深田浩嗣のレビュー一覧
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主題が「ソーシャルゲームはなぜハマるのか」で、副題が「ゲーミフィケーションが変える顧客満足」となっているが、読んだ印象としては主題と副題が逆。
というより主題については、印象としては、ゲーミフィケーションの一成功事例として取り扱われているだけと感じた。
ゲーミフィケーションが主題なので、ソーシャルゲームに関する分析が深くないというか、ゲーミフィケーションに関する部分だけに触れられており、ソシャゲの本質とでもいうべきガチャに願する言及がほぼ全くない。
恐らく著者は、ガチャはゲーミフィケーションの成功に関係ないという考えからあえて触れていないのかもしれないが、しかし、ソーシャルゲームの大半がガチャを引かせるカードゲームで、海外に比べてべらぼうに高い利益率を生んでいる源泉がガチャであるという現実を無視して、果たしてゲーミフィケーションの本質を語れるのだろうか。
提示されているフレームワークも、本文中では顧客満足を高めるための方法論として提示されているが、ガチャゲーをやって大金を支払ったことがある身としては、どう考えても火であぶって人をガチャ中毒にさせる方法を提示しているようにしか見えない。
ゲーミフィケーションが本当に有益であると考えるのなら、実際のソシャゲにおけるゲーミフィケーションの運用が単なるガチャを引かせるだけの仕組みになっている現状について、好意的でも批判的でもどちらの立場でも構わないからやはり言及するべきではないのか。
それがないと、本書を読んでゲーミフィケーションを顧客満足の向上に適用しようと考える人が、本当に直面する問題に答えられないのではないか。
まあ自分は、如何にガチャ中毒にさせる理屈を正当化するのに興味をもって読んだので、思ったよりまともな内容に戸惑っているだけなのだが。 -
Posted by ブクログ
本書は、京大大学院在学中に、モバイルインターネットサービスの企画・開発・運営などを手がける株式会社を設立した筆者が、「ソーシャルゲームが社会にとって有益である」ことについて、その理由 (フレームワーク) と応用可能性について述べたものである。
本書の構成については、対象読者としてインターネット業界以外の人間、さらにいえば企業側の人間を含むこともあり、第1部ではWeb2.0からブラウザゲームを経てソーシャルゲームに至る歴史について詳細に述べられている。
第2部ではユーザをソーシャルゲームに没頭させる仕組みについて「ゲーミフィケーション・フレームワーク」とよび、具体的に2ゲームを例に挙げてその構成要素を詳細に分析している。なお、この呼び方は後述するように語弊があると思われる。
そして第3部ではゲーミフィケーションの定義および適用事例を紹介している。最後にゲーミフィケーションのデザインについての指針を述べて、本書を締めくくっている。
第2部では「ゲーミフィケーション・フレームワーク」という用語をあてているが、近年の「ゲーミフィケーション」の定義は「ゲームメカニクスをゲーム以外の分野に適用したもの」であるから、ソーシャルゲーム (これはゲームである) にこの語を用いるのは語弊がある。
その点を除けは「人はなぜ (ソーシャル) ゲームにハマるのか」という理由について詳細に分析されている。特にプレーヤーのタイプごとに分類するデザイン手法や、ソーシャルゲームの開発者へのインタビューと合わせたソーシャルなプレイサイクルの分析は参考になるであろう。
一方、第3部では本書のサブタイトルである「ゲーミフィケーション」を扱っているが、取り上げられている事例があまり面白くない。またゲーミフィケーションとソーシャルゲームは直交とは言わないまでもやや独立した面を含む概念であるがそれについてはやや混同して扱っているところが残念である。
本書はまえがきの表現および、グリーやDeNAから取材協力を受けていること、アイテム課金についての体験談を載せていることなどから、一部のレビューではソーシャルゲーム会社の犬のように扱われているが、第2部はソーシャルか否か、課金するか否かには関係なく人はなぜゲームにハマるのかについての有用な分析であると私は考える。
ただ全体としてページ数が多く冗長であること、ゲーミフィケーションの記述について練り切れていないことから、初学者および非業界人にとっては★4つ、既習者や業界の人間にとっては★3つとしたい。ゲーミフィケーションの章など、読んで物足りない点については豊富に示されている参考文献 (例えば井上明人「ゲーミフィケーション」など) を当たるとよいと思われる。 -
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CRM目線からのゲーミフィケーションの本。著者が編み出した(?)「g-デザインブロック」という体系をベースに話が進められる。
事例はゲーミフィケーションを意識しての成功事例というよりも、成功事例に見るゲーミフィケーションという色が濃いものもある。そういう意味では文中の引用に出てくる勝見氏のキュレーションの本と似ている。
すべてのベースに「おもてなし」があるというところがすべてのビジネスへの応用のヒントなのだろう。
「主客一味」という茶道の考え方が大切だというのが面白い。一見新しいテクノロジーがあって成り立つかのように思われるゲーミフィケーションだが、根本のところでは昔から脈々と受け継がれている、古典的な文化の思想が実は大切だという考え方がむしろ新しい。
そもそも「ゲームはなくても生活に困るものではない」という性質から考えると、娯楽性が強いが多くの人たちが(または数は少なくても金持ちたちが)お金を使っているものの裏側には必ずゲーミフィケーションの要素があるということなのだと思う。
お茶屋遊びが、モテることを目的としたゲーム性があるものだという考え方が、京大卒の筆者ならではかもしれない。お茶屋遊びできる身分になってみたいものだ。
大和出版の「ゲーミフィケーション」では実践的な技術が細部に渡って体型的にまとめられていたが、こちらの本は考え方が体型的に書かれている。 -
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ソーシャルゲームでお金を払う人の気持ちが知りたくて購入。
「とりあえずプレイしてみろ」とのことだったので、DUNGEONS & MONSTERSというソーシャルゲームをやってみたが、たしかにハマりそうになった。
始めて数日は単純すぎて微妙だったが、何日か続けているとやることが習慣化した。
ただやっぱりお金を払う気にはならなかった。
もっともっとやりこんでお金を払わないと進めなくなったらお金を払いたくなるのだろうか。
本によればお金を払ってアイテムを購入することで時間が節約できると考えるらしいが、それなら初めからやるなよと思うのは自分だけだろうか。 -
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ゲーミィフィケーションをビジネスに活かすには?
