ケヴィン・ウィルソンのレビュー一覧

  • リリアンと燃える双子の終わらない夏

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    原題 (NOTHING TO SEE HERE) とは全然違う邦題、しかもタイトル自体がネタバレ。何かあると発火して燃え上がる病気があるのかと真剣に検索しそうになるくらい自然に本を読むことができた。
    燃える双子に愛情を持てない(できれば遠くに追いやりたい)父親ジャスパー、できるだけ事をうまく納めたい継母マディソン。双子の世話をするうちに双子を引き取りたくなっていくリリアン。物語に簡単に引き込まれていき、あっという間に読み終わった。リリアンとマディソンの関係が面白い。

    0
    2024年10月23日
  • リリアンと燃える双子の終わらない夏

    Posted by ブクログ

    おもしろかった。
    発火する特異体質の双子・ベッシーとローランドと、そのお世話をすることになったリリアンが繰り広げる物語。

    最初、敵意を剥き出しにして反発していた双子。リリアンとの関係性が変わり、次第に信頼感が生まれていく様子がいい。

    双子の父は身勝手で不快でしたが、だからこそリリアンのちょっとした毒舌が光ってました。
    子どもたちは反抗的な態度も含め、だんだん可愛く思えてきた。何度も同じ質問をするシーンはちょっと切なかったなぁ…。

    お世話係は仕事だけど、子どもたちと一緒に過ごす時間は心地いいものへ、そしてベッシーとローランドは守ってあげたい大切な存在へと変わっていくーー。

    終盤、一体どん

    0
    2024年09月13日
  • 地球の中心までトンネルを掘る

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    なんとも奇妙な短編集を味わった!
    主人公が「代理祖母」だったり「スクラブルのQのパーツ集め」だったり「おもちゃの音入れ屋」だったり謎で奇妙でファンタジーな職業についていたりするのに、細部がリアルに書かれているので本当にそんな職業ありそうって思ってしまう。
    主人公はみんなどこか陰の雰囲気を纏った人々で、言ってしまえば変わり者。でもみんな愛を抱えながら複雑に生きてる人々なので、奇妙なのに温かい。
    「今は亡き姉ハンドブック」は淡々と「姉あるある」を単語ごと解説していっているのにえらく切ない。シスコンには全然萌えないけど、なんでだろう、この短編が一番頭から離れない。
    走り去っていく姉の背中という存在し

    0
    2023年10月09日
  • リリアンと燃える双子の終わらない夏

    Posted by ブクログ

    登場人物がみな非常に魅力的。もちろん自然発火する子供達やスーパーリッチな世界の話もおもしろい。
    とにかくみんな自分勝手で友達や家族にはいらないタイプなんだけど、どこか愛嬌があって、最後には全員好きになってしまう。人生はままならないクソみたいなもんだけど、それでも前向いて歩いていこっか、って気分になる。

    0
    2023年08月26日
  • リリアンと燃える双子の終わらない夏

    Posted by ブクログ

    双子が燃える!フツーではない設定だけど、軽妙な語り口で、読み始めから引き込まれてしまった。ドタバタ劇の連続で面白い。

    0
    2023年06月18日
  • リリアンと燃える双子の終わらない夏

    Posted by ブクログ

    映画にならないかな、なったら必ず観に行こう!
    それぞれの立場と個性が際立つ。リリアンを応援しながら読んだ。

    0
    2023年05月02日
  • リリアンと燃える双子の終わらない夏

    Posted by ブクログ

    正確な分類はよく知らないけど、私の中ではこれは青春小説。しかも極上のやつである。

    ストーリーはシンプルだが、この小説の魅力はとにかく登場人物すべてが愛おしいというところに尽きる。主人公のリリアンはこれまで思うような人生を歩むことができずにぐずついていた、一方で親友のマディソンは大金持ちで上院議員夫人。そのマディソンからひと夏の家庭教師を頼まれた双子のベッシーとローランド、だがこの双子は興奮すると”燃える”というとんでもない子供たちだった。悪戦苦闘するリリアンだったが、そこには徐々に強い絆が生まれていった。

