【感想・ネタバレ】演劇ほど面白いものはない非日常の世界へのレビュー

あらすじ

各界一流のプロの半生をインタビューで解き明かす人物ドキュメント「100年インタビュー」(NHKBSプレミアムで不定期放送中)の単行本化、第7弾。今回は、演出家の蜷川幸雄氏。アングラから現代劇、海外の古典に至るまで幅広く演劇界を牽引し、鮮烈な演出は世界の観客を魅了し続けている。少年時代から人一倍羞恥心が強く、自意識過剰。それを乗り越えるためにムキになり、ガチガチに緊張してしまう蜷川氏は、芸大受験に失敗し、劇団の研究生に。口が達者で、役を選び、偉そうに先輩に口応えし「貴族俳優」と呼ばれた。それでもなぜか先輩にかわいがられ、下手ながら演技が面白くなってきたが、自分の俳優としての将来に限界を感じ、演出家に転向する。演出をするときは、羞恥心がなくなるという不思議。灰皿を投げ飛ばしながら役者たちの心を動かし、「世界のニナガワ」と呼ばれるまでの軌跡をたどり、蜷川氏の演出の奥義、そのパワーの源に迫る。

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Posted by ブクログ

とりあえず文字が超デカイ。しかも140ページぐらいしかないので、結構あっという間に読み終わる。
でも、内容はしっかりとしていて、蜷川幸雄さんの生い立ちや、演劇で身を立て始めた頃の苦労とかを知ることができてためになる。
ずーっと昔から大スターだったのかと思ったけれど、本当に大ブレイクしたのは割と壮年に差し掛かってからということにも驚き。さらに、冒頭で渋谷を歩く蜷川さんの話も格好良かった。ああいう街でも、むしろ面白がってそれを楽しむ気持ちは、捨てちゃダメだなあと思った。

そして、千のナイフの話。演劇に限らず、仕事でも勉強でも、もしかしたら千のナイフがこっちを向いているかもしれない。そう考えて日々生きなきゃなと思った。
薄くて文字が大きいけど、読み応えと得るものはたくさん。良書でした。

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2019年11月18日

Posted by ブクログ

NHKで放送された『100年インタビュー』の蜷川幸雄の回をまとめたもの。世界のニナガワの子供時代や演劇との出会いは興味深く、演出家として大成するまでの苦悩や孤独が共感を呼ぶ。一番心打たれるのは、演劇へのエネルギッシュな熱い思い。演出されてお芝居を観てみたかった。

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2016年08月22日

Posted by ブクログ

ある日ある時ある場所へ
自分で選んで行き、

生身の人間が演じるものを観に行くことこそ、演劇の魅力。
進化したメディア媒体から送られてくる膨大な量の情報からも得ることのできないもの。

私も回遊魚になろう。
世界中いろんなところを飛び回って常に新鮮な状態いられたら、どんなにか楽しいだろう。

そう、この本を読むまでは娘の蜷川実花の方が近い存在だったけど、蜷川幸雄、77歳、なかなか優しくていい人なんじゃないかしら。
舞台、観に行ってみようかな。

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2012年11月15日

Posted by ブクログ

「最後まで、枯れずに、過剰で、創造する仕事に冒険的に挑む、疾走するジジイであり続けたい」

 蜷川さんに始まった僕の演劇が、また、ここにかえってきた。
 僕はもう少しだけ、先へいけると思う。まだ大丈夫だ。

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2012年09月02日

Posted by ブクログ

最も古い芸術である演劇は、一方で「そこで」現在進行形の実演であるという最も新しいモノである。巨匠となっても常にひたすら前へ前へ進んでいた筆者は、やはりこの演劇の特性を体現させ続けた、と言える。
割と柔軟な方だとわかった。

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2023年06月04日

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