松田修のレビュー一覧

  • 公の時代 ―― 官民による巨大プロジェクトが相次ぎ、炎上やポリコレが広がる新時代。社会にアートが拡大するにつれ埋没してゆく「アーティスト」と、その先に消えゆく「個」の居場所を、二人の美術家がラディカルに語り合う。

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    ネタバレ

    卯城竜太・松田修著(2019)『公の時代』朝日出版社

    この本は、自分が出会った多くの本の中で、間違いなく5本の指に入る一冊。「公」とは何か?「個性」とは何か?そんな疑問を、現代の「公」に批判的に向き合うことから導き出す。

    現代の「公」は、「公」と言いながら著者の言う「エクストリームな個」を排除する点で完全な「公」ではない。さらに「公」は「民」に委託され、ビジネスとして「民」的な「公」が作り出される。その「公」はエッジを削りとった、人畜無害な「公」。振り切った「個」の入る余地はない。果たしてそれって本当に「公」なのか?「公」を考えるに最適な一冊。ぜひ多くの人に手に取ってほしい。アートは現代の

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    2022年11月03日
  • 公の時代 ―― 官民による巨大プロジェクトが相次ぎ、炎上やポリコレが広がる新時代。社会にアートが拡大するにつれ埋没してゆく「アーティスト」と、その先に消えゆく「個」の居場所を、二人の美術家がラディカルに語り合う。

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    線を引いたところがいっぱいある。エクストリームな個としてオープン/クローズドの問題提起は充分に理解しつつ、それでもわたしはどこにいけばいいんだろうと思った。

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    2025年07月17日
  • 公の時代 ―― 官民による巨大プロジェクトが相次ぎ、炎上やポリコレが広がる新時代。社会にアートが拡大するにつれ埋没してゆく「アーティスト」と、その先に消えゆく「個」の居場所を、二人の美術家がラディカルに語り合う。

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    大正時代の黒耀会や望月桂の発見の話も取り入れつつ、アートは、自由、ポリティカル、マイノリティとの共感、という要素をラディカルに投影するべき、という作家二人の対談。
    また、対話や調停、融和より、闘争を全面にした作品表現の正統性も語る。
    バブル崩壊前まであった「個」の作家性や作品にシンパシーを感じていて、反対に現在の作家や作品がすべからく「公」を意識する、あるいは従うという空気を批判する。
    言うなれば「行き過ぎた人権思想」や「自由の氾濫」という最近の社会の言葉へ、反対(または追及)している立場。
    とはいえ、二人とも現代美術史の知識は大変豊富である。二人のラディカルな芸術活動の過程で、独りよがりに陥

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    2022年05月01日
  • 公の時代 ―― 官民による巨大プロジェクトが相次ぎ、炎上やポリコレが広がる新時代。社会にアートが拡大するにつれ埋没してゆく「アーティスト」と、その先に消えゆく「個」の居場所を、二人の美術家がラディカルに語り合う。

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    アートって「なんかよくわかんないもの」を「わかんないまま」見られるところが好きだと思っていたけど、本当はすぐに「わかった」気になってさっさと片づけていただけかもしれない。
    もっと「わかんない」って何日もうんうん悩んで、自分の言葉で「なんで好きなのか」「嫌いなのか」を語れるようになろう。

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    2020年02月23日
  • 会社のお金がとぎれない! 社長の「現ナマ」経営

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    著者は税理士。


    会計事務所に勤務されている方向けの本。



    儲かっているのにキャッシュがない・・・?
    どこに行った現金?
    どすれば手元に現金が残る?


    手元にキャッシュがあると
    心に余裕が出て、事業は加速する。

    好循環のスタートは現金から。

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    2011年05月30日
  • 尼人

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    阪神尼崎近くある出屋敷駅出身の芸術家が書くエッセイ。

    自分も兵庫なので、阪尼のあたりはある程度知っている。北から南にかけて阪急、JR、阪神と沿線が間隔を空けて並ぶが、とりわけ阪神沿線は異質。人との距離感が近く、バンカラで治安の悪そうな雰囲気は今でこそ多少大人しくなってきたが、それでも十分残っている。

    著者は、芸術に縁のないこの出屋敷で育ったが、とあるきっかけで芸術家をこころざした。スナックを営む母には、「芸術家って要は詐欺やん」と言われる。

    これについて、「確かにそうかも、紙に絵を描いただけのものをうん十万、うん百万でうるんだから」と納得気な著者のニュートラルな感じが面白い。

    阪尼での

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    2024年08月31日
  • 刺青・性・死 逆光の日本美

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    日本の正史から弾かれた異端の男たちが皮膚に刻んだ刺青。幼い頃から刺青者に惹かれ続けた筆者は、日本における刺青の精神が「情死」に近いものであるとし、「性」と「死」をキーワードに、日本のもうひとつの精神史に切り込んでいく。


    書き出しがすごい。「ある砂浜の油でりー幼い私は波打ちぎわにはかない砂の城を築いていた。門、秘密の隧道、偽装の壁、陥穽としての橋、眩めくジグラート」「私はそこで誰を陵辱すればよかったのか、誰を飼育するはずだったのか。海水をひきこんだ地下牢だった。おそらく蒼ざめたエドモン・ダンテスか、鉄仮面か」。最後まで緩むことのないこのハイテンションな文章に、頭がくらくらしてしまう。
    賎民の

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    2020年03月29日