矢内原忠雄のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
【グローバルな文脈で日本人の精神性を語ろうとする執念/新渡戸稲造の熱量】
・大学時代、「何で日本人はハラキリ/自殺するのか?」「日本人は主張しないけど何考えてるの?」と問われ続け、自分なりに理論武装を試みて読んでみるも当時はいまいちピンと来ず自分のものに出来なかった
・少し歳を取って『菊と刀』を再読して腹落ち感が高まったことに気付き、武士道も再読してみたところ、やはり当時と感じるものが全く違って面白かった
・大学卒業後、仕事等を通じて上・下両方の世代の価値観や背景にある経験や思いに触れたり、伝えることの難しさやもどかしさを経験してきたからかもしれない
・日本人の価値観を外国に少しでも理解してもらおうと、引用・対比を宗教~文学・哲学まで縦横無人に行う姿勢に凄みを感じる
・「分かるだろう!?分かってくれぇー!」という新渡戸稲造の声が聞こえてくるようだった。笑
・例えば、
>運命対する沈着/服従/死への親しみー仏教
> 正義の道理ーキリスト教、シェイクスピア
> 礼の考え方ーヒンズー教
> 忠義ーソクラテス
> 刀ーマホメット
> 武士道の精神性ーコーラン、等・・・
・流石に無理があるのでは?と思う強引な引用に笑ってしまったり、次第に説明が熱を帯びてきて止まらなくなる彼の思いを感じたり、少し引いた目で読んでも楽しめた -
Posted by ブクログ
ネタバレ1938出版。文章も当時のままで書かれたものなので読みにくいのではあるが、あえて当時の文体で読むことで、武士道の当時の捉え方が伝わってくる。
新渡戸稲造が英文に→英語を 矢内原 忠雄が日本語に訳すと言う、ラウンドトリップなのであるが、太平洋戦争前なので、この武士道思想が日本の軍国主義に大きな影響を与えたのはやぶさかでないだろう。
切腹や仇討ちついての詳細な記述もあり、読んでいると時代劇のシーンはフィクションではなく、150年前ぐらいまではあのような切腹があったということで、そんなに前の話でもないのだな、とぞっとしてしまった。明らかに精神性は今の日本人と武家では異なっていたのだ。