黒木亮のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ロンドン駐在の邦銀バンカーだった黒木亮が描くシテイーでの日々。ロレンス金山(または金山商店)と呼ばれながら、中東(特にトルコ)、アフリカ(ジンバブエ他)、東欧、ロシアとロンドンを行ったり来たり。90年頃のフセインのクエート侵攻、旧ソ連崩壊等、激動の時代に翻弄されつつ新しい案件を探し(時に新興国を食い物にする米銀等と鎬を削りつつ)、本当によく働いておられます。当時発生した、IRAのシテイ爆破事件、若手行員が死亡したパンナム墜落事件(これもテロ)等、色々思い出します。最後のところの、外野から声だけの上司、その取り巻きが踊るチャンチキおけさ、との指摘には、耳が痛い。若き日の黒木さんの頑張りに、★四つ
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Posted by ブクログ
文章自体はそれほど読ませるわけではないけれど、金融の専門家だった著者が書いた小説だけあって、専門性が高く興味深い内容である。
まぁ所詮はフィクションなので話半分に考えていた方が良いのかもしれないが、ゴールドマン・サックスの力強さと怖さの源泉はおおむねこの小説で書いてある通りな気がする。
今まで投資銀行業務は頭脳プレーがメインな印象をなんとなく持っていたけれど、やはりアドバイザーとして企業の社長や役員レベルと関係を築く能力が高くなければならないことが、この本を読んでよく分かった。
もちろん持田氏の活躍を支えていたのは、数多くの頭脳明晰な部下たちだろうが、指揮官は徹底した顧客に対するコミットと異