マイケル・ピルズベリーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ米国の対中国外交の中枢に長くいた重鎮が、中国語の原典資料を直接読む、中国要人と会話する等で得た情報に基づいて考察した結果至った、中国の行動原理なので、説得力がある。我々がニュース等で知る事実のバックグランドにこの原理を仮定するとよく当てはまる。我々日本人の感覚でも中国人の上層部が考えそうなことのように思える。
それにしても、このまま中国を放置しておくと20年もしないうちに、その経済力は米国の倍以上になって、全世界は自由を許さない「悪の思考」の中国が牛耳るダークサイドになってしまうのかと思うと、なんともやりきれない。
でも、バブル以降の日本以上に「(特に中国は盗んだ情報で)ものまねはできても新しいことができない」人々で成り立っているので、一時トップになれたとしてもそれ以上、経済力を継続することはできないのではないかと思う。
むしろAIの活用程度のほうが各国の経済力の勝敗を分けるのではないかと。 -
Posted by ブクログ
中国への間違っていた前提
1、完全な協力が得られる
2、中国は民主化への道を歩んでいる
3、中国経済は崩壊する
4、中国はアメリカのように成りたがっている
5、中国は世界の覇権を狙っていない(実際は、中国共産党の100周年である2049年までに、世界最強国家の座を握ろうとしている。)
中国ならではの戦略思考→戦国時代の思想・策略を、そのまま現代の指導者が踏襲している
その策略とは
①敵の自己満足を引き出し、警戒態勢を取らせない
②敵の助言者をうまく利用する
③とにかく待つ。数十年以上待つ。
④戦略目的のために敵の考えや技術を盗む
⑤長期の競争においては、軍事力は決定的要因ではない
⑥覇権国は極端で無謀な行動を取る
⑦勢を見失わない
⑧自国とライバルの相対的な力を測る尺度を確立し、利用する
⑨常に警戒し、他国に包囲されないようにする
中国の歴史を要約すると、「外では温厚に(儒教的)、内では容赦なく(戦国的)」
中国の策略家は「勢」という概念を理解し、活用している。これは状況を読み・形成し相手を囲い込むための創造性だ。
中国は、対ソ連のためにアメリカと協力すると見せかけ、アメリカの力とテクノロジーを利用し、自国を増強していた。レーガンが中国を戦略上の対等なパートナーとして扱った。
鄧小平は天安門事件を、中国のアメリカ化による結果だと信じた。中国の安定を揺るがすものだった。国のイデオロギーと教育カリキュラムからマルクス主義を外し、強大なナショナリズムを掲げようとしていた。
中国大使館誤爆事件を受け、対反米感情が露出し始めた。
アメリカは、天安門事件は中国の一時的な事件に過ぎず、いずれ民主化が進むと考えた。この期に及んでも鄧小平はハト派だと思っており、噴出する対米感情は年寄りの過激なタカ派の仕業と信じていた。いずれ死に絶えて中国はハト派になるだろうと思っていた。
ここから中国の誤った歴史教育が始まる。具体的には、世界大戦から現代に至るまで、アメリカは中国を侵略するため悪辣な対中政策を繰り返し、中国がそれを退けているというもの。多くの中国人が、このプロパガンダを真実だと信じている。
100年マラソンの勝敗は、中国のイメージを形作るプロパガンダが、外国のメディアを利用して上手く行くかどうかにかかっている。
中国の指導者は、外国の中国に対する見方を操るため、国内に流れるメッセージを管理している。そして、外国に流れる情報を内からコントロールしている。
孔子学院という中国語と中国文化を教える学校を外国に建て、プロパガンダのPR活動をしている。
中国上層部は、アメリカが中国を封鎖し分断しようとしている、と「本気で」思っている。そのために軍備増強をしている。
殺手カンというものは、自国より強い国の急所をついて勝つための非対称兵器である。それが破壊する兵器よりはるかに安価で、敵の軍事行動開始を遅らせ混乱させる意図を持つもの。EMP兵器のような、電子機器の無力化を狙ったもの。米軍は軍の兵器のほとんどを人工衛星に頼っているため、これを無力化するのに役立つ。
敵の情報システムや最新システム、兵站システムを無力化するための設備を、中国は持っている。
人民解放軍のある部隊が、企業や国際組織や外国政府を含む141以上のネットワークに侵入している。
【経済発展】
中国の成長を促進しているのは、中国のGDPの40パーを占める国有企業に、国から政策的に与えている助成金である。中国は国有企業の数が多く、民主主義とは程遠い状態にある。中国の指導者たちは、中国の経済と安全保障に必要な主要産業を正しい方向に向かわせるためには、政府の支配が必要であると考えている。
【中国が覇権を取った2050年の世界では】
・ネットの検閲が進み、他国の国民が見るものにも検閲が及ぶ
・アフリカの途上国への支援を通じて、現地に独裁政権を強化していく
・アメリカの敵と同盟を結ぶ
・水質汚染と大気汚染が深刻化する
・外国企業の自国からの締め出しと、IP窃盗
・国連とWTOの弱体化、中国主導の新たな貿易圏の拡大
・大量破壊兵器の輸出
今後は、戦争や領土侵略ではなく、経済・貿易・通貨・資源・地政学的協力をめぐる攻防が起こる。
中国を止めるためには、中国国内の民主的で文明化された社会集団を支援し、中国流プロパガンダを切り崩していくことが効果的。また、同盟諸国やパートナー諸国と連携を結び、法に違反する行為をした際には、世界から孤立することを「分からせる」のがよい。 -
Posted by ブクログ
中国が1949年から100年かけて世界の勢力のトップになる計画がある事、著者の元アメリカの対中国の防衛政策担当が親中派だったせいか読みが甘かった事など過去の中国に対する政策失敗例など盛り沢山。孫子の兵法の教えは今も生き続ける。ここからは自分の考えだが、中国の総人口を考えてみても、民主主義に変えてしまうのは、自己中な気質からして国をまとめる立場の人間からすると上手くいかないのを知っている気がする。だから永遠に中国共産党のまま、民衆を政府の監視を置いておき政府は尖閣諸島や日本の西側を好き勝手にやり続ける。これは日本やアメリカの国力を見越しての行動とは思う。習近平の言動は奥に秘めた本質を見抜かないといけない。
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Posted by ブクログ
・勝利を手にするまで、数十年あるいはそれ以上、忍耐する。
・「鼎の軽重を問うな」十分な力を備え、敵に対峙できるようになるまでは、自分が敵であることを悟られてはならない。
・挑戦者によって最悪の間違いは、好機が訪れる前に、覇権を握る強国と対立すること。皇帝が力を失い、同盟国に見捨てられた段階になって初めて、挑戦者はその真の目的をむき出しにする。
・皇帝を操って、そうと気づかれないように自らの成長を後押しさせる。
・皇帝を促して、挑戦者の野心を疑う皇帝の側近を処罰させ、利用できそうな側近を重用させた。
・趙紫陽や胡耀邦が真の改革者であることをしらずに、鄧小平や江沢民が真の改革者と思っていた。アメリカにとって取返しのつかない過ちだった。
・中国の国家戦略は中国人の歴史的知恵の産物。孫子の兵法や戦国策から導かれる「勢」という思想に基づく。
・この論理を活用して、米国を操作し共産党革命100周年にあたる2049年までに世界の経済・軍事・政治のリーダの地位を米国から奪うことを狙っている。
・胡錦濤は、台湾を征服するより「買収」するほうが楽で金がかからない。