ピーター・トレメインのレビュー一覧
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ミステリ。修道女フィデルマ。
シリーズ長編の9作目。
5作目、7作目、9作目と、飛び飛びで読んでしまっているな…。
今作はエイダルフが殺人罪で捉えられているという設定により、かなりスリリング。
おおまかなプロットは予想通りとはいえ、ハラハラしながら一気に読んだ。
ミステリとしては、関係者から証言を集め、証拠となる物品を探し、得られた事実を照らし合わせて、法の下に真実を探求する流れが特徴。
重厚な本格ミステリ特有の論理的推理を、より分かりやすく表現しているように思える。
盲目の男ダルバッハが非常に良いキャラ。
著者の『蜘蛛の巣』でも障害を持ったキャラクターが強い個性を放っていた記憶がある。
そ -
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ネタバレ修道女フィデルマ・シリーズ。
「まぐさ桶の犬」で葉村晶がこのシリーズの新作を読んでいて、
新作がでたのに気が付いた。
そういえば長年の友、エイダルフが幼い修道女への暴行と殺人で死刑判決を受けた、
という話で終わっていたんだっけ。
この時代のアイルランドでは、
殺人でも「血の代償」と呼ばれる賠償金を支払い、
公民権をはく奪され厚生施設で働かされることはあっても、
死刑になることはなかったので、
自分の気持ちに気が付いたフィデルマにとっては衝撃的だったろう。
当然フィデルマが駆けつけると、
エイダルフは(これまた当然だが)まだ処刑されていなかったが、
エイダルフを犯人だと証言した修道女は行方不 -
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ミステリ。修道女フィデルマ。
修道士の失踪と国王の暗殺未遂事件から始まる物語。
上巻は次々と謎が浮かび上がり続けたが、下巻では少しずつ真実に近づいていき、最後には一気に解決。
解決シーンは、ドーリィーらしく、フィデルマが法廷で大活躍。熱かった。
なかなかに複雑な物語で、登場人物がみんな怪しく思えて、ずっとハラハラしながら読んだ。
フィデルマとエイダルフの関係が、名探偵と少し抜けてる助手役という、典型的なホームズとワトスンの関係に見えて面白い。
フィデルマがエイダルフを心から信頼しているのが微笑ましい。
エピローグでは、フィデルマの女性らしい一面も見れて、ファンとしてかなり嬉しい。
シリーズ作 -
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7世紀のアイルランドを舞台に、アイルランド五王国の一つモアン王国先王の王女にしてドーリィー(法廷弁護士)であり、状況次第では裁判官としても活動できるアンルー(上位弁護士)の資格も有する修道女フィデルマが事件の謎を解き明かす短篇集。収録作は以下のとおり。
聖餐式の毒杯
ホロフェルネスの幕舎
旅籠の幽霊
大王の剣
大王廟の悲鳴
法律の高度な専門家としてたとえ王が相手でも物怖じせず、論理的に事件を解決するフィデルマの人物像やミステリーそのものとしてのおもしろさは充分。加えて、7世紀のアイルランドという未知の世界も素晴らしかった。その独特の風土に最初は戸惑ったが重要な単語は -
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7世紀のアイルランドという珍しい時代を描いた、修道女フィデルマのシリーズ。
8作目、後半。
これは中でも、船旅が舞台なのと、フィデルマの若い頃の恋人が出てくる、珍しい話です。
王の妹であり勝気で勉学好きな修道女フィデルマ、でもまだどう生きるかははっきり決めていなかった頃。
騎士と恋に落ちて結婚を考えましたが、手ひどくふられてしまった。こんな恋愛があったとは。
その相手が今は修道士になって同じ船に乗っていた。
当時のキリスト教は聖職者でも結婚できて、男女が一緒に暮らして夫婦で子育てをする修道院もあったのです。
この時代に、ローマでは高位の聖職者については独身が推奨されるようになっていくのです -
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上巻の冒頭部分に、七世紀のアイルランドの社会制度やキリスト教信仰についての解説が豊富にあり、いままで脚注や巻末の解説で紹介されていた内容を補うボリュームでとても良かった。
古代のアイルランドの著名な法律家として何人もの女性が活躍していたことも解説で初めて知り、興味深かった。参考文献として挙げられていたものも可能であれば読んでみたい。
もちろん小説の方も面白かった。
主人公のフィデルマは独り巡礼の船旅を始めようとしていた。
同乗者に知り合いもおらず、あらゆるしがらみから離れて静かに考えを整理するつもりだった彼女は予想外の事態に直面することになる。
重苦しい事件とは別に、実直な船長や船員たち(猫 -
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族長襲撃事件の証拠を追って、イムラックの大修道院にやって来た修道女フィデルマ。
元修道士が関わっているようなのだ。
兄である国王コルグーにかかった疑いを晴らすためだった。
ところが、そこでは大変な事態に‥?!
