丸山真男のレビュー一覧

  • 日本の思想

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    数十年ぶりに読んだが、優れた内容であってもその時の思想体系に沿ったものは時代の流れとともに著しく陳腐化してカビが生えてくるとあらためて認識。

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    2021年11月02日
  • 日本の思想

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    とても良い本なのだろうとは思うのですが難しい。
    気になった、心に残ったところ。
    Ⅰ日本の思想から(p.7)「断片的な思いつきを過度に尊ぶ「オリジナリティー」崇拝」。この本は1961年に出版されているのですが、現代にも通じるように思った。
    Ⅲ思想のあり方についてから(p.138)総合大学について「いろんな学部が、一つの地域に集中しているにすぎない」「総合的な教養が与えられるわけでも、各学部の共同研究が常時組織化されているわけでもない」「ユニヴァーシティという本来の意味からかけ離れている」という当時の大学批判は、現代ではどうだろうか?国立大学が民営化され、個々の大学が独自色を模索し社会とつながろう

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    2021年04月05日
  • 日本の思想

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    なんとなく難しかったが、全4章中後半2章は一般向けの講義を編集したものだし、そこはまだ理解がしやすかった(とはいえ議題として討議するにはきちんと勉強して全体をつかまないとわからないなという印象)。
    断片的になるほどと思うことはあったが、特に日本には思想や文化が外から入ってきてそれに合わせていったという指摘が面白い。また、人はイメージを頼りにして判断するので当事者とそうじゃない人とではそのものの見方が違い、皆それぞれの立場で自分が被害者だと言い張るため加害者がいないのに被害があるというのも面白かった。

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    2020年11月21日
  • 日本の思想

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    大学の講義でかいつまんで学んだ本。
    今はよく分からなかったら、卒業間際に読みなさいと言われた。またそのときに、改めて感想を書きたい。

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    2020年08月09日
  • 日本の思想

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    日本の思想に歴史的連続性はないということ、それは残念なことだけれども、現状を見つめなおしてそこから出発しましょうという話です。
    新たに思想的座標軸を作ってやろうという話ではなく、むしろそれは無理だと思うと述べています。
    この本には書かれていませんが、思想よりも底辺にあり丸山眞男が「古層」と呼んだ古代以来の日本の考えを詳しく知りたくなりました。


    1.この本を一言で表すと?
    ・日本の思想に歴史的連続性はない

    2.よかった点を3〜5つ
    ・あらゆる哲学・宗教・学問を---相互に原理的に矛盾するものまで---「無限抱擁」してこれを精神的経歴のなかに「平和共存」させる思想的「寛容」の伝統にとって唯一

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    2018年12月30日
  • 日本の思想

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    ネタバレ

    〇要約(~71頁)
     日本の民俗信仰である「神道」は、かねてよりその時代に有力な宗教と習合してその教義内容を埋めてきた。このような「神道の無限抱擁性と思想的雑居性」が相互に矛盾し得る哲学や宗教、学問等を平和共存させる思想的寛容の伝統の下に受け入れたため、新思想は無秩序に埋積され、近代日本の精神的雑居性は甚だしいものとなった。また、思想や価値観というのは、他からの刺激があって初めて自覚的で意識的なものとなるが、我が国ではかつてより他との関連の中で、自己を歴史的に位置づけるような思想に乏しかった(あったとしても断片的なものであった)ため、開国後西洋文化と対決することもなく、むしろ、自国の思想的伝統

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    2018年01月03日
  • 日本の思想

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    メモ
    P12
    過去に「摂取」したものの中の何を「思い出」すかはその人間のパーソナリティ、教養目録、世代によって異なって来る。
    Cf.P11小林秀雄は、歴史はつまるところ思い出だという考えをしばしばのべている。

    P29~
    近代日本の機軸としての「国體」の創出。P40の森有礼との論争を見ても分かるが、伊藤博文は傑物である。

    P35 注釈
    いまや忽ち五ヵ条の御誓文から八百万の神集いの「伝統」まで思い出されて~~
    は、至言である。

    文芸復興期
    1934~37
    文学主義vs科学主義←マルクス主義により始めて導入された。
    また、同時期には1934年に天皇機関説問題、また世界的なファシズムの拡大などが

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    2017年11月11日
  • 日本の思想

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    寝る前のフォトリーディング。前半は論文で、後半は講演をまとめた者だそうだ。評判では「であること、すること」の章が良かった。前半は分かりづらくて不評であった。フォトリーディングではなにも感じ取ることはできなかった。

    高速リーディング。
    ササラ型文化とタコつぼ型文化。ササラは竹のささらで元が一つ。西洋はギリシャローマの歴史が根底。日本は何事も蛸壺化する。タコツボではリーダーは自分が被害者の意識を持ち、劣等意識の中で物事を対処。官僚組織がその例。彼らが自分中心に行動するのは、自分たちが巨大な組織で支配者であることを意識できず、常に被害者で自己防衛的な対処をするゆえ。

    「である」ことと「する」こと

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    2016年09月04日
  • 「文明論之概略」を読む 上

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    ようやく重い腰をあげて開いてみたら、本編の前に、序章の「古典からどう学ぶか」が興味深い。

    日本における古典離れの指摘から、何故古典を読むべきなのか、どういう心がけで読むべきかという話。その過程で取り上げられる現代の日本人の行動心理やパターンが、ほとんど古典を読んでいない自分でも(むしろ読んでいないから?)、なかなか身につまされる。

    無理に肩に力を入れて本と向き合う必要はないと思うけど、たまには、この人の言うことを素直に聞いて、気を引き締めて読んでみようと思う。

    本編については、まだ上巻で折り返してもいないので、また読み終わってから振り返りたい。

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    2012年12月29日