石井好子のレビュー一覧

  • いつも異国の空の下

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    終戦間もない昭和25年異国に旅立ち、日本人歌手として海外を回った石井好子さんの約8年間を綴ったエッセイ。

    出国当初は会話にも不自由する中全く知らない土地で女ひとり生活出来る所、行動力と社交性の高さを感じ、自発性に乏しい自分と比較して感服しきり。

    文庫になる前の本は1959年に発行されたものだそうですが、飾らない素直な言葉で綴られていて、今読んでも鮮やかです。一歩間違えたら悪口? というような友人たちへの評価も、きっと本当に彼ら、彼女らが大切で心配していたからこそ書いたのかなという気がします。
    そんな現地の友人との交流などが密に描かれていますが、日本や第二の故郷であるパリへの郷愁が本を通じて

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    2022年12月15日
  • バタをひとさじ、玉子を3コ

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     少し前の酒や料理の本は楽しい。 情報過多のネット全盛の時代になって、「正解」っぽい記事があちこちに散らばっているせいか、今の酒や料理本には、著者の個性がなくなった印象だ。逆に、昔のオリジナルの視点で切り取った酒や料理の世界は、個人の主観や思い入れがたっぷりで、読み物になるのだ(間違いもあるけど)。

     著者の石井好子と言えば、自分たちの世代だと「料理の鉄人」審査員のイメージなのだが、元々シャンソン歌手で渡欧して各国の料理を食べまくったようだ。帰国後はエッセイストとしても活躍したとか。

     チーズにパスタにサンドイッチ、オムレツ、ちゃんこ、おにぎり……。欧州から日本各地の料理まで、写真がまった

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    2020年05月04日
  • パリ仕込みお料理ノート

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    時代が違いすぎるので共感はあまりできず。でもトーストのくだりはなんかわかる。
    高度成長期を知ってる人たちはたのしいのではないか…?もっと昔か

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    2017年01月26日
  • パリ仕込みお料理ノート

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    石井氏の文章を読んでいると無性に料理がしたくなり、美味しいものが食べたくなります。後半になるにつれお料理の話が減ってしまうのがやや残念です。

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    2016年10月12日
  • バタをひとさじ、玉子を3コ

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    石井好子さんのお料理や食材についてのエッセイはいつもほんわかとあたたかい気持ちにさせてくれるけど、いちばん心に残ったのは少し物哀しい雰囲気の「パリで一番のお尻」でした。「女ひとりの巴里ぐらし」にも収録されていた話でしたが、こちらのようにお食事のエピソードばかりのなかにぽんと放り込まれると、その哀しげな雰囲気がより際立つようで、ひときわ印象に残ります。

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    2016年04月22日
  • いつも異国の空の下

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    昭和のセレブリティシリーズ第二弾。料理の鉄人に審査員でよく出てた女性ですね。高名な政治家の娘で、戦後すぐ離婚(!)してアメリカに留学、その後パリでシャンソン歌手として身を立てた、時代背景を考えてもモノ凄い人。パリのナイトクラブなんて当時から、ドラッグあり・男女のもつれありでかなりアングラな世界。そんななかを、持ち前の社交性と機転、日本女性ならではの気高さで乗り切っていく姿は圧巻。エッセイストとしての力量もかなりのもんです。

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    2013年10月16日
  • いつも異国の空の下

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    あとがきにあったとおり、やっぱりこの人はお嬢様だったんだなーと思う。
    一人で大変な思いをして海外に出て、自分の実力だけでのりきってきたというのは本当のことだと思うけれど、その一方で、なにかというとお金や地位のある人を頼ることができたのがずいぶん支えになっていただろうし、そう言う意味ではすごく恵まれた環境にいた人なんだなーと、辛かったエピソードを読んでもちょっと冷めた目で見てしまう。

    お金も衣装もなかったけど夢があったパリ行き、お金も衣装もあるけど夢がなかったパリ行き、そのことを書いてあるところがすごくリアルで良かった。

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    2012年12月01日
  • いつも異国の空の下

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    石井さんのお料理エッセイを買った時に隣にたまたま並んでいて、
    こちらも面白そうだったから一緒に買っていたのを読み終った。
    こちらは彼女の歩んできた道、シャンソン歌手として彼女が経験してきたことが語られている。

    彼女が海外に飛び立ったのは、昭和25年。
    終戦からまだそんなに時が経っていない時に彼女はサンフランシスコへ向かった。
    いまの時代だから留学なんて珍しいことでもないけど
    この当時、きっと彼女のように女が独り海外へ出て行くなんてとても珍しいことだったんだろうな。

    サンフランシスコ、NY、パリ、ドイツ、スイスにキューバ。
    彼女が旅した国は数多く、その都度彼女が感じたことがとても素直に書かれ

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    2012年03月22日