越智道雄のレビュー一覧
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ネタバレ[ 内容 ]
十九世紀後半以降、アメリカへ流入するさまざまな民族や宗教から自らを差別化していった「最古のアメリカ人」たちは、自らの誇りをどう保ってきたのか。
文化多元主義が主流となりゆくなか、ワスプはユダヤ系やカトリック、有色人種らに権益を分かつ一方で、ワスプ右派からの圧力にも対処しなければならなかった。
本書は、四面楚歌の状況のなかでのワスプの生活と心理を探り、彼らの行動の哲学は何なのかを分析する試みである。
[ 目次 ]
第1章 ワスプとは何者か?
第2章 ワスプ最後の降盛期1920年代
第3章 女王である母が君臨するワスプ家庭
第4章 後継者養成のカリキュラム
第5章 ワスプ男性の支配 -
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米国の支配者階級、上流階級であるWhite, Anglo Saxon, Protestant (WASP)の勃興と衰退、変遷の物語。
19世紀に支配者としての地位を固め、Private SchoolからHarvard, Yale, Princetonに入り、Wall街でキャリアを積んだ後Washington DCで国を動かす仕組みを構築した。しかし、大恐慌を通じて新興の他の白人系マイノリティを抱き込まざるを得ぬ事態となり、さらにIrish CatholicのJFKが大統領となることも認めざるを得なくなる。
支配者としての誇りと高潔さ、それを次世代に伝承していくシステム、特に母の果たす役割など、 -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
史上初の黒人米国大統領に就任したバラク・オバマ。
疲弊する大国は、なぜいま、彼を選んだのか?
覇権国家の衰退を歴史軸で考察する研究者(越智)と、合衆国を駆け巡るフィールドワーカー(町山)が、岐路に立つアメリカの過去・現在・未来を縦横無尽に語り合う。
サブプライムローンの“現場” やハリウッド空洞化の実情など、アメリカが陥った病の症例を容赦なく暴き出し、多様な人種がオバマを「支持」した理由を明らかにする。
[ 目次 ]
第1章 オバマがチェンジ(変革)するもの―レーガン連合の二八年
第2章 失われた八年―ブッシュとは何だったのか
第3章 アメリカン・ドリームという博打―サブプライ -
Posted by ブクログ
移民や宗教、党派に政策、そこにある金融危機。過去から現代の流れと声と転換期を通して、現状把握を考える。
米在住としての土地毎の差や階層への実感、研究家としての客観視、両者がリズミカルに絡む、呼吸の合った対談形式。
映画からの考察が多いのも面白かった。代表的産業だったハリウッドも思ったより小規模かつリスキー、更にどんどん下請け化。
自由と平等の綱引き。軍事・経済・文化の覇権。保守とリベラルの体裁と矛盾。大統領その他の人々の、私的成り立ちを背負った公的主張。
そうして辿りついた、時代に適合し自ずからも捉えた「過去の無い黒人」、残されたドリームであるオバマの行く末やいかに。
この本が論ずるのはあくま -
Posted by ブクログ
人の国のハナシなんでどーこー言う立場にはないんだけど、
アメリカの政党の置かれてる立場ってホント、わかりにくい。
(前提)アメリカには自由主義しか思想がない。
自由競争、平等主義。
映画『「遥かなる大地へ』の
「オクラホマ・ランドラッシュ」のイメージ。
(共和党)ブッシュのいたとこ。保守。古典的自由主義
(=英訳するとリベラリズム)。
(民主党)オバマのいるとこ。リベラル。
(=超役?すると平等主義に近い)
南北戦争の時の主義主張が逆転してたり、
カウボーイほどエリート優遇のブッシュ支持だったり、
信じてない宗教を信じてるフリする指導者がいたり