小林泰三(学者)のレビュー一覧

  • はじめから国宝、なんてないのだ。~感性をひらいて日本美術を鑑賞する~

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    漫画もありで、わこりやすい。

    国宝やら重文やら、昔は古ボケていて?「侘び寂び?」といいように勘違いしていたけれど。

    完成当時は、すごくあざやかな色形をしてきたんですよね。
    今の復元技術で、当時と同じ風景をみられるのは素晴らしいです!

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    2025年11月26日
  • はじめから国宝、なんてないのだ。~感性をひらいて日本美術を鑑賞する~

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    まさに、タイトルの通り。
    様々な国宝も、最初は実用されるために作成されたものだ。
    屏風の風神雷神図も、実際に使用されていた環境で眺めると、灯を受けて風神雷神の目が怪しく輝き、
    絵巻物は右から左に巻き取りながら眺めることで、まるで映画のように鑑賞できる。
    精巧なレプリカを作成して、国宝を実際に手に取って眺めることで、展示品として飾られる古臭いモノから我々の祖先が何をどう感じていたのかを追体験できるようになる。
    この実際に触れる国宝は美術に対するとてもよい刺激になりそう。

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    2024年10月15日
  • 誤解だらけの日本美術~デジタル復元が解き明かす「わびさび」~

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    俵屋宗達の風神雷神像は平面で見るものではなく、立てかけて見ることを想定して描かれているとか、キトラ古墳の壁画は宇宙との接続を描くものだったとか、慈照寺銀閣は月を鑑賞するために配置されデザインされているとか、銀閣は黒漆で塗られていたとか、興福寺阿修羅像は真っ赤に塗られていて別に切ない顔はしていないとか。美術品の当初の姿をデジタル画像で再生し、昔の日本人が大切にしていたはずの時間や空間の感じ方にまったく配慮していない現代の展示の仕方にモノ申す。

    わくわくしながら読み進めた本。時間を鑑賞することの意味を思わせられた。

    現物の展示と、当時の姿の復元展示を、両方行うことが面白い効果をもたらすのではな

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    2018年11月23日
  • はじめから国宝、なんてないのだ。~感性をひらいて日本美術を鑑賞する~

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    デジタル復元師の著書。
    デジタル復元とは、色褪せた日本美術をパソコンの中にデジタルデータとして取り込み、デジタル画像処理をして彩色を施すとのこと。例として、あの有名な興福寺の阿修羅像が真っ赤っかに復元されていた!なんてポップでかわいいんだろう。

    日本人は日本美術よりも西洋美術に詳しい人が多いらしいが、それはそうだろう。日本美術の多くは、ぱっと見、古くてボロボロで、「わびさび」とか「国宝」というお墨付きがあるから、渋いし「いいね」って思うのだ、という著者の意見に納得。でも、この復元された阿修羅像を見たら新たな層のファンが増えるのではないだろうか。日本美術だからと言って渋くて古くてわびさびだけな

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    2025年07月18日
  • はじめから国宝、なんてないのだ。~感性をひらいて日本美術を鑑賞する~

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    国宝となっている日本美術を鑑賞するよりも、その時代の文化、風習、生活等を感じることを薦めるいうところか。タイトルだけで手に取ったので想像していた内容とはかなり違ってはいたが、日本美術をデジタル復元して行く技術者、復元師という仕事からの解説として楽しめた。軽くテレビ番組を見るような語り口での書き方だが、内容はかなり専門的、学樹的でもある。たまたま日本画家の美術館に行ったばかりだったからか、さらに楽しい世界が広がって行くようにも感じた。また日本画を見に行こうと思う。

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    2024年11月19日
  • はじめから国宝、なんてないのだ。~感性をひらいて日本美術を鑑賞する~

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    「自分の頭の中の『この国宝見たリスト』にチェックを入れる快感、たまりません」

    著者が国宝を「スター」と呼んでいたのも無理はない。
    自分も人越しに国宝を拝見しただけで、そのまま満足して帰りがちだ。「スター」とお近づきになるなんて畏れ多い。一目見られただけで充分。退色やほころびすら風情があってむしろ美しい!(劣化しても見応えがあるのは、作者の腕がよほど優れているという証でもある)
    そう、「国宝」の箔がつくだけで大抵の日本人は異常なほどにありがたがり、持ち上げまくるのだ。

    人やガラス越しに見るのではなく、「もっと近距離で『国宝』と呼ばれる作品に親しんで欲しい」という願いが本書には込められている。

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    2024年03月19日
  • はじめから国宝、なんてないのだ。~感性をひらいて日本美術を鑑賞する~

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    ネタバレ

    <目次>
    第1章  国宝をべたべたさわろう
    第2章  これはもうアニメでしょ
    第3章  秀吉時代の”おたがいさま”事情
    第4章  やっぱり怖い?超有名なお墓のお話

