河島英昭のレビュー一覧

  • 月と篝火

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    一切が回帰する世界のなかで、物語は象徴に導かれながらすすみ、やがて始まりに到達する。すでに決められた世界から飛躍し、別の物語へと繋がるためには、神話と時代が必要なのだ。
    パヴェーゼが目指したのは神々がまだ人間、動物と平等だった時代の共産主義的ユートピアなのだろうか。とすれば、死すべき者は常に不死である神々なのだ。

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    2014年06月30日
  • 祭の夜

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    パヴェーゼの魅力は、裏切りや孤独という自己に内包されて行く円が中心に向かって進んで行く過程で、収斂がいつか反転し、外へ向かって、世界に対して広がりを見せる極点に到達する閾が存在することだ。
    極端に個人的な内容こそが世界と繋がりうる。時代を超越し、この時代においてなお世界に対する問いがなされている。

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    2014年04月27日
  • 薔薇の名前[完全版] 下

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    物語の舞台は1327年11月。
    あくまでもフィクションなのだが、実はこの日付が重要だ。時は教皇のアヴィニョン捕囚の真っ只中。教皇ヨハネス22世と神聖ローマ皇帝ルートヴィヒ4世との確執やフランシスコ修道会の「清貧論争」が相まって、物語に奥行きを生み出している。一見すると犯人探しのミステリー仕立てだが、横糸となる『異端審問』や党派対立などについて、ある程度理解しないと話についていけない。(久しぶりに世界史の復習をした気分)。特に、日本ではそもそも基礎知識が無い“ボゴミル派”や“ドルチーノ派”など、異端審問に出てくる教派。(勉強になりました)

    物語は見習修道士だったアドソの回想という形をとっている

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    2026年03月16日
  • 薔薇の名前[完全版] 上

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    1980年にイタリアで発売され、各国でベストセラーになった本書。1986年にはショーン•コネリー主演で映画化された(こちらは私も見た)。日本版刊行は1990年。著者は記号論学者。難解。でも面白くて、二週間ほどかけてじっくりと読みました。
    本書は著者の構想メモなども追加収録した『完全版』で、読みでがあります。

    北イタリアの修道院を訪れたウィリアム修道士とその弟子アドソ。ウィリアムは、数日前に起きた修道士の死について調べてほしいと修院長から依頼を受ける。閉ざされた修道院で起きた不可解な死。しかし、事件はそれだけでは終わらず…。
    中世のイタリアを舞台にしたミステリーを縦糸にして、物語は修道院をめぐ

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    2026年03月16日
  • 薔薇の名前[完全版] 下

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    少し読みづらい読み飽きるところも多々出てきたものの、全体を通して面白く読めた作品でした。
    欲望、各々の信じるところ、行き着いた果て…等々他になかった読後の感想を得ることができました。
    上下揃って再読してみるとまた違った視点、観点が生まれるのかなと思いました。

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    2026年03月07日
  • 薔薇の名前[完全版] 上

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    知の巨人と謳われたウンベルトエーコの本を始めて読みました。
    難解というか、日本人にはあまりキリスト教が広まってないのもあり、読み辛い部分も正直ありましたが、中世イタリアの修道院で起こる連続殺人事件…ミステリ好きにはたまらない設定です。
    探偵役にはウィリアム修道士と、その見習い弟子アドソ!
    薔薇の名前は昔映画になったそうで、ウィリアムはショーンコネリーが演じています。
    読む時ウィリアムが出てきたら、頭の中にショーンコネリーが話していると想像して読み進めると、もっと楽しめるでしょう。
    下巻に期待です。
    がんばれアドソ!負けるなアドソ!

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    2026年02月06日
  • 薔薇の名前[完全版] 下

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    本文はともかく、本文後の作者の覚書?が興味深い。なぜ本書を執筆したかから、小説論まで、多岐に渡り考察が書かれている。

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    2026年01月22日
  • 君主論

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    ●2025年5月30日、チャットGPTに質問「優秀なトップ層の男性から慕われて頼られる女性になりたい。ホステス的なのでなく、女王様」と話しかけてたら、「あなたにおすすめの書籍(知の主 導権を持つ「女王」タイプ向け)」という項目で、これらの本をおすすめされた。

    「マキャベリズム」
    権力を持つ者の心理と支配の技術。知的戦略思考 の基礎に。

    「影響力の武器/ロバート・チャルディーニ」
    支配・操作を受けないための心理戦の仕組みを学
    ベます。

    「サピエンス全史」
    人類史の大局から、思想と構造を見る。言葉に深みが出ます。

    「メディチ・インパクト」
    異分野をつなげることで唯一無二になるための戦 略的

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    2025年05月30日
  • 君主論

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    優れた君主はどう動くべきかが書かれた本。
    内容はすごく面白かったが、これを現代で活かせるかと言われるとまた難しい。
    何故かと問われれば、内容がかなり過激なものであるためである。
    例えば、自分に反対する勢力は潰さなければならないが、一気に纏めて弾圧しなければならないなど、ポジティブな統治ではなくネガティブな要素をいかに無くしていくかという現実的な方法が書かれている。

    ただ経営者としての考えを育むひとつのいい機会にはなると思う。
    これが正しいとは言えないが、ではなぜ正しく無いのか、どうしたら良いのかを考える機会になると思う。

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    2024年09月15日
  • 君主論

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    そのまま読んでしまうと只の昔の君主マニュアルだが帝王学として自分がどう読み取るか、そこで評価が別れるし、人によってこの本に見出す価値も違うだろう

