ピーター・トレメインのレビュー一覧
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7世紀のアイルランドを舞台に、アイルランド五王国の一つモアン王国先王の王女にしてドーリィー(法廷弁護士)であり、状況次第では裁判官としても活動できるアンルー(上位弁護士)の資格も有する修道女フィデルマが事件の謎を解き明かす短篇集。収録作は以下のとおり。
聖餐式の毒杯
ホロフェルネスの幕舎...続きを読むPosted by ブクログ -
大好きなフィデルマシリーズ。
日本オリジナルの短編集ということだったので、本国の人気はどうなのか気になってしまった。
どの短編もおもしろかった!Posted by ブクログ -
7世紀のアイルランドという珍しい時代を描いた、修道女フィデルマのシリーズ。
8作目、後半。
これは中でも、船旅が舞台なのと、フィデルマの若い頃の恋人が出てくる、珍しい話です。
王の妹であり勝気で勉学好きな修道女フィデルマ、でもまだどう生きるかははっきり決めていなかった頃。
騎士と恋に落ちて結婚を考...続きを読むPosted by ブクログ -
上巻の冒頭部分に、七世紀のアイルランドの社会制度やキリスト教信仰についての解説が豊富にあり、いままで脚注や巻末の解説で紹介されていた内容を補うボリュームでとても良かった。
古代のアイルランドの著名な法律家として何人もの女性が活躍していたことも解説で初めて知り、興味深かった。参考文献として挙げられてい...続きを読むPosted by ブクログ -
事件の真実が明らかになったときにその中心人物が語る一言に、何とも後味の悪い思いを抱いてしまう。
しかし、最後の一文で「!」
早く次の翻訳が出ないかな。(原作はちょっと英語力が無い私には難しかった)IPosted by ブクログ -
族長襲撃事件の証拠を追って、イムラックの大修道院にやって来た修道女フィデルマ。
元修道士が関わっているようなのだ。
兄である国王コルグーにかかった疑いを晴らすためだった。
ところが、そこでは大変な事態に‥?!
イムラックの大修道院では、貴重な聖遺物が紛失。
保管を担当していた修道士が失踪してしまっ...続きを読むPosted by ブクログ -
修道女フィデルマのシリーズ。
中世が舞台のミステリ、短編集です。
まだ若く美しい女性フィデルマ、じつは修道女であるだけでなく、高位の資格を持つ弁護士。
アイルランドの7世紀という古い時代に、実際にも女性がかなり活躍していたというのは頼もしい。
とはいえ、最初は若い女と見て侮られます。現代同様?
動...続きを読むPosted by ブクログ -
修道女フィデルマのシリーズ、8作目。
7世紀アイルランドの、尼僧にして弁護士であるフィデルマが探偵役の歴史ミステリです。
アイルランドは五王国の時代。
そのうちの一つの国の王の妹であるフィデルマは、美貌で活発、頭が切れて勇敢。高位の弁護士の資格を持っていて、「黄門さまの印籠」をいくつも持っているよ...続きを読むPosted by ブクログ -
ミステリ。短編集。
シリーズ短編集の5作目。
このシリーズは、本当に全ての作品が面白い。
個人的には、この1冊がシリーズ短編集で一番完成度が高かった印象。
「養い親」の苦い結末が良い。
これで短編集は一通り読み終わり、残りは長編。Posted by ブクログ -
ミステリ。短編集。
シリーズ短編4作目。
フィデルマが修道女になる前の事件が2作品読めるのが、シリーズの中でも貴重。
作品の面白さ的には、怪奇小説の要素がある「バンシー」と、奇妙な謎に現実的な回答を見つけ出す「昏い月 昇る夜」が好き。
"月"を"夜の女王"と表現する文章があり、ハインラインの『月は無...続きを読むPosted by ブクログ -
こちらも大好きなシリーズの1つです。定期的に翻訳が続いているのを見ると、私同様に根強いファンが存在しているようです。舞台は、7世紀半ばのアイルランド。日本は、飛鳥時代、大化の改新の頃でしょうか。このシリーズの最大の魅力は、何と言っても、主人公フィデルマのキャラクターです。修道女にして、ドーリィー(法...続きを読むPosted by ブクログ
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ミステリ。短編集。
初めて読む作家。
7世紀のアイルランドという舞台設定が独特。非常に好きな世界観。
文章は簡潔で読みやすい。
取り扱う事件は殺人から窃盗、幽霊騒ぎと様々。
「大王廟の悲鳴」が個人的ベスト。
インパクトのある事件でありながら、シンプルな解決という分かりやすさが好印象。伏線の張り方が堂...続きを読むPosted by ブクログ -
修道女フィデルマ・シリーズの短編集第5弾。
密室トリックに穴があろうと、
殺害方法が偶然すぎても、
凶器がご都合主義でも文句は言わない、
というか気がつかないぽんこつミステリーファンだが、
これだけは言いたい。
尊者にお出しするにふさわしい大物の鮭、
それを盗んだ魚泥棒の犯人が猫?
殺された料理...続きを読むPosted by ブクログ -
修道女フィデルマ・シリーズの8作目(原作順で)。
巡礼の旅に出、船旅をするフィデルマ。
船に同乗していた巡礼団の修道女が海に落ちたと思われたが、
刺殺死体で発見される。
そして、船に乗り遅れたかと思われた修道女も、
実は殺されていたことがわかり…。
巡礼団の中に若い頃にフィデルマを手酷く捨てた恋...続きを読むPosted by ブクログ -
(上巻より)
最初の解説がとてもわかりやすくて良かった。
このシリーズを読み始めるにあたって、
必要な予備知識だと思う。
その中に、
作者の描いている科学技術が
当時のアイルランドの力を鑑みれば到底あり得ないものであると
批判されているという記載があった。
確かに、国力は科学技術の土台となる。...続きを読むPosted by ブクログ -
666年アイルランド、モアン王国。王都キャシェルにてフィデルマの兄王コルグーと、敵対していたオー・フィジェンティの族長との和平交渉が行われることになった。だが、王が族長を伴ってキャシェルに足を踏み入れた途端、二人を暗殺者の矢が襲う。一命はとりとめたものの、犯人の身元をめぐって再び両者は緊張関係に。暗...続きを読むPosted by ブクログ
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久しぶりのフィデルマ。これは日本向け短編集だとか。
才気に溢れたフィデルマが法律を学日始めるとこかる始まります。
ロジックで詰めて解かれる謎は気持ちがよく、気分が良い☺Posted by ブクログ -
古代アイルランドの〈ブレホン法〉に則って裁判を行う弁護士〈ドーリィー〉であり、そのなかでも上位の〈アンルー〉という資格を有する修道女フィデルマが、聖餐のワインで毒死した青年、雪山の旅籠に夜な夜な出現する幽霊、消えた王家の大剣などの謎をその明晰な頭脳と法知識で解決する短篇集。
著者はケルトの歴史学...続きを読むPosted by ブクログ -
7世紀のアイルランドが舞台。著者は、歴史家としても著名とのことで、その世界を身近なもののように伝えてくれる。美貌の修道女という設定も魅力ですが、初期のキリスト教とアイルランドの古いしきたりとの軋轢を教えてくれるのも楽しみです。Posted by ブクログ
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フィデルマが赤毛なのはアイルランド人であることを強調したかったからか。修道女が裁く事件でも基本的に動機は愛と物欲と権力欲。ローマカトリックとも違うアイルランド独特のカトリックが興味深い。アイルランドというと幻想、下手すると迷信深いという印象があるが、そういう面もあるけれど、ここに描かれるアイルランド...続きを読むPosted by ブクログ