石坂洋次郎のレビュー一覧

  • 乳母車・最後の女 石坂洋次郎傑作短編選

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    もっとも肌に合う青春小説。しっとりと、しかし激しく人の内面を感じられる狡賢い駆け引きではなく「無意識」にも似た直情的な愛が描かれている。

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    2022年06月05日
  • 乳母車・最後の女 石坂洋次郎傑作短編選

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    ここ一年ほど、昔よく読んでいた石坂洋次郎のことが気になり出して、全集はないかと探したりしていたのだけれど、全集は出ておらず、昔よく読んでいた新潮文庫のシリーズも入手が楽ではない状態になっていて、「あ、石坂洋次郎って忘れられた作家になってたんだ」と気づかされた。
    そんな折、三浦雅士氏が編集した短編集と、評論がここへきて続いて出版されていることを知った。

    本短編集の表題作の乳母車」は、かつてーー30数年前ーー読んだ時も「続きが読みたい」と思わされた記憶が薄らとある作品だったけれど、そのほかの作品には馴染みがなかった。当時の僕は、長編好みで、短編には興味があまりなかったのだ。

    今回、久しぶりに石

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    2020年03月28日
  • 陽のあたる坂道

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    昭和31年に掲載された本らしいので、今では考えられないような差別用語や非常識を考慮しなければならないものの、清々しいほどのド直球、青春小説。裕福だが様々な問題を抱えている田代家。そこに家庭教師として、たか子が訪れたことから物語が始まる。まず登場人物の会話がなんかセンスがあるというか、キャッチーでイキイキしているので、性格や個性を際立たせる役目を果たしている。家族、仲間、ぶつかり合いながら、皆が心を通わせていく。ベタだけれどもその様は読後も余韻に浸れるものである。個人的には母のみどりさんがいい味だと思う。

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    2018年10月22日
  • P+D BOOKS 青い山脈

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    若く明るい歌声に♪
    古典的な青春小説「青い山脈」を読んでみた。戦後直後の古い体質に凝り固まった地方都市に、新しい感覚の新子、六助、雪子、沼田、和子、富永の6人、3カップルが新風を吹き込み変化の兆しを作り出す。若者の男尊女卑や職業差別などは、社会がそれを作り出し助長していく。そんな問題に爽やかに石坂洋次郎が一石を投じた良い小説だった。

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    2024年09月01日
  • 陽のあたる坂道

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    かなり前に書かれた本だけど、そんなに古さを感じなかった。
    若者らしいこだわりや、迷い、戸惑いなど、それぞれ人は迷いながら、手探りしながら、進んでいくんだろうと思う。
    どれだけ、自分の迷いとまっすぐ向かいあうか?真摯に向かい合うだけ、人は深くなっていけるのではないだろうか?
    一番わからないのは自分かもしれない。だからこそ、いっそう面白いのかも。

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    2011年12月26日
  • 陽のあたる坂道

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    超レトロな会話がとても新鮮。とても世間が狭くてご都合主義で話が進むが,娯楽小説としては面白い! 当時映画化され,主役を石原裕次郎がしたらしいというのを知っていたからか,どうもその顔が浮かんでしまい…あて書き? それにしても人物が面白い。特にすまして陰でめちゃくちゃな雄一〜

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    2010年09月15日
  • あいつと私

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    恩田さんの本に名前が出てきて、気になったので。
    少し前の大学生たちの青春話。

    主人公のけい子さん、おしとやかなお嬢様にしては結構過激だけれど、お高くとまってない感じが魅力的でした。妹のゆみ子さんは若草物語のジョーですね。

    生々しい描写もあるのだけれど、大体において語り手があっけらかんとしているので湿っぽくなかった

    学生運動やお小遣いが千円、という感覚を、私は経験したことがないけれどなかなか面白い時代だったんだろうなあ

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    2010年02月24日
  • 陽のあたる坂道

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    とにかくこの時代が雰囲気が好き。この頃に行ってしばらく生活してみたい。
    今よりちょっとだけゆるいテンポな気がする。

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    2009年10月07日
  • 陽のあたる坂道

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    この言葉の言い回し。時代を感じる。気恥ずかく苦しささえ覚える。
    今は、感じたり考えたりしている事がらを、真正面から素直に言葉に置き換えるよりも、受け取る相手の気持ちも自分の気持ちもオブラードに包んで、雰囲気込みで感じ取りあう関係が多いように思うから。
    この小説のこの気恥ずかしい感じは、終戦後の自由を味わい始めた若者独特のものなのかな。

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    2015年06月24日