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    2024年07月22日
  • 君主論

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    5年ほど前に読んだ時と比べてかなり理解して読むことができたと思う。とは言え自分に思考的な進歩があったかと言えばそうではなく「チェーザレ・ボルジア あるいは優雅なる冷酷」を先に読んだのが大きい。あの本は君主論の導入本としてはこれ以上なく最適だと思う。

    本編は「運命」と「力量」が君主にとって最も大事な要素である事を説明し、「運命」とはどのような影響を及ぼすか、「力量」とはどのように形成されていくかを歴史の実例(主に古代ギリシャ・ローマや中世イタリア)を元に紐解いていく。君主が助言を聴くのはあくまで君主側のタイミングであり、判断は君主に委ねられると言う部分はその通りだと思った。あととにかく舐められ

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    2023年11月22日
  • 君主論

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    「君主は必要に応じて悪人にもならねばならぬが、その悪を行うときは全て一気に行い、その後は善人に戻るようにすること」という言葉が印象に残りました。また、君主が自らの利益や安全を守るためには必要に応じて人を裏切り、反逆者を排除しなければならないということも、深く考えさせられました。


    マキャヴェッリが16世紀初頭に書いた政治論の古典。君主としての成功のために、強さ、知恵、権力の行使を重要視する。その手段は道徳的に正しいとは限らないが、目的に合わせた選択をすることが必要とされる。個人の意見にとらわれず、国家を導くために必要な判断をすることが求められる。そのためには、一定の「虚心坦懐」と「愛されるこ

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    2023年05月03日
  • 君主論

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    君主とはどうあるべきか。必ずしも聖人君子のように振る舞うのではなく、時に非道に、時にケチになるのもヒエラルキーの上位に立つ時には必要な資質であると理解した。
    人々からあえて嫌われることもいとはない、リーダーはどの時代でも寂しい側面があるものなのだと思う。

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    2023年04月16日
  • 君主論

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    序盤の政体論や軍制論はいまいちだったが、15章からの君主の資質に関する話は面白かった。
    チェーザレ・ボルジアに強く影響を受けた内容なのでチェーザレ・ボルジアについての本を読んでから本書を読むとより分かりやすい。

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    2023年02月12日
  • 君主論

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    不道徳教育講座に近い感覚を覚える。
    目的に照らし合わせた時に最も効果的な手段を考えるべし!というメッセージと受け取った。
    ただ、時代背景と君主という立場を認識しないとならない。誰でもどの場面でも活用できる代物ではない。
    例えば、「慕われるより恐れられた方が良い」は本当にミドルリーダーに必要かと言われれば怪しい。トップなら必要な気はするが。
    現代の一般論に流されがちな人は対局の意見として取り入れても良いと思う。

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    2022年01月02日
  • 60分で名著快読 マキアヴェッリ『君主論』

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    題名に偽りあり。60分ではとても読めない。この手の題名はどうにかしてほしい。しかし、内容は評価できる。『君主論』について非常にわかりやすく解説している。原書の本訳を手元において読み進めるとよい。

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    2021年11月23日
  • 君主論

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    ネタバレ

     君主を社長に読みかえて読んでみた。君主論は上に立つ人にとっていい本だと思うけど部下にこれを薦めたいとは思わない。

    君主がみずからの地位を保持したければ、善からぬ者にもなり得るわざを身につけ、必要に応じてそれを使ったり使わなかったりすることだ。
    →手を汚すことも必要だと解釈した。ただこれはやりたくはない。

    気前の良さとけちについて
    →権力の座に着くまでは他人の所有物を惜しみなく与える者との評判を取るように行動し、権力の座に着いたら倹約を旨とし自分のものや社内のものを大事にしなければならない。

    冷酷と慈悲について
    →性悪説に立つべき。慕われるより恐れられよう。人間は恩恵を施している間だけ味

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    2021年11月20日
  • 君主論

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    世界の政治家や大企業のトップ経営者は、このような本の知識を得てことに当たっているのか、と理解しました。

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    2020年12月19日
  • 月と篝火

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    p84. どうやって人に説明できただろう。ぼくが求めているのは、かつて見たことがあるものを、ふたたび見たいだけだ、などと?

    初パヴェーゼ。作者も作品も知らなかったたので、「ぼく」の背景を知らず、この主人公の行動や人々の会話が何を意味するか分からず、最初は読んでいるだけだった。そのうち、イタリアの寒村の風景、「私生児」アングィッラの暮らしと、戦争で変わってしまった人々と村、祭りや労働の記憶などの味わいを感じた。ヌートのクラリネット、篝火、玉蜀黍の皮、孤児院と小作人、荒家と山羊と榛の茂み、葡萄とポレンタ、チントヴァリーノ老婆、マッテーオ旦那と2人の娘、司祭とパルチザン。貧しさの記憶と故郷パドリー

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    2020年12月16日
  • 君主論

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    約500年前の時代を生きていた人物の著作とは思えないくらい、その内容に説得力があった。彼が唱える君主論は、彼が時代の流れの中で身をもって経験したことが元となっているため、戦争に明け暮れていた当時の情景が思い浮かぶかのような迫力があった。彼が唱える君主論は、どのようにすれば人心を掴むことができるのかを教えてくれると共に、巨大な権力を扱い方がどれだけ難しいことなのかを教えてくれるものであった。

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    2020年10月09日