にしおかすみこのレビュー一覧
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匿名
購入済み連載をずっと読んでました
大好きと大嫌いが交錯して『すみ』が翻弄されている。
愛のあるポンコツ一家、本当にその名の通りだ。
綺麗事をツラツラと書くのではなく、苦しさ、悔しさ、情けないこと、恥ずかしいこと、それらは人間らしく共感することばかり。
『ふつうって?』の短い一文は大きな叫びに聞こえ不意に涙が出てくる。
誰だって毎日笑いながら楽しく過ごしていたい。
それがどんなに難しいことか。
困難の連続でこころが折れてしまう日もある。
立ち上がれなくてそのまま沈んでしまう日もある。
周りに励まされ気力の湧く日もある。
励ましすら鬱陶しく、聞こえないふりをする日もある。
『すみ』の一家にも例外なく次々と波のように色んなことが起きてくる。
その苦行の波を頭からざっぷりざっぷり浴びながら僅かに波間から顔を出し息を一生懸命しようとしている。
『すみ』は介護も生活も一生懸命しようとしなくていい、と言っている。
介護に苦しんでいるんじゃない。
『すみ』は家族とただ生きるだけでも息が苦しい環境に翻弄されている。
環境、それは母、姉、父のいずれかの存在かもしれないし、自分すらもポンコツと呼び一家まとめてかもしれない。
でも『すみ』は諦めていない。
諦めていないというよりは、身を任せている。
大海に放り出された小さな小舟の様に沈みそうで沈まない。波に逆らい小舟を動かす事はしないが、沈まないように気を付けている。
『すみ』に今は終わりが見えなくて大変だろうけどあなたは間違ってないし、大丈夫だよと伝えたい。
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Posted by ブクログ
家族にイライラしてしまうこともある。それでも、この本を読んで「それも普通のことなんだ」と思えた。
お母さんは、ぼんやりしているようで、しっかりしているようで、認知症なのか正気なのか、その境界があいまいに描かれている。それでも、お母さんらしさはずっと変わらない。
特に心に残った言葉は、
「楽しいことは全部、私が覚えているから。」
という一文だった。
普通なら、苦しかったことや大変だったことも思い出として語りたくなる。でも、すみこさんは苦しさよりも楽しかったことを大切に覚えている。その姿勢に、とても優しさを感じた。
介護は決して楽なものではない。それでも、この本を聴き終えたあと、不思議と「大変だった」という印象より、「温かい時間だった」という気持ちが残った。日々の出来事を、すみこさん自身が楽しみながら受け止めていたからなのかもしれない。
一作目も二作目も最後まで楽しく聴くことができた。
いつか自分が親の介護をする日が来たら、この本のことを思い出したい。介護は大変なことばかりではなく、その時間の中にも笑ったり楽しんだりできる瞬間がある。そのことを忘れずにいたいと思える一冊だった。
すみこさんの生き方に、心から敬意を感じた。