常岡浩介のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
常岡浩介。戦場ジャーナリスト。2001年、グルジアで身柄を拘束
される。2004年、ロシア秘密警察に逮捕されて国外退去。
2度あることは3度あるって訳じゃないのだろうけれど、3度目は
日本国内でも大きなニュースとして扱われた。
2010年4月、アフガニスタンでタリバンの幹部を取材直後に誘拐
された。
その過程を漫画にしたのが本書である。笑っちゃいけなんだが
笑ってしまうのだ。いや、本人はきっと大真面目に人質になって
いたのだろうし、誘拐した方も大真面目に誘拐したのだろう。
でも、まぬけなの。誘拐犯は日本大使館に電話したはずなのに、
繋がったのは毎日新聞の記者だし、最新型の携帯電話の使い -
Posted by ブクログ
「甦る怪物」として豊富な天然資源を背景に未曾有の経済発展の陰で、「闇の戦争」が行われているロシア。本書はフリージャーナリストである筆者が一身を賭して綴った貴重な記録であるいえます。今だからこそ是非。
僕がこの問題に興味を持ったのは映画「コーカサスの虜」を見てからで、これが現在でも続くチェチェン紛争というものを知るきっかけになりました。筆者はフリージャーナリストとして世界各国の紛争地帯を渡り歩き、ここでは1年半ものあいだ行動を共にしたチェチェン独立派ゲリラ部隊への従軍取材や、取材中のイングーシ共和国でのロシア秘密警察(通称「FSB」)による拘束などの経験を通して、われわれが知ることのないロシア -
Posted by ブクログ
【キーワード】ロシア、チェチェン、戦争、ジャーナリスト
新書でこのような従軍記が読めるのはすごいことだと思います。著者が実際にチェチェン独立派にジャーナリストとして従軍してた時の記録ですが、資料や人づてに聞いた話ではなく、銃を向けられ、ロケットに狙われ、死にそうになった経験を持つ著者の言葉にはとても迫力があります。
この本を読むまでは、チェチェンの武装勢力のことは全然知らなかったしとても残忍な人たちだと思ってました。ですが、この本に書いてある人たちはイメージとはまるで違うものでした。むしろ対立勢力であるロシアの方がよっぽど酷いことをしていると感じました。
純粋な信仰心からイスラム教に改宗 -
Posted by ブクログ
ギャルハウスでの常岡さんの扱いがヒドイ(笑)
(ギャルハウスと言うと若い女の子だらけのハーレムを連想させるけど、実際は普通のシェアハウスみたいですね。何故常岡さん以外は女子だけなのか知りたい…)
人質としてどんな生活をしていたのか描かれているけど、この本を読んでも人質になった時に役に立つかと言えばたたないでしょうね…。
捕まったとき、「アメリカ人だったら首を切って殺したよ」と言われたり。でも拷問されたりひどい扱いを受けたようではないけど、これはただ単に本に描けない(描きたくない)だけなのかなぁと思ってしまう。
常岡さんは長期間拘束されたものの無事に解放されている。同じ人質でも解放されるも -
Posted by ブクログ
アフガニスタンへの取材中に武装勢力に拘束されたジャーナリスト・常岡浩介。本書では筆者の長年の友人である女性からの目線と、拘束された常岡氏が、絶望的な状況をユーモアで切り抜けるところが印象的です。
これはあまり一般会話では言うことはないのですが、僕は彼と同じく報道写真家の長倉洋海氏と人生で三回ほど邂逅したことがあり、その際に戦場取材の心得とは?という趣旨の質問をして、対する氏の答えは
「勇気を持って、臆病に、引くところは引く」
といった答えであったことを覚えております。
本書では通称「ギャルハウス」に住む同居人の筆者から見た「つねおかさん」であり、彼がアフガニスタンの取材中に誘拐され、開放す -
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チェチェンの武装組織に同行し、彼らの視点でロシアと被支配民であるチェチェン、イングーシ、その他の民族の悲哀に満ちた現状を書いたもの。グルジアの苦悩も感じられた。
ヘリからミサイルを放たれ、拘束され、しかし、日本人であるが故、尋問されたものの数々の幸運が重なり危害を加えられず生還したこと、その真実の体験をまとめて出版するという危険な行為に著者のジャーナリスト魂、信念を感じる。
