つかいまことのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
なんとも表現し難い、というのが率直な感想。
ひとつの結末を迎えたといえばそのとおりなのだが、何の出来事も起こっていないとも言える。
気に入らなかった部分を先に挙げてしまうとすると、まずは文体。
「〜だった」という過去形が多すぎて、リズム感が悪い。
二つ目は構成。
この作品は、少年と少女のパート、老人が懐古するパート、ゲームクリエイターのパートの3つから成り、場面転換が多い。
それがやや苦痛だった。
私はゲームクリエイターのパートは不要なのではないかと思う。
書き方次第で、他の2つに集約できるはずだ。
良かったのは、少年と少女のパートで、子供らしいワクワクとか、ドキドキが伝わってきたとこ -
Posted by ブクログ
ネタバレ20200507_棄種たちの冬
「魂にパターンが読み取れるのなら、やつには……、計算された知性には俺たちの行く末もわかるんじゃないのか?生きるとは、生命とは最終的に何であるのかがわかって、その答えをもう出してしまったんじゃないのか?」
(中略)
「作られた知性は答えを得て、生命の行き着く先の、その向こうへ行ったんじゃないのか?俺たちには見えない、理解もできない、感じることさえできない在り方。俺たちは置いていかれ、棄てられてるんじゃないのか?俺たちみんな棄種なんじゃないのか?」
(中略)
「……俺は怖いんだ。俺たちが本当はもう終わっていることを知っている知性が、俺たちの右往左往している様をじっ -
Posted by ブクログ
〉あの夏、ぼくは子供だった。
〉半ズボンとビーチサンダルと、汗ばんだり乾いたりするTシャツだった。
〉世界の「終わり」が始まったのは、もうずいぶん昔のことだ。
〉つまり「涯て」が世界に現れたのは、ということだ。
ノスタルジック終末お仕事SF、かな。
球状の侵食異次元空間の進行を止めるために記憶を「思い出す」仕事をしている老人と、
その子供時代の少年、
それから老人の依頼を受けた3Dアバターデザイナーの青年。
三者の視点を交互に描きながら、時間の流れが世界とは違う「涯て」という存在について語る物語。
球状の異界が侵食してくるって言うと、「時の果のフェブラリー」(山本弘)とか「闇の中へ」(グ