イムラックの大修道院では、貴重な聖遺物が紛失。
保管を担当していた修道士が失踪してしまったという。
調査を依頼されたにフィデルマは、妙な事実に気づく。
修道院のある町は襲撃を受けて大荒れとなり、人々の心のよりどころが失われそうになる。
王国の平和と威信を取り戻そうと奮闘するフィデルマ。
王の妹で、頭が切れる超秀才で高位の資格を持ち、しかも活発な美人というフィデルマですが、大の男が束に -
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修道女フィデルマのシリーズ。
中世が舞台のミステリ、短編集です。
まだ若く美しい女性フィデルマ、じつは修道女であるだけでなく、高位の資格を持つ弁護士。
アイルランドの7世紀という古い時代に、実際にも女性がかなり活躍していたというのは頼もしい。
とはいえ、最初は若い女と見て侮られます。現代同様?
動じることなく、真実を求めて突き進む姿勢がさわやか。
次第にその名が鳴り響いていくのですね。
「聖餐式の毒杯」はローマを訪れた若きフィデルマが礼拝堂に。同席の若者が死んだために謎を解く。
幼なじみの女性の救援に駆けつける話。
偶然立ち寄った雪の宿での、幽霊騒動に巻き込まれる話。
アイルランドの大王( -
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「祝祭日の死体」Corpse on a Holy Day
聖デクランの祝祭日。彼を祀る礼拝堂に詣でたフィデルマは、二百年間眠る聖人の亡骸の上に、刺殺されて間もない若い女性の遺体を発見する。その女性はフィデルマが訪問しようとしていた修道院の見習い修道女だった。
リアル現代と通じるような猛暑の中、聖地巡礼をするフィデルマ。「なんでこんな暑い中を…」と言いつつも、良い事なんだから!と自分に言い聞かせる優等生気質がほほえましい。それでも事件でごたんに元気になってしまうフィデルマ。
「狗(いぬ)のかへり来(きた)りて……」Like a Dog Returning...
聖パトリックの直筆を納めた絢爛豪 -
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2025年の30冊目は、ピーター・トレメインの「修道女フィデルマの慧眼」です。日本独自の短編集となります。前作「風に散る煙」が、かなり良かっただけに、この短編集も期待が持てる所です。
このシリーズの最大の魅力は、7世紀の古代アイルランドを舞台としているという唯一無二の世界感と主人公フィデルマのモアン王国国王の妹君にして、法廷弁護人という属性、聡明でいて、機知に富んだ性格という、これまた無二のキャラクターに有ります。
素晴らしかった前作と比べてしまうと、もの足りなさを感じもしますが、密室の死の謎を解く「尊者の死」や「撒かれた棘」がおすすめです。いつものように含蓄有る言葉も随所に盛り込まれています -
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ネタバレ(上巻より)
前作に続き、女性が殺人犯とはちょっと芸がない気もするが、
女性の地位が高かったから当然のことなのか?
それと、フィデルマがうかつにも見せた証拠で、
知らなかったとはいえ実の息子を娘の殺人犯として、
死に追いやってしまったことに気が付いた男が自殺してしまったのは、酷い話だ。
そして、フィデルマとエイダルフは二人で旅を始めたのに、
今回の事件でギクシャクするし、
最後にはおみくじのように焼き菓子の中に隠されていた、
指輪と殻付きのヘーゼルナッツを
それぞれひいてしまったという嫌な終わり方だった。
結婚が近いと言う意味の指輪と、生涯独身の意味のヘーゼルナッツを。 -
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ネタバレ修道女フィデルマ・シリーズ。
せっかく二人で旅立だったというのに、
時化にあって頭を打ち船を下ろされてしまったエイダルフ。
フィデルマも一緒に降り立ったその土地はブリトン人の王国で、
ザクソン人であるエイダルフにとっては敵国。
すぐにでも、本来の目的地であるカンタベリーに向かいたいエイダルフだったが、
フィデルマの方は、
修道院の修道士が全ていなくなった謎を解くよう国王に頼まれて、
引き受けてしまう。
調べに向かったフィデルマたちは、
修道士失踪を目撃した若者が、裁判も受けずに私刑されそうなところを助ける。
若者は村の娘を襲って殺したと思われていたが、
フィデルマは疑問を感じる。
そして -
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イギリスの作家ピーター・トレメインの連作ミステリ短篇集『修道女フィデルマの采配 修道女フィデルマ短編集(原題:The Heir Apparent and The Other Stories From Whispers of the Dead)』を読みました。
ここのところ、イギリスの作家の作品が続いています。
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王女にして法廷弁護士、美貌の修道女が
旅先で出会った難事件を一刀両断!
世界中の読書家を虜にする推理の妙〈フィデルマ・ワールド〉
日本オリジナル短編集第5弾
法廷弁護士にして裁判官の資格を持つ美貌の修道女フィデルマが、アイルランドの各地