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Posted by ブクログ
『女ひとりの巴里ぐらし』同様に、あくまで淡々とした描写から戦後フランスの市井の人々の息づかいが聞こえてくる様が素晴らしかった。
年表からは知り得ない「時代」。
しかも、今から半世紀以上も前に日本人女性が単身異国で生計を立てつつ経験した「時代」であり、密度が違う。
『女ひとりのー』では「ナチュリスト」での1年間について描かれていたが、『いつも異国のー』はその前後関係までがつまびらかになる。
実に8年間世界3周の記録。
彼女の鋭い観察眼は時に自分自身にも向けられており、彼女のエッセイストとしてのすごさはそこにあると思う。
当時の自身のことを「三十を過ぎた、一度結婚にもやぶれた女性」と突き放す一方で、フランスでの日々を「私の力で克ち取ったもので、非常に高価なものであったような気がしていた」と肯定する強さも持っている。
こんな強さ・・・矜持が自分の中にはあるのか、と問いたくなる。
ーそれにしてもフランスでの交遊関係が豪華すぎ。
朝吹登水子、藤田嗣治、ジャコメッティ、ジャン・ジュネ・・・。
ジャン・ジュネの名前を見つけて、読みかけになっている『花のノートルダム』を読まねばと思いました。
Posted by ブクログ
終戦間もない昭和25年異国に旅立ち、日本人歌手として海外を回った石井好子さんの約8年間を綴ったエッセイ。
出国当初は会話にも不自由する中全く知らない土地で女ひとり生活出来る所、行動力と社交性の高さを感じ、自発性に乏しい自分と比較して感服しきり。
文庫になる前の本は1959年に発行されたものだそうですが、飾らない素直な言葉で綴られていて、今読んでも鮮やかです。一歩間違えたら悪口? というような友人たちへの評価も、きっと本当に彼ら、彼女らが大切で心配していたからこそ書いたのかなという気がします。
そんな現地の友人との交流などが密に描かれていますが、日本や第二の故郷であるパリへの郷愁が本を通じて伝わってきて、どこか物悲しさも漂う一冊。
石井さんの他のエッセイを読んでいると内容的にかぶっている所もありますが、何処で何をし、何を思い誰と仲良くなったのか等が掘り下げられていて、その時代にこんなに活動的な女性がいたのかと驚くとともに、当時の日本・海外を知る意味でも興味深い。
Posted by ブクログ
石井さんのお料理エッセイを買った時に隣にたまたま並んでいて、
こちらも面白そうだったから一緒に買っていたのを読み終った。
こちらは彼女の歩んできた道、シャンソン歌手として彼女が経験してきたことが語られている。
彼女が海外に飛び立ったのは、昭和25年。
終戦からまだそんなに時が経っていない時に彼女はサンフランシスコへ向かった。
いまの時代だから留学なんて珍しいことでもないけど
この当時、きっと彼女のように女が独り海外へ出て行くなんてとても珍しいことだったんだろうな。
サンフランシスコ、NY、パリ、ドイツ、スイスにキューバ。
彼女が旅した国は数多く、その都度彼女が感じたことがとても素直に書かれている。
彼女の書くエッセイが面白いなと思うのは、決して気取ってはいないこと。
見たものを見たままに、感じたことを感じたままに書かれてるような気がするから
なんだかすっと入っていける。
あまり知りえないこの時代の各国の芸能事情(歌手としての生き方)。
それにあわせて、ところどころからその時代の時代背景もみえてくる。
読みながら、やっぱりこの石井さんって人は
なんともバイタリティーある人だったんだな、と感じた。
ひとりの女性の歩んできた道として、読んでいてなかなか面白かったです。
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小説・文芸
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