北オセチア、ベスランでの学校占拠事件に対するくだりは、世論誘導のためにあえて非合法行為を自作自演している国家があるのではないか、とその罪を告発している。
重い内容だが、その戦禍から離れた日本にいるからこそ、この現実を -
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アフガンでタリバンに誘拐されタリバンの人質になったと言われたジャーナリスト常岡さんの捕虜生活を漫画にしたもの。と、言っても本人の性格なのか漫画にした、にしかわたく・岡本まーこさんの性格なのかはよく分からないが結果的にはノホホン記でギャグ漫画になってしまっている。人質なのに携帯の使い方を教えてあげたりして、あげくのはてに常岡さん自身のツウィッター・アカウントを利用して世界中に無事を伝えたりとどこか現実離れした話しが笑える。それにしても本当は政府軍の一部の犯行のようだが、それでは世界に対して申し訳が立たないのか関係者が「タリバンの犯行」ということにしているという下りは、何ともビンラデウィンを匿って
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Posted by ブクログ
先日アフガニスタンでゲリラに拘束されて話題になった常岡浩介氏によるチェチェンゲリラ従軍記。ゴルバチョフ〜エリツィンと、少しずつ民主化に成功したかに見えたロシアも、プーチンの出現によって再びソ連時代を思わせる統制された独裁政治の様相を呈してきた。
チェチェンに対して行われた容赦ない弾圧と情報統制、ジャーナリストへの脅迫や暗殺も辞さない旧KGBの流れを汲む諜報機関FSBの存在。冷戦時代の悪夢が再び蘇ってきた。
国連安保理事国5カ国のうちの中国とロシアがこの状態なのだと思うと背筋が凍る。
表には流れない真実がたくさんあるのに、日本の大手マスコミは芸能ニュースばかりを追いかけて、今も口をつぐんで -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
プーチンという強力な独裁者により、未曾有の経済発展を遂げたロシア。
だがその影で何が行なわれていたのか……。
世界紛争地帯の取材を続ける著者が、1年半ものあいだ行動を共にしたチェチェン独立派ゲリラ部隊での体験を綴る、渾身のルポ。
野営の日々、地雷原突破、ロシア軍戦闘ヘリからのミサイル攻撃。
加えて、元諜報機関員リトビネンコ暗殺事件に象徴されるロシア秘密警察の活動の実態--著者自身がロシア秘密警察に16日間拘束された--や、欧州へ流出しているチェチェン難民の逃避行に同行した体験を記す。
豊富な天然資源とプーチンという強力な指導者により未曾有の経済発展を遂げたロシア。だがその影で、け -
Posted by ブクログ
最初に、この本は作者が書いているように、文章が上手なわけでもなく、チェチェン側の視点に偏っているなどの欠点はあります。
しかし、ゲリラに従軍し、ロシアのFSB(秘密警察)との相対した著者の体験は迫力充分で、引き込まれるものがあります。
ペレストロイカ以降、ロシアは混乱の時期にあったでしょう。
それを、対外的には資源外交を、体内的には秘密警察を使い、纏め上げている感のある、プーチン。
確かに、著者が言うように、混沌を沈めるために必要な手段だったのかもしれません。
しかし、この本を読む限り、秘密警察の非合法活動を排除するためには、また一大改革が必要とされるでしょう。
国をまとめる手段としての「秘 -
Posted by ブクログ
自分がいくらお金を積まれてもならないだろうなあという職業の一つが戦場ジャーナリスト(カメラマン)なのですが、これはその戦場ジャーナリストの常岡さんが、アフガニスタンで誘拐された顛末を漫画化したもの。
正直、この事件のことは知らなかった。
かなりソフトなタッチで漫画化されているのと、拉致された理由や目的が実際のところ不透明な部分もあり人質になっているという緊迫感はあまり伝わってこない(もちろん、実際にはもっと逼迫した状況で、あえてそれをそこまで生々しく伝えないようにしているのだろうけど)。
ただ、そこで生きる人々が自分とは全く違う尺度(いざとなれば躊躇なく殺すだろうといった話とか)で生活している