ジェレミー・リフキンのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ【未知の未知にも複雑に適応することについての、大作。】
「レジリエンスの時代」は、これまでの「進化の時代」と対比して論じられています。
今、人間の営為を再構築する節目にいる、と。
脱成長やポスト資本主義や、などという論はよく聞きますが、
これまでの延長としての議論の枠組みを優に超え、
スケールが、細部への解像度が機を逸していたように思いました。
・・・
これまでの「進化の時代」が、
効率に焦点を当ててきたこと、
それは、先日読んだ『#アダム・スミスの夕食を作ったのは誰か?』と重なる部分もありました。
しかし本書は経済学だけを語るのではなく、
科学、生態学が深堀され、
人間を物理、自然の -
Posted by ブクログ
モノを1ユニット生み出すのに必要な限界費用が、テクノジーとインターネットの普及で限りなくゼロになり、利益が出なくなっている。これは資本主義の究極の形であるが、その性質ゆえに、自壊していくという矛盾を秘めている。
IoTシステムの要は、コミュニケーションインターネットと輸送インターネットを、緊密に連携した稼働プラットフォームにまとめること。
IoTが、出現しつつある協働型コモンズに命を吹き込んでいる。→シェア文化に始まる「協働主義」が生まれ、新たな経済パラダイムを築きつつある。GDPによる景気動向の評価という、社会の考え方が根本から変わりつつあり、その代替品として「生活の質」という新指標を考 -
-
Posted by ブクログ
経済学者による資本主義的な「進歩の時代」から民主主義的な「レジリエンスの時代」への転換の必然性が書かれた本。
前半は科学的な記載が多く、生物学的・化学的・物理的な原理や過去の発明に基づきながら、現代社会の変化やそれに伴う警鐘を鳴らしている。
あくまでも個人の感想だが、あまりこの辺りは頭に入って来ず、経済社会を科学的に捉えるという新鮮さや合理性は強く感じたが、それを自分の論として取り入れるほど解釈することができなかった。
後半は、そういった時代背景も含めて、どのような社会がレジリエンスが高い社会なのかを具体的に述べている。
・クリーンエネルギーやIoTなどの発展、またそれに伴う監視と分散が実 -
Posted by ブクログ
IoTを中心としたインターネットの発展によって、財やサービスを1ユニット当たり生み出す費用がゼロになる。物質を追求する資本主義社会から、他者との親交を追求する協働型コモンズの社会が到来するという、2015年当時では先進的な主張が展開される。
限界費用ゼロになるというのは、ケインズが「100年後に人間は労働から開放される」と主張したものの、人間の飽くなき物質的追求欲を見誤ったように極端だとは思うが、先進国のGDP的成長率が低減していく中で、「本当の幸せとは何か」を考える風潮や世代は増えている。テクノロジーの飛躍的進化を享受した後、人類は何のために何を目指すべきかを考えさせられる良著。事例は冗長に -
-
Posted by ブクログ
所有しない経済。クラウドから好きなコンテンツを楽しみ、3Dプリンタによるインフラに居住し、シェアリングされた車で移動。ユニバーサルアクセス可能な電力やネットワークを使い、バーチャル空間で人間関係を満足させ、性欲を満たす。
資本主義の跡継ぎとして共同型コモンズで展開されるシェアリングエコノミーがある。そうする事で過剰な生産が抑えられ、地球にも優しい。人間の労働にもゆとりが生まれ、貧富の差も縮小する。
理想は分かるが、これだとグローバル公共経済を実現した共産主義にならねばならず、プラットフォーマや、そのシェアリングインフラを保守、提供する側のモチベーションはどのように保たれるのか。脱成長論は究 -
Posted by ブクログ
これから生きていく上で大事なことだと思う。限界費用ゼロというサブタイトルだか、期待した内容が書いてなかった。方法やどういう生活になるという具体性がやや薄い。ブログやyoutubeのコンテンツの生産が世の中を豊かにするがGDPは上がらないという考え方は面白いが、限界費用ゼロとはちょっと違うと思った。
ジェレミーさんはアメリカ人と思うけど、人類には地球や生命を管理し続ける責任があるという考え方は日本人の私には共感できなかった。
いずれにしても、知らないことや違う考え方を知れてよかった。
ジェレミーさんの言ってる第三次産業革命について知りたい -
Posted by ブクログ
長かったが、勉強になった。
限界費用とは物やサービスを作る費用がゼロになること。
これによって、資本主義からのパラダイムシフトが発生するかもしれない。
経済は熱力学的の第一第二法則に支配されていることにエコノミストは気づいていない。
■第一部
1400年代ヨーロッパを中心に水車、風車の登場で、封建社会の経済パラダイムシフトが発生。
それと同時期に印刷機が発明され、コミュニケーション革命が起こった。
今日の資本主義は18世紀後期の蒸気の動力が導入されてから。
蒸気という強力な動力を得た資本家は、株式会社を組織(鉄道など)し、限界費用を押し下げていった。
垂直統合型の企業の誕生。
-
Posted by ブクログ
ネタバレネット等の台頭により、単位増加に伴う限界費用がゼロに近づき、あらゆるものの価値観が変わろうとしていることを幅広く深く紹介した本。3年前ではありながら名著。
<メモ>
・スマートシティ文脈のIoT。構造的健全性を評価し、修理を判断。自動車や歩行者の最適化を図る。駐車スペースを知らせる。交通情報。保険料率の適正設定。照明の最適調整。ごみ収集ルート最適化。
・IoTは地球の生態系管理の向上のため。急速に自然環境に適用されつつある。
・セキュリテイシステムの高度化。
・第三次産業革命では、IoTにより、生物圏の複雑な構成の中へ人類が自らを再統合し、地球上の生態系を危うくすることなく、劇的に生産性をあ