    作者であるケヴィン・ウィルソンの技巧が随所に光る。脇を固める登場人物もみな魅力的、お

    0
    2023年01月09日
  • リリアンと燃える双子の終わらない夏

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    面白かった。

    リリアンの自虐的なところと観察眼が良かった。わざわざ口に出さなくても、心で思う気まずさが良い。

    マディンソンとの関係も良かった。マディンソン大統領になって欲しいな。
    ジャスパーはクズくて良かった。本人はクズだと自覚してないクズ。ジェイン・オースティンの小説に出てきそうなクズ。

    双子達は聡明で良かった。愚かではない。
    その気になれば、火をつけまわって、社会を混乱に陥れられる能力だし、良い能力でもあるけど、コントロールがな、難しいよな。
    発火能力。障害であり、個性であり、問題であり、自然なものだなと感じた。

    海外翻訳本は、読みにくいものにあたってて、億劫だったけど、これは批判

    0
    2022年12月10日
  • リリアンと燃える双子の終わらない夏

    Posted by ブクログ

    翻訳特有の言い回しや、横文字の名前が苦手な私だけど、これは読みやすかったし、面白かった。
    双子と会うまでは少しだらけたけど、そこからは一気にスピードアップ。リリアンと双子はもちろん、他のキャラクターもみんなクセつよで、読んでて印象に残る。ハッピーエンド(=波乱の幕開け)で良かった。ムームー着てみたい。

    0
    2022年09月09日
  • リリアンと燃える双子の終わらない夏

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    めっちゃ可愛いな!どいつもこいつも。

    発火する双子ってだけですでに面白いのに、双子以外も実に魅力溢れる登場人物たちで楽しかった。
    リリアンから見た人物評もユーモア溢れる表現で面白い。カールやジャスパーですら多面的に描かれると可愛い。なんかこう、とても素敵な物語を読んだなという感覚。
    発火するけど、まぁなんとかなるんじゃない?と思わせるリリアンの語り口が頼もしくて、でも甘くみてて、そのユルさというか、総じて可愛いよみんな。色々ままならないけど、まぁなるようになるよね。

    0
    2022年08月05日
  • リリアンと燃える双子の終わらない夏

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    『人体自然発火現象の対処法を知りたい人へ…いないか』

    なにこの面白さ!!!世界中の不幸をすべて背負い込んだようなリリアン。ひょんなことから燃える双子のお世話をすることに… とにかく、読んでいてリリアンが可哀想でしかないけど、文句をブツブツ言いながらも双子のために頑張る姿に、ついつい応援に力が入る!いや〜、面白かった!

    0
    2022年08月05日
  • リリアンと燃える双子の終わらない夏

    Posted by ブクログ

    とってもおもしろかった!!
    今年の個人的ベスト5に入るし棺桶本としても追加したい一冊。

    大好きな作家さんがおもしろいと仰っていたので息をするようにポチッとしたのだけど、本当に読めてよかったと思えるいとおしい物語。

    人間嫌いのリリアンが10歳の双子と過ごす一夏の物語と言ってしまえば、どこにでもあるような物語に聞こえるけれど、これはどこにもない唯一の物語だし、発火体質という特異な要素がありながらも、ファンタジーではなく、あくまでリアリティのある物語。

    子どもの描かれ方もとても好きで、余計な美しさもわざとらしい子どもらしさもなく、双子たちの描かれ方がナチュラル。アンナチュラルな発火という要素が

    0
    2022年07月24日
  • リリアンと燃える双子の終わらない夏

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    いかにも映画化されそうな、不遇を切り抜けそれぞれのハッピーエンドを手に入れる系の物語。
    不遇とはいえ経済的には安定が確保されたどん底とまではいかない環境、これまでほったらかされていたから見出されていなかったけど実はこれこれ然々の才能あり、みたいな都合の良さが鼻につく部分もあるのだが、やっぱり前向きに道を切り開いていく物語は気持ち良い。

