松本妙子のレビュー一覧
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ロシア・ウクライナ戦争がはじまって、いま起きていることを理解したくてスヴェトラーナ・アレクシエーヴィチの本を読みはじめた。
311が起きた時もこれからどうなるのかをチェルノブイリから学べるかと、本を読んだりドキュメンタリーを見たりしていた。
その結果としては何もわからないままで恐怖が残っただけだったけど。
新宿御苑で汚染土を使った実証実験が行われると聞いて、また少しずつ放射線に関する本を読みはじめている。
この本を読んだ印象では、福島の事故で出た放射線はチェルノブイリよりずっとマシだったみたいだ。
311の頃は「直ちに影響はありません」を聞くと一体何言ってるんだと混乱が深まるばかりだったけど -
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ネタバレ共産主義下で生きてきた人びとへのソ連崩壊直後から20年以上にわたるインタビュー集。著者のライフワーク「ユートピアの声」完結作。
この2月からロシア発信の報道にまるでWWⅡ当時の過去に生きているような違和感を感じ、手に取りました。
WWⅡの「大祖国戦争」、彼らにとってWWⅡはファシストに打ち勝った偉大な国としての勝利、それを支えに生きてきたのに、結局は資本主義になにもかも奪われた、というのがペレストロイカ。
第1部は1991~2001年、第2部は2002年~2012年の2部構成。話し手やその親族の実体験が多く語られていて辛い内容も多いです。特に第1部のWWⅡから戻った人々の経験は凄惨です。 -
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「もう一つの戦争を体験、そしてそれはまだ終わっていない」「失ったのは町じゃない、人生丸ごと」「住民は人間ブラックボックス」「誰も何も理解していなかった。これが一番恐ろしい」……原発事故後、旧ソ連政権下で封殺された、或いは黙して語られることのなかった「チェルノブイリ人」の証言の数々。著者の地道な取材で拾い上げられ 、10 年という時を経て届けられた市井の人々の声なき声、拭い去ることのできない“心の傷跡”が痛過ぎる。特に冒頭の消防士の妻の証言には言葉を失う。ノーベル文学賞も宜なるかな、と思える衝撃の記録文学です。著者はロシアのウクライナ侵攻に際してもいち早く声明を発表。「市民に真実を伝えて」と訴え
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読み始めると、辺りが静かになる。
一人一人の物語を、己の少ない脳の記憶容量に刻みつけるように。文字を読むのではなく文字を聴くように読む。じっと。
アレクシエーヴィチの著作を読んだのは「戦争は女の顔をしていない」を含めこれで二冊目(未読だが手元にボタン穴から見た戦争がある)。
戦争は女の顔をしていないを読んだ時は、初めてアレクシエーヴィチの著作を読んだ時は、衝撃といろいろな感情がないまぜになって、これは今、ものすごく大変なものを読んでいるとわかって、恐れ多くて、畏ろしくて、感想が書けなかった。ただ心に刻みつけるしか。今回もそうだ。
著者は、「スターリンの強制収容所、オシフィエンチム(アウシュビ -
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他人を見ると、寂しいそう、とか可哀想だとか、こっちが勝手に想像するけど、それをしてはいけない。その人の気持ち、わかるかい、わかるわけがない。
ソヴィエト社会主義共和国連邦。ソ連。
日本の僕から見れば、やはり共産主義や社会主義は理想、気持ちよく暮らしているのだろうと思っていた。北の方だから寒いだけがネックだろうと思ってた。実は違ってた。
今、それは中華民国、中国でのことだろう。
共産党員、金持ち、以外の中華民国の人々は、筆舌に尽くし難い苦渋があるのだろうと想像するが、それは想像でしかなく、悪いんだけど、対岸の話なのだ。
何度も思うけど、援助するには、僕は手が足りなずぎる。
で、自分 -
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1991年、ソ連邦崩壊。世界史年表にしたらたったこれだけの
文字数で済んでしまう。だが、その1行は多くの人々の生活を
根底から変えた。
これまでの価値観を180度変えてしまった「20世紀の実験場」
の崩壊は、市井の人々に何をもたらしたのか。「赤い国」を
生きた普通の声を集めたのが本書だ。
国ががらりと姿を変える。今まで「悪」とされて来たことが「善」
となり、「善」とされてきたことが「悪」となる。資本主義への
移行期間に、金儲けのチャンスを見出す人もいれば、ソ連時代の
価値観を捨て去ることへの感傷を抱え込む人もいる。
ソ連はユートピアのはずだった。アダムとイブが住んでい -
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Posted by ブクログ
ウクライナに生まれベラルーシで弾圧を受けながらも、国家の影に隠された人々に取材し、その生の声を届けるジャーナリスト スヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチ。
ウクライナにあり、1986年4月26日に事故を起こし、隣国のベラルーシに深刻な放射能被害を及ぼしたチェルノブイリ原発事故。このチェルノブイリ原発事故の事故処理にあたった人々はソビエトにおいては国家の英雄として扱われたが、その事故の被害の真実は長く隠匿され、ベラルーシにおいてもそれは同じだった。
アレクシエーヴィッチはこのチェルノブイリの事故の処理にあたった人々、その事故処理による被曝で亡くなった人々の遺族、この事故のために住む村を追われた -
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Posted by ブクログ
完全版の前の版を読みました。
チェルノブイリ原発事故の事実は世界中誰でも耳にしたことはあると思う。
社会主義国家による情報統制下でこれまでの35年間、そして今後も何百万人ものベラルーシ国民が悲惨な状況下で、日常生活を送るさまになんとも言えない無力感を感じる。こんな世界が普通に存在するのかと。
政府だけでなく、医師、科学者、教育者誰ひとりとして真実を国民に伝える事が出来ず、ただ、ひとりひとりが目の前で起きたことを語る。それが国民が知る唯一の真実だから。
先の福島第一原発事故を国会事故調査委員会は人災と報告したが、チェルノブイリ原発事故もここまで被害が広域かつ長期的となり、多くの国民を苦しめる状況 -
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Posted by ブクログ
前半はソビエトを懐かしむインタビューが多い。社会主義の頃はとんでもない金持ちはいなく年寄りは自分の年金だけで暮らせてた。。。
「今は何を読んでいるの?」が挨拶だったり、詩人の朗読会にスタジアムがいっぱいになったり、資本主義以前のソ連の様子は「こんな世界もできるんだ」というかんじ。見習う面もあるのでは?亡くなった母が新聞の切り抜きを本棚いっぱいにためて、どの記事もたくさん線が引いてあるとか、レベル高い。でも密告とか情報統制は恐ろしい。
後半は戦争の話ばかりで、しかも自分の家に敵が来て虐殺されたり、強姦されたり、隣の人が家財道具を盗んでいったり、日本にはない恐ろしい記憶の数々が何人もの言葉で語られ -
Posted by ブクログ
さすがにドストエフスキーの国の話らしく、読んでいる間は鬱々として愉しまず、時おり挿まれる笑い話は苦みが過ぎて笑えず、読語の感想は決して愉快とはいえない。しかし、景気悪化がいっこうに留まることなく、それとともに戦前回帰の色が濃くなる一方の、この国に住んでいる身としては読んでおいた方がいい本なのかもしれない。副題は「『赤い国」を生きた人々」。歴史的にも何かと因縁のある国でありながら、戦後アメリカ一辺倒でやってきた日本にとって、ソ連、そして最近のロシアという国は、近くて遠い国といって間違いはないだろう。
筆者は、昨年(2015年)のノーベル文学賞受賞者で旧ソヴィエト連邦ウクライナ共和国生まれ。この