蜷川幸雄のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
とりあえず文字が超デカイ。しかも140ページぐらいしかないので、結構あっという間に読み終わる。
でも、内容はしっかりとしていて、蜷川幸雄さんの生い立ちや、演劇で身を立て始めた頃の苦労とかを知ることができてためになる。
ずーっと昔から大スターだったのかと思ったけれど、本当に大ブレイクしたのは割と壮年に差し掛かってからということにも驚き。さらに、冒頭で渋谷を歩く蜷川さんの話も格好良かった。ああいう街でも、むしろ面白がってそれを楽しむ気持ちは、捨てちゃダメだなあと思った。
そして、千のナイフの話。演劇に限らず、仕事でも勉強でも、もしかしたら千のナイフがこっちを向いているかもしれない。そう考えて日々生きなきゃなと思った。
薄くて文字が大きいけど、読み応えと得るものはたくさん。良書でした。 -
Posted by ブクログ
演出家・蜷川幸雄の晩年のエッセーと談話。
1章は過去に『マグナカルタ』という雑誌に掲載された(おそらく)エッセー。
2, 3章はインタビューや談話。
4章は、木俣冬さんによる蜷川幸雄の人生の振り返り?(ぼくにはちょっと難しく、いまいち内容がわからなかった)。
もっともよかった節は、第1章の「演劇こそが世界をまるごと表現できる」。
そもそも、この本を手に取ったきっかけは、いくつか舞台を見ながら「演劇の本質って身体だよね」と思ったことだった。この本の著者蜷川幸雄も、身体をすごく大事にしているようで、女優宮沢りえのよさも「新しい狂気の身体」との出会いだと表現していたりする。
「絵をやっていた頃のぼくは、自分の生理とタブローが一致せず、どんなにギューッと描きつけても、ただ汚い絵しかできないことに悩んできましたが、演劇だったら、走ったら一発で生理が表現できると思って、演劇に興味を持ちました。」
「演劇は、俳優がいきなり、ウアーッと客席を走り回ったら、それだけで生々しいものが生まれるんです。」
演劇は、俳優の身体を介して〈生〉を表現できる。日本を代表する演出家がそういったことを述べているのを拝見し、少し嬉しくなった次第だ。
あと、蜷川幸雄はやはりいろんな作品を知っていて、話の中にたくさん作品名が出てくるので、それに圧倒されるのもこの本の楽しみ方かもしれない。