筒井ともみのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
この小説、映画化したのを観たかったんだよなぁ…と思いつつ購入。
女の食と性がテーマの短編集。25編収録なので、超短編と言っても良いかも。合間に男が主人公のお話もいくつか有り。
正直、最初の方は、似通った感じのお話が多いなぁと思いながら読み進めた。いちばんのテーマが食だから、当然何かしら食べるシーンは出てくるのだけど、それ以外の設定の部分が…不倫とかワンナイトラブが何度か出てくる感じで、性もこの小説における大事なテーマだからその設定に偏るのかしら…と思いながら読み進めていったら、後半は前半とは違って粒立った印象に変わった。
単純に私の好みの問題かもしれないので、後半のお話の方が自分好みのものが多 -
Posted by ブクログ
面白かったです。
仕事して食事してセックスして恋愛に悩んで…生きている、と思いました。
出てくる人たちがパワフルですし、食べものもとても美味しそうです。そして、ほぼ皆さん自分で自分の生活を回していて素敵。
食べることはこれからも生きていこうとすることなのだろうな。先日読んだ「死にたくなったら電話して」のふたりは、食べることを辞めていて緩慢に心中していってるようなものでしたし……。
「なにも若く見せたいために余分な肉を恐怖するのではなくて、余分な肉は身体だけでなく、確実に精神をも鈍くさせる」という、「きもちいいのが好き」の考え方にとても共感しました。わたしも身体を絞ることは続けて行きます。
恋は -
Posted by ブクログ
食とセックスにまつわる短編集。
食とセックスって、ものすごく関係性が深く思えるし、(壇蜜さんが解説で言っているように)相性が悪いとも言える。
でも、人間の三大欲求のうち記憶が残るのは食と性だけ。様々な場面で関係してくるのは当然かもしれない。
収載されている作品はいずれも食と性に関する短編だが、なぜだが生と死を連想するものが多い。男女の関係だけでなく、人間として欲望にどう向き合うのかを考えさせられた作品だ。と難しく書いてしまったかもしれないが、登場する女性たちの嗜好にニヤニヤしたり、驚かされたり、応援したり…、様々な楽しみ方ができる短編集だと思う。