芳沢光雄のレビュー一覧
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「数学的思考力」とはなんだろうか。論理的に順を追って考えていくことだろうか。副題にあるように、「数学的思考ができれば説明力がつく」というのが著者の主張だ。数学は「考えること」を学ぶものであり、試行錯誤しなければ学べない。それについて、自分も共感する部分があった。何度も問題を解くうちに、最初はよくわからなかった部分がピーンとつながる瞬間がある。それが、実際に理解したということだろう。
本書は、そんな数学的思考力を身につけるため、数学を学ぶ上で必要なことが、コラム風にまとめてある。1つのコラムは4~8ページ程度で読みやすい。著者は東京理科大学理学部教授であり、専門は数学・数学教育というだけあって、日本の数学教育への批判が多い。私は将来、教育の道に進みたいと考えているので、参考になった。
気になったのは、インドの数学教育についての記述。インドが2ケタ×2ケタの掛け算を暗記して、あんなに数学ができるようになるのには、私も疑問を感じていた。むしろ、覚えるのは効率が悪いと思っていたが、実はインドでは証明を大事にする教育がなされているという。それがインドの発展につながっている。それなのに、日本はまだマークシート型のセンター試験や、やり方を重視した教育をしている。私も教員になったら、考え方 をしっかりと伝えられるようになろう、と思った。
「説明力を鍛えるヒント」というよりは教育批判が目立つ。攻撃的な主張に圧倒されるが、考えさせられる1冊だ。 -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
マイナスかけるマイナスはなぜプラス?
本当の力がつく『数学的思考法』のレッスン。
「くり上がり・くり下がりがわかるコツ」から微分積分まで、「つまずき」を乗り越えるヒントが満載。
[ 目次 ]
第1部 小学校算数の「つまずき」(「数」って何? くり上がり・くり下がりがわかるコツ 検算の大切さ ほか)
第2部 中学校数学の「つまずき」(まず移項と数直線を学んでおこう 「負の数」を含む掛け算・割り算 掛け算記号の省略・累乗・絶対値 ほか)
第3部 高校数学の「つまずき」(記号は単なる言葉にすぎない 三角関数は三角比から理解する 2次関数で学ぶ位置関係 ほか)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
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[ 内容 ]
もっと試行錯誤を。
本当に考えるためのレッスン。
[ 目次 ]
第1章 間違いだらけの数学観(なぜ分数計算ができないのか? 若者はなぜ「地図の説明」が苦手になったのか ほか)
第2章 試行錯誤という思考法(できなくても考えておくことが大切 「運」から「戦略」へ ほか)
第3章 「数学的思考」のヒント(解決のためには「要因の個数」に留意せよ 目標から「お出迎え」してみよう ほか)
第4章 「論理的な説明」の鍵(「論理」からの説明、「データ」からの説明 「仮定から結論を導く」ことと「全体のバランス」 ほか)
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Posted by ブクログ
論理的に説明することにおいて、数学的な考えが大事であることに気づいたので、本書を読んでみた。
自分の目的にかなっていた部分が3章と4章であったので、最初の方はつまらなかったけど、4章の「点より線、線より面から説明しよう」の部分は目から鱗が落ちた。著者は「ものごとはより高い次元から説明するとよい」と指摘している。
どういうことかといえば、女性を口説くときに「君の瞳は輝いていて素敵だね」とだけ言うのは、0次元的な言い方。これに「君の服装は女性として持っている魅力を引き出している感じでうっとりしちゃうよ」と付け加えて言うのは1次元の口説き方。ここに別の軸の内面的な部分を入れて「苦しくてもやさしい心をいつも忘れない君のハートが好きなんだ」と付け加えると2次元の口説き方。さらに別の時間軸を付け加えて、「この何年間というもの、君みたいな女性と会いたいとずっと思い続けてきたんだ」と」付け加えて言えば、3次元の口説き方。
このように面を意識してしゃべることで、説得力ある話ができるというのは、僕にとって非常にためになる。 -
Posted by ブクログ
算数の問題に取り組むにあたって大事な考え方や、ルールを、子供がつまづきやすいポイントを示しながら解説している本です。算数が苦手な子供を持つ親に向けて書いてあるので、具体的な教え方の例があったり、実際に自分が教えてもらったやり方なども書いてあります。
