上杉和彦のレビュー一覧

  • 歴史に裏切られた武士 平清盛

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     とある県の知事が最近、NHKの大河ドラマの演出に苦言を呈している様だが、なぜそんなギャップが生じるのか、本書を読めばその一端が理解できるかもしれない。それは一言で表現すれば、世代ギャップなのだ。
     30代以上の平家のイメージと言えば「驕る平家は久しからず」という平家物語の一節に起因するものだろう。本来武家の棟梁である平清盛が、藤原氏の摂関政治を真似て位人臣を極め、その奢りを本来の武家の姿を残した源頼朝により平家は滅ぼされた。武家を捨てて貴族になり、悪逆の限りを尽くした人物というのが、典型的な平清盛像かもしれない。

     それを見直すのが本書の骨子だ。平清盛を、政治力、経済力、武力という大きく三

    0
    2012年01月28日
  • 歴史に裏切られた武士 平清盛

    Posted by ブクログ

    中世の扉を開いた平清盛の再評価。
    何故時代を切り開いた彼が「悪人」と呼ばれたか、一つ一つ例を挙げてわかりやすく検証している。
    ユニークな権力者であった例として、彼の女性活用が挙げられており、面白い。なるほど、以降の武家社会では模範とし辛いわけだ。
    なお、筆者上杉和彦は昨年早逝。
    中世ブームともいえる今、彼の新たな所論に触れることが敵わないのは本当に残念。

    0
    2019年04月16日
  • 平清盛 「武家の世」を切り開いた政治家

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    小説ではなく、純然たる歴史解説書です。
    2012年の大河ドラマ「平清盛」の元になっているのか?

    以下「序文」より引用

    長く日本史上の悪役として評価され続けた平清盛。『平家物語』をはじめとする軍記物語や源氏の武家政権の発展を描く歴史書では、清盛に否定的な評価がくだされるのが常でした。本書は、多様な史料を用いて清盛の生涯を追いながら、虚像と実像を可能な限り見極めることで、日本の政治を武士が主導する新たな時代の幕を開けた清盛の姿を描こうと思います。

    0
    2011年11月30日
  • 歴史に裏切られた武士 平清盛

    Posted by ブクログ

    「最近の研究で明らかになっている」のって、歴史学では「新しい史料が見つかった」のか、「それっぽい新しい解釈が出てきた」のか、どっちなんだろう?

    0
    2013年05月06日
  • 平清盛 「武家の世」を切り開いた政治家

    Posted by ブクログ

    鹿ケ谷の陰謀は大掛かりな事件のように思われるが、実際は酒を飲んで平家の悪口を言った程度であったらしい。証拠はないが、多田行綱は密告者に仕立て上げられたのか?これによって後白河法皇幽閉、藤原成親流罪、西光の死亡となり、結果的に比叡山攻めを求めれれていた平家を救った?

    0
    2012年10月23日
  • 歴史に裏切られた武士 平清盛

    Posted by ブクログ

    昨今の通説ではあるが、院政から平家政権にかけてが中世のはじまり。清盛は鎌倉幕府に先んじる武家政権を築いた。もちろん藤原摂関家のやり方をまねる公家的な面もあった。清盛が悪人というイメージがあるが、藤原氏と源氏の視点からみれば悪人であり、それが連綿と受け継がれたのだろうか。確かに鹿ケ谷の陰謀以降は乱暴な面があったが、仕方のない部分もあった。

    本書は清盛の生涯、政治姿勢、平家の財力、武家政権としての平家、悪人としての清盛、後世の評価など分かりやすくまとめられている。

    0
    2012年10月23日