は自覚するべきと思います。
Posted by ブクログ
具体的な事例がリアルに描かれていて迫力がある。個別事例の紹介だけでなく、発明者の流動について、特許データに基づく分析が加えられており、より説得力が増している。個人的には富士通の開放特許の事例が明るい感じがしてよかった。発明者補償と技術流出の問題は、あまり結びつくものではないと考えていたが、流れとしては違和感はなくつながる感じがする。だが、技術流出は怒りと悲しみから起こるのだろうか・・・?そのあたり、企業の研究者や技術者はどのように感じるのだろうか。とはいえ、最後の「本当に大切なこと」からは筆者の熱い思いが伝わってくる。技術者を追い込む経営はしてはいけない。日本全体で結束して頑張っていきたい。
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