著者については私は全く知らない。原発推進者というからには,原子力業界のまっただ中にいたのだろうが,その様子は本書からはあまり伝わってこない。つまり著者はあまり自分の過去や現在を語っていないのだ。なんか,大きな組織がやったこと=他人事のように感じる。あとがきに「苦言は自らにも発したものである」と書かれているのだが,どうも私にはそう感じなかった。
本書は2部構成になっていて,第1部の「原発事故に遭う」が3分の2くらいをしめており,第2部の「原発を考える」が残りである。
避難者の生活を垣間見られる1冊として読むのがいいだろう。