    <内容>
    国宝など美術品のデジタル復元などを手がける”デジタル復元師”を名乗る小林さん。すでに2冊の著書を読んでいるが、視点が面白い。今回は、「風神雷神図屏風」(俵屋宗達や尾形光琳、酒井抱一)・「平治物語絵巻」「年中行事絵巻」・「花下遊楽図屏風」(とそこからの”淀君の打掛”)・「高松塚古墳」の4本立て。触ったり、動かしたり、色づけしたり、入ってみたり…。そこから「国宝」とありがたがる前に、作者や依頼者の視点や鑑賞の気持ちを読み取っ

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    2024年01月31日
  • 誤解だらけの日本美術~デジタル復元が解き明かす「わびさび」~

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    日本美術について全く知識がなかったが、読みやすかった。

    日本美術をアナログで再現しようとする著者が、再現する過程で絞殺したことや学んだことを時系列に沿って記述している。写真が多く載っており、参照しながら読むのが楽しかった。

    あくまでも時系列に沿って記述しているため、どの記述が著者の考察で、どの記述が日本美術の中での共通の認識なのかが分かりにくかった。考察と事実とがもう少し鮮明に区別されていたほうがよいと思った。

    作品の味わい方が読むにつれて広がっていくのが面白い。作品を再現する上での目の付け所や情報の集め方を見習おうと思った。

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    2017年02月02日
  • 誤解だらけの日本美術~デジタル復元が解き明かす「わびさび」~

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    わびさびの典型と思われていた日本美術を最新の技術をもとに元の形、色彩に再現してみると…

    そこには思いがけない躍動感と豊かな色彩が。

    触れられているのは、

    俵屋宗達 風神雷神図 …屏風を離し、横からの光(夕陽)を当て、正面に座ると…

    キトラ古墳壁画 …細かい描線。今にも動き出しそうな躍動感。隣接する高松塚と対比することでさらにその特色が浮き彫りに。

    銀閣寺 …月を愛でるために造られた造形。一見派手着色がされた部分もありますが月光がどのように当たったかを再現すると…

    興福寺 阿修羅像…憂いを帯びた少年のような顔に見えるが再現したものは、緑と赤の軽装に身を包んだ髭を生やした若者の姿。著者

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    2015年12月13日
  • はじめから国宝、なんてないのだ。~感性をひらいて日本美術を鑑賞する~

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    はじめから国宝、なんてないのだ
    国宝 風神雷神図屏風
    昔のテレビCMなどでも使われて慣れ親しんだ国宝。
    深く考えたとこもなかったが、「国宝」自体は、文化財保護法で指定された法的根拠のあるものらしい。
    現代において国宝指定されたものも、、当然製作当時は(法自体なかったのだから当たり前だけど)国宝ではなく、所有者は日常的に触れたり実用していた。
    言われてみれば当たり前だけど、何だかピンとこないな。
    デジタル復元士である著者は、それらの国宝をデジタル技術を駆使して復元し、当時の色彩を再現したうえで、文字通り「ベタベタ触って」体験してもらうワークショップなども開いているそう。
    当時の薄暗い家屋内で蝋燭

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    2025年11月29日
  • 誤解だらけの日本美術~デジタル復元が解き明かす「わびさび」~

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    色彩を失った美術をデジタル処理によって復元できたら。
    まさにテクノロジーの進化によって成せる技!これまでの常識を覆すような学説も!?地味だと思っていた姿が実は金銀キラキラだったらイメージも一新!?笑

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    2018年04月04日
  • 誤解だらけの日本美術~デジタル復元が解き明かす「わびさび」~

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    銀閣寺は月を愛でるには最高の環境。背後の山さえもベストシチュエーションにあり、月を味わい尽くすための名所となっている。飛鳥時代から、ずっと日本人は月を愛してきた。そして、月に対する愛情が深まるに従って、それを意味する銀への愛着も募らせた。それ故に日本人は、銀を黒く酸化することをも恐れず大胆に使い続けてきた。光のある夜を表現するのにクールに輝く白や銀を使うのが日本の流儀。銀閣の呼び名はそれを言い表している。銀は金と対になる言葉というよりも、月に呼応する言葉。月光に照らされ、西側にひっそり立つのが銀閣。月明かりが目の前の池を照らし、それに反射して煌いている。月の光から生まれた天然の銀。日本人の光と

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    2015年12月18日
  • 誤解だらけの日本美術~デジタル復元が解き明かす「わびさび」~

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    〈目次〉
    第一章 俵屋宗達 風神雷神図屏風
    第二章 キトラ古墳壁画
    第三章 銀閣寺
    第四章 阿修羅像

    〈内容〉
    文化財の美術品の復元に携わる大日本印刷の技術者の第二弾。いわゆる専門家ではないぶん、斬新な解釈が続くが、当を得ていると思う。阿修羅像の手のポーズが(特に合掌している部分)、そうではない(おそらく右手で何かを持っていた)とした部分が驚きだった❗

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    2015年09月26日