ゲーミィフィケーションには9つのブロックがあるとする。1.おもてなしをベースに、数値を2.可視化し、3.目標化する。4.オンボーディング=わかりやすくする(入り込みやすくする)。⒌ゴールを設け、モチベーションをもってもらう。6.世界観を伝え、そこに参加してもらい続ける、7.ソーシャルな関わりを持たせ、仲間意識、参加意識を高める。8.チューニングし、離脱を防ぐ。9.上級者用のコンテンツを用意する。
おもてなしのまずありきと、例として、京の老舗旅館や、お茶屋文化を出しているが、話の構成的に不適切ではないかと感じた。オンボーディングとは相入れない。一見さんお断りはより細かなサービスをおこなうためとはわかるが、明らかにエントリーしにくくしている。わかる人にはわかる的な茶屋文化は、上級者に向けたものではないだろうか。ゲーミィフィケーションをおもてなしの気持ちをもっておこなえればよいというのはわかるが、やや強引な印象。 -
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【動機】ゲーミフィケーションについて調べていたのでポチッた
【感想】ゲーミフィケーションについては本やWEBで一通り調べていたので、そのおさらいという感じで新発見はなかったが、サービスにゲーミフィケーションを導入するさいのフレームワークとしてはいい感じでまとまっている。新たに「なめこゲー」についての考察も入っていたけどそこまで深い考察ではなかった。
【引用】
このように「なんとなく」立ち寄ってしまうお店が身のまわりにないでしょうか。ちょっとした暇つぶし、ちょっとなにかあるかもしれないという感覚など、いろいろ理由はありますが、お客さんがお店に来てくれれば購買のチャンスは当然増えることになります。P.35
(なめこゲーに関する考察)ポイントは「つねになにかすることがある」という育成ゲーム特有のゲーム性にあるのではないでしょうか。(略)スマートフォンでアプリを開くたびに、やることが必ずあるのです。また、それが「なんとなく」という無意識に誓い「癖」や「習慣」のようになうという効果を生み出しています。P.39
目標は具体t期にプレイヤーがとれる行動により直接に達成されるものであるのに大使、ゴールはその目標の積み重ねの結果、到達に近づく実感がもてる対象であり、必ずしも到達できるわけではありません。P.171
【メモ】
g-デザインブロック
1-2.可視化、目標
①数値として表現できるものを選び記録する
②「なにを」可視化するかを間違えない
③ビジュアルにして変化や比較を視覚的にわかりやすくする
3.オンボーディング
①まず興味をもってもらい試してもらう
②価値があるサービスであることを知ってもらう
③ルールや遊び方を簡潔に伝える
4-5.世界観、ソーシャル
6-7.チューニング、上級者向け
上級者向けアイデア
より高い目標
チーム戦
自己表現
ミニゲーム・サブストーリー・ステージ拡張
8.ゴール
9.おもてなし -
Posted by ブクログ
サブタイトルの「ゲーミフィケーションが変える顧客満足」が本筋。
本の中で「ソーシャルゲームは社会に有益である」というポジショントークが出てくるが、ソーシャルゲームによってゲーミフィケーションのフレームワークがどんどん明確化されていく、ひいては顧客満足度を高める体験が次々に生まれてくるだろう、という意図。
ゲーミフィケーションという言葉自体はバズワードで、ユーザーを楽しませながらサービスを使ってもらう事は昔からあった。ただ、このバズワードが生まれる事で、よりそちらに目がいくようになったのは、いい事のはず。
プレイヤーをタイプに分けたり、段階ごとに目標を作ったり、成果を可視化する方法、プレイサイクルなど。たしかにサービス設計時に参考になる、整理のされ方かもしれない。
心理学やモチベーション3.0などから引用されながらモチベーションの読み解きがなされているが、そこまで割かれているわけではない。ので、ソーシャルゲームの功罪含め、どこかの社会学者さんにこの観点でしっかり書いて欲しいなあ。 -
Posted by ブクログ
「ゲーミフィケーション」という旬のBuzzwordを引き出しながら、ソーシャルゲームを前提にした、プレイヤーモチベーション設計のためのフレームワークを提示している本。
ソーシャルゲームを銘打っているが、実際は現実世界を含めて通用する内容。
特に4章の整理が分かりやすく、プレイヤーの性格と、それぞれの熟練度を起点としたフレームワークを提案することで、ロジカルに説明しにくいモチベーション設計が客観的・MECEにできることが非常によい。
但し、本の出来としてはあまり纏まっていないので、読み手にストレスを与える。4章を集中的に読むのが良いと思う。