    タイトルがキャッチーな割にどんな物語なのか想像がつかなかったが、蓋を開けてみれば実はそのまんま。
    かつては今ここにいる場所から抜け出してやろうと全力で人生に立ち向かっていたが、一度のトラブルからレールを外れ(戻ったと言うべきか)、マリファナ片手にくすぶる日々を

    0
    2024年08月31日
  • 地球の中心までトンネルを掘る

    Posted by ブクログ

    11作の短編集。最後の話では、ハゲに悩む若者が主人公だったが、アメリカ人でもハゲに悩むのかと新鮮な驚き。ハゲは世界共通のお悩みか。
    チアリーダーに仕方なく入っている少女の話も面白い。全然話した事がない同級生と、あるきっかけで急に距離が縮まる感じ(本命ではない)や、スポーツでの治安の悪さが、読んでいて面白かった。

    0
    2024年03月25日
  • リリアンと燃える双子の終わらない夏

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    主人公の性格や口調が好きで人が燃えるというリアルじゃありえない描写があるところ、どの人物もキャラだっているところから是非早く映画化して欲しいストーリーでした。良かった。

    無愛想だけど優しいところもあるカールが推しです。主人公とカールがくっついて欲しいと思いながら読んだが真逆というか、。「ああ、だよね〜」な主人公の好みに少し勝手にがっかりしてしまった。笑

    0
    2024年01月21日
  • 地球の中心までトンネルを掘る

    Posted by ブクログ

    十一編収録されている短編集。タイトルに惹かれて読んでみたけれど、表題作はもちろん、他の作品もとても魅力的で楽しかった。孤独や不安を抱えてる主人公が多く、他者との違いに悩んでいたりもするのだけれどそれを徐々に認め受け入れていく過程がいい。代理祖父母を派遣する会社で働く女性を描く「替え玉」、クイズ大会のチームメイトでモテない男子二人の魔が差した瞬間からの関係性を描く「モータルコンバット」、転校先の高校でチアリーディングを始めたペニーが12歳の男の子と交流を描く「ゴー・ファイト・ウィン」。この三編がとくに印象的で読み終わった後もたくさんの場面が残り続けている。

    0
    2023年10月09日
  • リリアンと燃える双子の終わらない夏

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    とっってもよかった……。映画化しないかな。
    夏がいつ終わるのか何度も確める双子が愛おしい。大事にしたい一冊になった。

    0
    2023年09月06日
  • リリアンと燃える双子の終わらない夏

    Posted by ブクログ

    タイトルが面白そうだったので、手に取ってみた。
    リリアンと双子の子供たちの心の交流の話だが、リリアンとマディソンの友情?での話でもある。
    原題が、Nothing to See Hereと知り、話の内容も納得できた。
    リリアンと双子、リリアンとマディソン、の今後の関係もきになるなー。
    燃えるのは大人になったらなくなってしまうのか?話の内容には関係ないが、気になってしまった。

    0
    2023年02月04日
  • リリアンと燃える双子の終わらない夏

    Posted by ブクログ

    自暴自棄な生活を送っていたリリアンのもとに、高校時代の友人マディソンから頼みたい仕事があると連絡を受ける。マディソンは将来を嘱望されている上院議員のジャスパーと結婚し、子どもが一人いる。そのジャスパーと前妻の双子のこどもたちの家庭教師兼世話係になってほしいという。10歳になる双子は、興奮すると発火するという特異体質だった。

    子どもたちの体質の設定が突飛過ぎてコメディーかと思ってしまうが、なかなか深い話だった。一癖も二癖もある登場人物ばかりだが、読み進むうちそれは必然と思えてくる。何よりもリリアンと双子たちが愛おしい。
    脇役のカールとメアリーがステキだ。

    0
    2023年01月12日
  • リリアンと燃える双子の終わらない夏

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ジャスパーとかマディソンとかコイツ絶対嫌なヤツでしょと思いきや、ところどころで人間らしいところとか必死に頑張ってる部分を見せられるので、最終的に嫌いにならなかったところがすごい。カールは話が分かりすぎる男だった。

    0
    2022年12月07日