野々宮ちさのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
異国情緒たっぷりの神戸の街を、我らが庄野隼人くんと小須賀先生が、足で、車で駆け巡る。二転三転する事件の様相。解いた謎の後ろにまた現れる謎。特に後半は息もつかせぬ展開で、一気読み間違いなし。
物語もさることながら、このシリーズは登場人物もひとりひとり愛おしいです。
中村翁の愛孫・薫子嬢の明るくて可愛らしいきらきらとした輝きや、斎藤の存在の清涼さはほっとひと息つく癒し。藤井大尉のどこまで裏があるのかわからないしたたかさ、そして小須賀との火花の散らしように胸が躍ります。
そして今回のゲスト、露西亜を追われたヴァイオリニスト・クラーギン氏とマカロフ氏に、マダム・ワン!マダム・ワンには、またぜひ今後も登 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「事件の謎が鮮やかに解かれた後、このピュアな探偵と助手はあなたの心にずっと留まるだろう」という有栖川有栖先生の帯の通り。
当初はささやかだったのに読み進むにつれ深まる、「子爵家の使用人の失踪」という謎。
その謎の調査に全身全霊を注ぎこむ、「直情径行型」「熱中気質」の書生である「僕」に引きずられてぐいぐい読み進めるうちに、私たち読み手も彼と一緒に一喜一憂し、そして一緒に辿り着いた調査の終焉に途方に暮れる――
混迷し、破綻したこの事態を収束に導いてくれるのはただ一人。伯爵令息であり作家である、「探偵」(という看板は上げていないけれど)のみ。
そして、「探偵」は語られない人の心を鮮やかに読み解く。 -
購入済み
なんとなく長編小説を探していて購入
時代が華族や書生という言葉から明治とかそのあたり?
華族様に振り回されながらもお手伝い(お世話)して事件解決していく話。
平民とずれてる感覚の違いからちょっとコミカルな感じもして読みやすかった。
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Posted by ブクログ
シリーズ最終回(?)となるのか否か。
最後まで毒舌でありつつも助ける小須賀、振り回される庄野…でも、やっぱり相思相愛だろ!なんて思わせる結末。
冷静沈着で一本筋の通った小須賀好きだった。まだまだ純真無垢で大人の世界で揉まれながらも必死に何かをなそうとする庄野微笑ましかった。ただ、やきもきさせられたけど。
もっといろんなことを経て行く2人を見ていたいから、いつか続編が出ると良いなぁと思う。
内容はミステリーと言えばミステリーだが、少女系ライトノベルとして読むなら、もっとファンタジーっぽい方が好み。
一般小説の括りの方でも良かったんじゃないかな(個人的な意見として)。 -
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Posted by ブクログ
ミステリーもの、探偵もの、愛憎もの。
どの言葉も当てはまるようで当てはまらない、ライトノベルに括るには勿体無い内容だった。
始めは、マイペースなお坊っちゃまに振り回される学生とのコンビ…なんて軽く見ていたけど(笑)、何処か『朱雀十五シリーズ』を彷彿とさせる感覚を味わった感じ。
舞台が京都であるが故、会話に京言葉を使っている為、馴染みのない自分にとっては些か読みづらさはあった。
勿論、全くの別物ではあるが、眉目秀麗で時にあっけらかんとしているかと思えば、ひと度事件が起これば重要キーワードを繋ぎ合わせて解決。
最終的な着地点はやはり探偵ものになるのか。
次回作も決定しているし、来月が楽しみで