しかし、この本が単なる教え方指南本ではないのは、ところどころにはさまれた作者自身のエピソードから、算数、数学をとくことの楽しさや喜びが伝わってくるところです。算数が苦手だったという小学生時代、テストの点数は悪いながらも、数に対する強い興味を持って自分なりにいろんなことを考えていた様子がつづられていて、一人の子供がいろんな人に助けられながら自分の興味関心を伸ばして良く様子はとてもほほえましく、うらやましくもありました。
本文中で解説されているいろんな問題は、超算数苦手人間の私には時折理解できないところもありましたが、投げ出しそうになるのをぐっとこらえて、何度も解説を読み、時にはネットで調べながら読むことでぼんやり分かったような気がしてきて、少し算数の楽しさを感じることができました。分からないなら、分からないなりに考え続けることの大切さを、実際に経験できました。 -
Posted by ブクログ
本書は難しい計算式などもなく、せいぜいlogの問題が四則演算よりも難しいかなと言う具合です。
あみだくじの結果を自在に操るという仕組みは、これで成り立つのかと思う部分もありました。あみだくじ自体を最近は行いませんし、ネットで自動的にできる仕組みもあるのですが、仕組みがわかるのは何だか嬉しいです。
そう言えば数学を難しく感じたのはより抽象的に値を捉えるようになったあたりや、公式を覚えないと解けない問題のあたりでしょうか。
仕組みを知ることや証明できることは大切だと思うし、相手を説得できることも論理的に伝えることも数学は何よりの武器ということでしょうか。
筆者が日本全国を出前授業するのは頭が下がります。数学の今後を心配ですが、文系理系問わず必要な能力であることは確かでしょうか。 -
Posted by ブクログ
今は名前が変わったセンター試験。なんのことかよくわかっていなかったAO入試。揺り戻しが来ているように感じるゆとり教育。これらについて、ある数学者、教育者が考えていること。
大学が増え、少子化が進んでお客様になった大学生。入試はどのような学生を求めているのかを大学が示すメッセージだが、センター試験のようなマークシート式試験で読み取る能力、論理的に考えを述べる能力が弱くなっている。三慧という視点があり、聞慧、思慧、修慧の団塊があるが、これでは修慧の段階まで辿り着かない。ゆとり世代の教員を採用したら当然それが再生産される。インドのIITの入試問題は全て論述式の高度な証明問題であり、二桁の九九がインドの知の底力にあるわけではない。
数学にしても国語にしても、マークシートのクイズのような問題を解くのではなく、いかに説得力をもった論述ができるかということの重要性を感じた。 -
Posted by ブクログ
「試行錯誤を繰り返し、物事を考える学生が年々増えている」
その原因を、数学者である著者がおおよそ数学的な目線から、今日の大学入試のやり方を批判し、教育と入試のあるべき姿について論じられた本。
まず筆者が最も今日の教育の弊害と訴えていたものは入試の「マークシート方式」である。
本来、「答えを導く」ことが重要な数学が、マークシート方式によって「答えを当てる」教科になってしまっている。
「何が成り立ち、何が成り立たないのか」を証明する学問であるにも関わらず、大学入試のマークシート方式によってこのプロセスが軽視されてしまっている。
入試問題は答えを導く記述式の問題が適切である、というのが著者の意見である。
また、数学の証明問題の重要性について論じられていた。
証明問題は論理の通った文章を書く訓練であるにも関わらず、大学入試によって証明問題が軽視されているため、教育の場での証明問題を解く機会が減っている。
今日のグローバル社会では、文化や風習の異なる相手が納得できるように、論理的に考えて自らの立場を筋道立てて説明する力が重要になっている。
しかし、「正しい答え」を求めることが大事にされている現在の教育ではそのような力を伸ばすことができない。
現在の教育は「自らの頭で考え」「根本から理解する」力を育む教育からは程遠いところにあるのだ。
また、個人的に興味深かったことが、著者が教育の弊害の一つとしてあげていた「少科目入試」である。
確かに最近の私立大学の入試では、どんどん科目数が減っているような気がする。
これは、大学の偏差値を上げるためであるらしい。
入試の科目数を減らすときに一番狙われやすいのは「数学」である。
入試というものは高校までの学びに直接的に関係してくる。
高校のときを思い返すと、自分も含めた周りの人たちは大学に入るため、大学に必要な科目だけを熱心に勉強していた覚えがある。入試に必要でない科目は軽視されがちである。
そのため、私立文系狙いの高校生はほとんど数学を勉強しなくなるのだ。
これからのグローバル社会で生き残るために必要な「試行錯誤して考えることや論理的に表現する学び」を復活させるには、大学入試の体制を抜本的に変える必要があるであろう。