戦争ものの本を立て続けに読んでいるが、10代の若者に読んでもらうには好書。さすが物語のプロだけあって、きちんと伝えなければならないツボは押さえているし、語り口も一人称で呼びかけるなど、読みやすい。
戦時中、中学生が勤労動員される理不尽、実際に空襲・爆撃される恐怖、焼夷弾で焼け出される中を逃げ回る様子などがリアルに書かれているほか、当時の自分を振り返り、政府からの情報を信じ、アメリカに捕まったら殺されると思い込んでいたことなども、等身大の言葉で書かれている。
これなら、多感な時代にも、素直に読めるのではないだろうか。
オススメ。