大好きと大嫌いが交錯して『すみ』が翻弄されている。
愛のあるポンコツ一家、本当にその名の通りだ。
綺麗事をツラツラと書くのではなく、苦しさ、悔しさ、情けないこと、恥ずかしいこと、それらは人間らしく共感することばかり。
『ふつうって?』の短い一文は大きな叫びに聞こえ不意に涙が出てくる。
誰だって毎
...続きを読む日笑いながら楽しく過ごしていたい。
それがどんなに難しいことか。
困難の連続でこころが折れてしまう日もある。
立ち上がれなくてそのまま沈んでしまう日もある。
周りに励まされ気力の湧く日もある。
励ましすら鬱陶しく、聞こえないふりをする日もある。
『すみ』の一家にも例外なく次々と波のように色んなことが起きてくる。
その苦行の波を頭からざっぷりざっぷり浴びながら僅かに波間から顔を出し息を一生懸命しようとしている。
『すみ』は介護も生活も一生懸命しようとしなくていい、と言っている。
介護に苦しんでいるんじゃない。
『すみ』は家族とただ生きるだけでも息が苦しい環境に翻弄されている。
環境、それは母、姉、父のいずれかの存在かもしれないし、自分すらもポンコツと呼び一家まとめてかもしれない。
でも『すみ』は諦めていない。
諦めていないというよりは、身を任せている。
大海に放り出された小さな小舟の様に沈みそうで沈まない。波に逆らい小舟を動かす事はしないが、沈まないように気を付けている。
『すみ』に今は終わりが見えなくて大変だろうけどあなたは間違ってないし、大丈夫だよと伝えたい。